【市況】今週の【早わかり株式市況】大幅反発、週前半は前週の反動高も後半伸び悩む
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶり大幅上昇、新型コロナや政局不安のなかも買い戻し優勢に
2.週初は480円高と急反発、全体の9割近い銘柄が上昇する全面高商状となる
3.週前半は国内に買い手掛かり少ないものの欧米株高やアジア株高などが追い風
4.半導体製造装置関連が買われ全体指数に貢献、週末は海運株の上げ足が際立つ
5.週末はパウエルFRB議長の講演を控え見送り、アフガン地政学リスクも意識
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比627円(2.32%)高の2万7641円となり、2週ぶりに大幅上昇となった。
今週は引き続き新型コロナウイルスの感染拡大や政局リスクなどが警戒されたが、前週の反動で週前半に大きく買い戻されリバウンドに転じた。ただ、週末はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を見極めたいとの思惑から手仕舞い売りで軟調だった。
週明け23日(月)は日経平均が3営業日ぶりに急反発。前週後半の下げで値ごろ感が生じていたことから、押し目買いや空売りの買い戻しで480円高の大幅上昇となった。アジア株の上昇なども追い風に全体の9割近い銘柄が上昇する全面高商状に。24日(火)は前日の欧米株市場の上昇を引き継いで先物主導で続伸。半導体製造装置関連などハイテクセクターに物色の矛先が向かい全体指数を押し上げた。25日(水)は前日の米株高を受け朝方は買い優勢で始まったものの、その後は値を消す展開に。下値も固く、結局わずかに前日終値を下回って着地した。26日(木)は前日同様に狭いレンジでのもみ合いとなり、大引けは小幅ながらプラス圏で引けた。米株市場でナスダック総合指数やS&P500指数などが過去最高値を更新したことは追い風となったが、新型コロナ感染拡大が経済に与える影響や政局不安が上値を重くした。そして週末27日(金)はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を前に買い手控えムードの強い地合いとなった。アフガニスタンの首都カブールでの爆破テロを受け、地政学リスクも意識されている。ただ、朝方の売り一巡後は徐々に下げ渋る展開となった。後場寄りにいったん下げ幅を広げたものの、その後は底堅さを発揮した。業種別では海運株の上昇が際立った。
■来週のポイント
新型コロナ感染拡大による経済への影響や政局リスクが意識される中、週末にかけて伸び悩んだだけに、来週は底堅いながらも方向感に乏しい展開になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される7月の有効求人倍率と鉱工業生産や9月1日朝に発表される4-6月期法人企業統計調査が注目される。海外では31日発表の中国8月製造業PMIや9月1日発表の米国8月ISM製造業景況指数、2日発表の米国7月貿易収支、3日に発表される米国8月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(8月23日~8月27日)
【↑】 8月23日(月)―― 急反騰、米株高やアジア株の上昇で全面高
日経平均 27494.24( +480.99) 売買高 9億4416万株 売買代金 2兆3103億円
【↑】 8月24日(火)―― 続伸、欧米株高を受けリスク選好の買い継続
日経平均 27732.10( +237.86) 売買高 9億5942万株 売買代金 2兆3378億円
【↓】 8月25日(水)―― 3日ぶり反落、朝高も利益確定売りで値を消す
日経平均 27724.80( -7.30) 売買高 9億1254万株 売買代金 2兆1187億円
【↑】 8月26日(木)―― 小反発、半導体関連や景気敏感株の一角が買われる
日経平均 27742.29( +17.49) 売買高 8億6075万株 売買代金 2兆0060億円
【↓】 8月27日(金)―― 反落、ジャクソンホール会議を前に様子見姿勢
日経平均 27641.14( -101.15) 売買高 8億6985万株 売買代金 2兆1135億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、29業種が上昇
(2)値上がり率トップの郵船 <9101> など海運をはじめ日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄といった景気敏感株が買い戻された
(3)トヨタ <7203> など自動車、東エレク <8035> など電機、ダイキン <6367> など機械といった輸出株は大幅反発
(4)楽天グループ <4755> などサービス、住友不 <8830> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運といった内需株も総じて高い
(5)オリックス <8591> などその他金融、野村 <8604> など証券、第一生命HD <8750> など保険といった金融株も堅調
(6)大ガス <9532> など電力・ガス、武田 <4502> など医薬品といったディフェンシブ株は低調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(15) デジタルトランスフォーメーション ── 生命力満点の「DX関連好望株」5連弾
2(1) 半導体製造装置
3(7) 医療用ガス ── コロナ医療強化を担う救世主株リスト
4(3) 海運
5(2) 再生可能エネルギー
※カッコは前週の順位
株探ニュース