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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「次は年初来高値を奪回へ」

株式評論家 富田隆弥

◆アッという間に日経平均株価は「3万円」を回復した。9月8日まで8日続伸、高値を3万0241円まで伸ばした(9月9日現在)。8月下旬に好転の兆しをみせていたが、3日に菅首相が退陣を表明したことで上昇に弾みが付いた。

◆先物・オプションのメジャーSQ(特別清算指数の算出日)を10日に控え、慌てたのは「3万円に行かない」と読んで先物でショート(売り)を仕掛けていた、あるいはオプション市場でコール(買う権利)を売っていた向きで、相場の上昇に伴い損失拡大を防ぐために先物やコールの買いを急いだ。それが、8日までの日経平均株価の急騰の要因になったと思われる。

◆日経平均株価は8日間で2500円幅(9.2%)も上げ、日足のテクニカル指標に高値信号を灯すものが多く表れてきた。サイコロジカルラインの10勝2敗、騰落レシオの127%、RCI(順位相関指数)の9日線の100%、13日線の96%など。SQが通過することもあり、そろそろ調整してもおかしくはない。だが、9月末(28日)は配当と株式分割がある。相場が動き出したことで投資家の物色意欲は強く、調整は小幅にとどまるだろう。

◆日経平均株価の週足チャートは反転してからまだ3週目であり、週足RCIは13週線が-6%、26週線が-56%と底値から浮上したばかりで、上昇余地はまだある。昨年11月から今年2月までの上昇幅7700円を、今回の相場に当てはめると3万4000円台となる。すぐには無理でも、年内にこの水準を目指す可能性は十分にある。

◆半年にわたる調整から上昇に転じた日本株。新政権への期待や新型コロナワクチンの接種拡大を背景に、これまで手控えていた外国人投資家に日本株を見直す動きが見られる。次は2月高値3万0714円奪回から3万1000円台乗せを目指して、押し目買い基調が続こう。

(9月9日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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