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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「意欲の“秋”」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は8月20日に2万6954円の安値を付けた。新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言の延長と対象地域の拡大、そして各地が豪雨に見舞われるなど、8月の日本は厳しかった。株式市場は2月の高値期日(8月16日)が重なり、需給が厳しく、個別株の見切り売りが加速した。

◆だが、23日以降は上昇に転じ、25日に2万7897円の高値を付ける。週足チャートは52週移動平均線(26日時点2万7341円)に差し掛かって切り返し、週足RCI(順位相関指数)は13週線-80%、26週線-82%と底値圏で浮上の兆しが見られる。こうなると、悪条件の重なった20日の安値が当面の下値になってもおかしくはない。

◆とはいえ、26日時点の日経平均株価は2万7742円で、日足チャートは25日移動平均線(2万7656円)をクリアしたものの、間もなくデッドクロスする75日移動平均線(2万8296円)と200日移動平均線(2万8199円)のまだ下にある。2月から続くジリ安基調を脱するには、少なくともこの両平均線を突破しなければならない。

◆8月27日に開催されるジャクソンホール(経済シンポジウム)におけるFRBパウエル議長の講演に世界が注目しており、その後のマーケット(株式、為替、商品、仮想通貨)の推移がポイントになるが、注目されているところでパウエル議長が波乱を招くような発言をするとは思えない。株式市場でカギを握るNYダウに波乱がなければ、出遅れている日本株は戻り歩調を続け、2万8200円近辺にある両平均線の突破を試すことになろう。

◆さて、今週から9月、「秋」である。不人気の菅政権だが、この秋で一つ決着を見ることになる。日本企業の業績は好調で、9月末に中間配当や株式分割がある。意欲旺盛な投資家は「秋」に動き出すと思われる。

(8月26日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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