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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

藤コンポ <日足> 「株探」多機能チャートより

■藤倉コンポ <5121>  725円 (+49円、+7.3%)

 東証1部の上昇率10位。藤倉コンポジット <5121> が大幅高で6連騰と上げ足加速。株価は2018年5月以来3年3ヵ月ぶりの高値水準に浮上した。株価3ケタ台の中低位株人気が続くなか、PER6倍台、PBR0.6倍台と指標面から超割安圏にあることで水準訂正高を見込んだ資金の流入が加速した。同社はゴム加工品や産業用資材の大手メーカーで、ゴルフ用カーボンシャフトなども製造する。また、同社が手掛けるマグネシウム空気電池「WattSatt(ワットサット)」はマグネシウムを電極に使用した大容量電池で、非常時の充電用などで需要開拓が期待されている。足もとの業績も好調で、22年3月期営業利益は従来予想の11億円から30億円(前期比2.6倍)に大幅増額しマーケットの注目を誘った。

■プレイド <4165>  2,881円 (+151円、+5.5%)

 プレイド <4165> [東証M]が続急伸。前週末27日の取引終了後、CX(顧客体験)マネジメントクラウドサービスを手掛けるEmotion Techを子会社化し、21年9月期第4四半期から連結決算に移行すると発表した。これに伴い、21年9月期の最終損益見通しを1億3200万円の赤字から7800万円の赤字(前期12億700万円の赤字)へ見直しており、これが好感されたようだ。取得関連費用と段階取得に関する差益について、連結損益計算書上で調整が発生する見込みとなったことが要因。なお、売上高54億3700万円(同40億700万円)、営業利益1億5100万円(同10億7900万円の赤字)とする従来予想は連結決算移行後も据え置く。

■日本製鉄 <5401>  2,168.5円 (+108.5円、+5.3%)

 日本製鉄 <5401> が急反発。業種別騰落率で「鉄鋼」は東証1部33業種中で上昇率トップとなった。商品市況の上昇など川上インフレが鮮明となるなか、市況関連株への物色ニーズが高まっている。そのなか、前週に日本製鉄とトヨタ自動車 <7203> との鋼材価格交渉が大幅な値上げで合意したことが伝わり、鉄鋼株の収益環境の追い風が改めて意識されている。鉄鋼セクターでは、日本製鉄系の鋼板大手である中山製鋼所 <5408> の上げ足が際立ち、東証1部の値上がり率で上位3傑に食い込んでいる。中山鋼のPBRは前週末終値換算で0.2倍台にあり割安感が強い。

■三井化学 <4183>  3,715円 (+160円、+4.5%)

 三井化学 <4183> が3日ぶり大幅反発。前週末27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を350万株(発行済み株数の1.79%)、または100億円としており、取得期間は8月30日から11月19日まで。株主還元の充実及び資本効率の向上を目的としているという。

■フリー <4478>  8,500円 (+350円、+4.3%)

 フリー <4478> [東証M]が4日ぶり大幅反発。前週末27日の取引終了後、三井住友信託銀行とのAPI連携を開始したと発表。今回連携したのは、金融機関の入出明細や残高情報などを外部サービスに情報連携するためのAPIで、これによりユーザーは「freee会計」にユーザーIDとパスワードを保存することなく利用明細を自動連携することが可能となる。

■ニチレイ <2871>  2,817円 (+103円、+3.8%)

 ニチレイ <2871> が大幅反発。SMBC日興証券が27日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を3100円から3250円へ引き上げた。同証券では、今回は原料高で値上げの決断が非常に迅速で、コスト高への対応力という経営課題を打ち破り、厳しい環境下でも収益向上に挑む経営体質を評価している。23年3月期は値上げの本格寄与で加工食品は17%増益見通しで、収益性は膠着状態から抜け出し改善に向かうと予想。また、コロナ禍が契機となり、冷凍食品市場は成長が定着しつつあるが、同社はその好機を逃さずに新たな需要を獲得しており、今後も増収基調が続くと予想している。

■九州FG <7180>  430円 (+14円、+3.4%)

 九州フィナンシャルグループ <7180> が大幅高。前週末27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を800万株(発行済み株数の1.82%)、または30億円としており、取得期間は21年9月1日から22年3月24日まで。機動的な資本政策により、資本効率の向上を通じて株主への利益還元を図るとしている。

■サイバダイン <7779>  450円 (+14円、+3.2%)

 CYBERDYNE <7779> [東証M]が大幅反発。30日、「HAL 医療用単関節タイプ」(医療用HAL)が、米国食品医薬品局(FDA)のクラス1医療機器登録を行ったと発表。今回、FDAに医療機器登録を行った医療用HALは、20年8月に日本で医療機器認証を取得したものと同型の製品で、サポータ類を付け替えることによって肘、膝、足首などに装着できるのが特徴。脳神経系疾患による麻痺や、整形疾患による運動障害を呈する患者の機能回復に使用することができるとしている。

■三菱自 <7211>  281円 (+8円、+2.9%)

 三菱自動車工業 <7211> が続伸。同社は27日、日産自動車 <7201> の合弁会社であるNMKVで企画・開発を進めている軽規格の電気自動車(EV)を国内で22年度初頭に発売する予定だと発表。この軽自動車EVは、EVならではの滑らかで力強い走りと高い静粛性を実現するとともに、運転支援技術をはじめとするさまざまな先進技術が搭載される予定。価格は約200万円(車両本体価格から補助金額を差し引いた購入額)からとなる見込みだとしている。

■郵船 <9101>  8,570円 (+230円、+2.8%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株が軒並み高。コンテナ市況の高騰など収益環境の変化を背景に足もとの業績が様変わりしており、PER・PBRの低さや配当利回りの高さなどを拠りどころに、ここにきて再び買い攻勢が目立っている。30日も業種別騰落率で値上がり上位に入っている。コンテナ船市況だけではなく、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も8月に入ってから急速に上昇、前週末時点で4235まで水準を切り上げている。これは2008年9月のリーマン・ショック直前の水準で約13年ぶりの高値圏にある。

■パナソニック <6752>  1,295円 (+21.5円、+1.7%)

 パナソニック <6752> が続伸。前週末27日の取引終了後、未定としていた中間配当を15円(前年中間配当10円)にすると発表。なお、期末配当は引き続き未定としている。

■キユーピー <2809>  2,700円 (+33円、+1.2%)

 キユーピー <2809> が続伸。前週末27日の取引終了後、9月13日付で自社株850万株(発行済み株数の5.67%)を消却すると発表。なお、消却後の発行済み株数は1億4150万株となる予定だ。

■東エレク <8035>  46,570円 (+490円、+1.1%)

 東京エレクトロン <8035> 、レーザーテック <6920> など半導体製造装置関連株に買いが先行。前週末の米国株市場では米長期金利が急低下するなか、半導体関連株が買われ全体相場を牽引、半導体製造装置世界トップのアプライド・マテリアルズ <AMAT> は3%超に買われる人気となった。また、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も約2%高と大きく切り返し、8月4日の最高値を指呼の間に捉えている。高速通信規格5Gの普及加速を背景とした半導体需要の高まりで、半導体需給が逼迫し足もとの製造装置需要を喚起している状況にある。微細化ニーズが一段と高まるなか、EUV(極端紫外線)露光装置ではオランダのASMLがマーケットシェアをほぼ独占しているが、同分野における塗布・感光装置では東エレクが、マスクブランクス検査装置ではレーザーテックがそれぞれ商品シェアをほぼ100%確保している状況にあり、市場の注目度が高い。ただ、レーザーテックについてはPERが90倍台と高いことから高値警戒感も意識され、2万2000円台では売り圧力も強い。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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