市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

シックHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■シックHD <7365>  742円 (+71円、+10.6%)

 シック・ホールディングス <7365> [東証M]が急反騰。前週末20日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を14万3000株(発行済み株数の1.27%)、または1億円としており、取得期間は8月23日から9月14日まで。機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環として実施するとしている。

■サーキュ <7379>  3,305円 (+315円、+10.5%)

 サーキュレーション <7379> [東証M]が続急騰。同社は23日、IT関連・デジタル人材養成の教育機関を運営するデジタルハリウッド(東京都千代田区)との業務提携を開始すると発表しており、これが株価を刺激したようだ。この連携により、同社はデジタルハリウッド卒業生の経験や知見を、全国のクリエイティブに課題を持つ企業に提供し、課題解決の推進につなげることが可能。デジタルハリウッドは、卒業生に対して実践の場を提供することで、卒業生や在校生、今後入学を検討する人の機会創出の促進が期待できるとしている。

■JIGSAW <3914>  9,140円 (+760円、+9.1%)

 JIG-SAW <3914> [東証M]が急反発。23日昼ごろ、ハードウェア量産向けの超極小IoT組込みソフトウェア「NEQTO-m」の提供を開始したと発表しており、これが好感されたようだ。同製品は省メモリ化を実現するソフトウェア設計を可能とするほか、柔軟な双方向通信や確実なデータエラー検知といった特徴を持つ。

■日ケミコン <6997>  2,095円 (+166円、+8.6%)

 日本ケミコン <6997> が大幅高で3日ぶりに急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を2750円から3200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。アルミ電解コンデンサの需要増加と生産性改善を勘案し、前提を見直したことを受けて同証券の22年3月期の営業利益予想を70億円から80億円へ、23年3月期を同90億円から100億円へ引き上げたという。現在、産機・車載を中心に高水準の受注が継続中であることに加えて、マレーシアの新型コロナ感染再拡大で業界全体の操業に制限が掛かり、足もとの需給逼迫が加速。これをうけて第1四半期売上高は同証券予想に対して上振れる一方、生産対応が追い付かず、更に原材料価格高騰もあり営業利益は予想並みにとどまったとしている。ただ今後は、マレーシア操業正常化、価格転嫁の進展、ミックス改善、事業構造改革など、下期の挽回に向けて好材料が多いと評価している。

■フロンテオ <2158>  1,407円 (+110円、+8.5%)

 FRONTEO <2158> [東証M]が5日続伸。一時9%を超える上昇で一気に1420円まで上値を伸ばし、約1ヵ月半ぶりに年初来高値更新した。また同時に、長期波動の上値のフシとして長く意識されてきた2014年8月26日の上場来高値1421円にあと1円と肉薄した。人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業のほか、AI技術を横展開してライフサイエンス分野なども深耕、ビジネスの幅を広げている。前週19日には「会話型 認知症診断支援AIプログラム」に関し、韓国における特許査定を取得したことを発表した。同社は同プログラムに関して国際特許を出願しているが、特許性が認められたのは日本に続き2国目となる。これも株価の刺激材料となったもようだ。

■フューチャー <4722>  2,409円 (+177円、+7.9%)

 フューチャー <4722> が急反発。2428円まで上値を伸ばし、前週末に続く年初来高値。また、20年10月の高値2347円も一気に上抜き2000年以来約21年ぶりの高値更新となった。AIを活用したITコンサルティング事業を幅広く展開、IT人材育成などでも実績を積み重ねている。21年12月期業績はDX案件の受注が好調で従来見通しを増額、営業利益は前期比53%増の80億円を予想している。株主還元にも前向きで毎期増配を続けていることも評価材料となっている。今期は前期比6円増配となる46円を計画する。

■ウエストHD <1407>  4,760円 (+335円、+7.6%)

 ウエストホールディングス <1407> [JQ]が急反発。23日付の日本経済新聞で「環境省は再生可能エネルギー導入などで地域単位で先行して電力消費に伴う温暖化ガス排出実質ゼロを目指す自治体を支援する。事業費の最大75%を補助する交付金を設ける」と報じられたことを受けて、太陽光発電所の建設などの再生可能エネルギー事業を展開する同社に商機拡大を期待する買いが入った。記事によると、2030年度までに少なくとも100ヵ所で電力の脱炭素を実現し、成功モデルをつくるのが狙いという。また、この報道を受けて、イーレックス <9517> やレノバ <9519> など他の再生可能エネルギー関連にも買いが入った。

■アイネス <9742>  1,455円 (+79円、+5.7%)

 アイネス <9742> が急反発。岩井コスモ証券は20日、同社株の投資判断を新規「A」としてカバレッジを開始した。目標株価は1800円とした。同社が得意とする金融及び公共分野では需要の拡大が見込まれている。金融分野では、システム2025年の崖問題への対応で、レガシーシステムの改修に向けて需要が高まっていく見通し。行政面では住民コミュニケーションのデジタル化、デジタル庁の設立、ガバメントクラウドの利用など、今後数年にわたり追い風が吹くとみている。更に三菱総合研究所 <3636> との資本業務提携により成長に期待できる社風に変わりつつあることも評価している。

■飯田GHD <3291>  2,647円 (+129円、+5.1%)

 飯田グループホールディングス <3291> が続急伸。株価は一時、前週末に比べ6%超高に買われた。SMBC日興証券は20日、同社株の投資判断を「2」から「1」に引き上げた。目標株価は3300円から3450円に見直した。コロナ禍で分譲戸建て住宅の潜在需要が顕在化していることを評価。想定以上の利益率改善が継続しており、下期以降は原材料価格上昇の影響が一部生じるものの、単価改善などにより総じて高い利益率が続くとみている。同証券では22年3月期の連結営業利益は会社計画1280億円(前期比5.6%増)に対して1667億円を予想している。

■アトラエ <6194>  2,327円 (+104円、+4.7%)

 アトラエ <6194> が大幅続伸。23日、新規事業としてシニア向けジョブ型マッチングサービス「Inow(イノウ)」を正式にリリースしたと発表しており、これが好感された。「Inow」は、25年以上のキャリアを重ねたベテラン人材が、これまで培ってきた専門性の高い知識やノウハウ、人脈などの「経験」と、それらを活用したい企業や人の「ニーズ」をマッチングさせるジョブ型マッチングサービス。キャリアが長い人々の仕事探しは、従来人を介したアナログなマッチングがメインであったため、ごく一部のトップ人材をターゲットとする求人キャリアか、専門性に関係なく多くの人が担えるような単純労働の求人の両極端なマッチングがほとんどだったが、「Inow」ではこれまでマッチングが難しいとされてきた中間層のロングテールなマッチングを実現すべく、あえて曖昧で自由度の高い余白を存分に残したサービス設計を実現したのが特徴という。

■郵船 <9101>  7,620円 (+330円、+4.5%)

 日本郵船 <9101> が東証1部売買代金首位で4日ぶりに大幅反発したほか、商船三井 <9104> や川崎汽船 <9107> なども活況高で切り返し急となった。22年3月期はコンテナ船市況の高騰などを背景に収益が急改善、時価予想PERは郵船と商船三井が2倍台、川崎汽は1倍台と超割安水準にある。配当利回りも郵船は9%台という高い水準で押し目形成場面ではインカムゲイン狙いの買いも活発化した。また、海運市況はコンテナ船だけではなく、ばら積み船の回復も特筆される状況にあり、運賃動向を示す代表的指標のバルチック海運指数は前週末20日現在で9日続伸となり、ついに4000の大台に乗せてきた。

■スター精 <7718>  1,497円 (+62円、+4.3%)

 スター精密 <7718> が大幅反発。23日午後1時30分ごろ、上限を100万株(発行済み株数の2.49%)、または17億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は8月24日から10月29日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するとともに、資本効率の向上と株主還元の充実を図るためという。また、これにより取得した全ての株式を11月5日付で消却するとあわせて発表した。

■カチタス <8919>  3,580円 (+130円、+3.8%)

 カチタス <8919> が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「ホールド」を継続し、目標株価を3300円から3400円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、拠点拡大や人員増強による中古住宅販売棟数の拡大を通じた中期的な利益成長を評価。また、値引き抑制による販売単価の上昇やリフォーム中契約の増加などで、22年3月期第1四半期(4-6月)売上総利益率は24.4%と予想以上に上昇したが、同証券では歴史的に高水準な売上総利益率を中期的に概ね維持できると考え、営業利益予想を22年3月期で125億円から130億円へ、23年3月期で140億円から145億円に上方修正している。

■日経レバ <1570>  14,300円 (+480円、+3.5%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅反発。前週末に昨年12月以来約8ヵ月ぶりに1万4000円大台を割り込んだものの、23日は朝方から買い優勢に傾き、1万4300円まで急速に切り返す展開となった。日経平均株価にリンクさせたETFで価格変動率が基本的に2倍に設定されていることで、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家などの売り買いが活発化する傾向がある。23日は、前週末の米国株市場で主要株指数が揃って上昇したことを受け、目先リスク回避の売りが一巡し日経平均は大きく反発に転じており、日経レバもそれに追随する動きとなった。信用買い残は直近13日現在で2週連続して大幅に減少しており、需給面でも改善が進んでいる。

■トヨタ <7203>  9,222円 (+307円、+3.4%)

 トヨタ自動車 <7203> が6日ぶり大幅反発。前週後半に2営業日合計で800円を超える急落をみせ、フシ目の9000円大台を割り込んだが、23日は押し目買いが入りリバウンドに転じた。前週の急落の背景は、同社が9月の世界生産を4割削減すると発表したこと。しかし、これは半導体不足や東南アジアでの新型コロナ感染に伴う部品調達難が理由で、同社も通期の生産計画については下方修正しておらず、一過性の減産という見方が強い。株価指標面でもPBR1倍近辺と割安感が強く、前週後半の下げが行き過ぎとの判断から押し目買いを誘発した。

■ニチコン <6996>  1,041円 (+34円、+3.4%)

 ニチコン <6996> が3日ぶり大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を1300円から1450円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。アルミ電解コンデンサの需要増加と同社の生産能力を勘案し、前提を見直したことを受けて、22年3月期の営業利益予想を40億円から50億円へ、23年3月期を同64億円から74億円へ引き上げたことが要因という。第1四半期にアルミ電解コンデンサの受注が急増し、第2四半期に入っても産機・車載を中心に増加が継続中であると指摘。現在、マレーシアの操業に制限が掛かっているが、下期以降は増産対応も進み、稼働が上昇するとしている。また、EV用フィルムコンデンサは原材料・物流費高騰が新たなコスト増要因に浮上しているが、歩留まり・生産性は着実に改善中で、今後、顧客への価格転嫁が進み、下期中に単月黒字転換と見込んでいる。

■ミネベア <6479>  2,767円 (+62円、+2.3%)

 ミネベアミツミ <6479> が3日ぶりに反発。21日付の日本経済新聞で「今後5年で半導体分野に350億円程度を投資し、全社の生産量を現状の2.5倍程度まで高める方針だ」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、スマートフォンなど向けリチウムイオン電池の電流制御や車載電源用途で今後も需要が増えると見込んでいるとあり、業績への貢献が期待された。

■メドレー <4480>  4,000円 (+85円、+2.2%)

 メドレー <4480> [東証M]が3日ぶりに反発。同社は20日、NTTドコモ(東京都千代田区)及びNTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)と、医療機関が新型コロナウイルスの自宅療養者に対して速やかにビデオ通話を用いたオンライン診療を実施するためのシステムを提供すると発表。これが材料視されたようだ。これは、直近の新型コロナウイルスの感染拡大や自宅療養者の増加に伴う社会的な要請の高まりを受けたもの。同システムは、医療機関が自宅療養者の携帯電話番号宛てにオンライン診療用のURLをSMS送信し、患者がスマートフォンやタブレット端末で届いたURLをクリックするだけでオンライン診療を利用することができる。

■ミスミG <9962>  4,280円 (+80円、+1.9%)

 ミスミグループ本社 <9962> が4日続伸。前週末20日の取引終了後に発表した7月の月別売上高が前年同月比27.3%増と大幅増となり、8ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。流通事業であるVONA(ヴォーナ)事業が34.5%増と大幅に伸長したほか、FA事業も同24.7%増と高い伸びとなった。更に、金型部品事業も16.4%増と2ケタ増と伸長した。

■コクヨ <7984>  1,926円 (+33円、+1.7%)

 コクヨ <7984> が3日ぶりに反発し、年初来高値を更新した。全体相場の堅調地合いが追い風となった様子。また、同社は23日、拡張現実(AR)技術を活用したデジタルアナログ融合コンテンツの実証実験を開始したと発表しており、これも買い手掛かりのひとつとなったようだ。この実証実験は、ソニーグループ <6758> 傘下のソニーセミコンダクタソリューションズが提供する高性能AR体験を実現する「AR MAP ソリューション」を国内で初めて活用して行われるもの。書き心地の没入体感やコーディネート例の表示など、商品の感性的・機能的な価値を通常の売り場よりも豊かに伝えることができ、あわせて商品スペック情報の表示や店頭在庫のない商品のEC誘導などにより顧客の購買サポートと店舗オペレーションの軽減も図ることが可能だという。加えて、23日は帳票配信クラウドサービス「@Tovas(あっととばす)」の送信データの長期保存を行う「アーカイブ機能」の提供を9月30日から開始することも発表している。

■エレコム <6750>  1,706円 (+25円、+1.5%)

 エレコム <6750> が3日ぶりに反発。前週末20日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を250万株(発行済み株数の2.74%)、または50億円としており、取得期間は21年9月1日から22年3月31日まで。資本効率の向上と経営環境に応じた資本政策の一環として、戦略的な投資機会を含む成長投資、手元資金や株価水準などを総合的に勘案したという。

■久光製薬 <4530>  4,525円 (+65円、+1.5%)

 久光製薬 <4530> が3日続伸。同社は20日、経皮吸収型非ステロイド性疼痛治療剤「ジクトルテープ」の腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎への効能 追加に関する承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。同剤は、TDDS(経皮薬物送達システム)技術を用いて開発した非ステロイド性抗炎症薬を含有する全身性の経皮吸収型製剤で、21年3月に「各種がんにおける鎮痛」を効能・効果として製造販売承認を取得。今後は22年度中に腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎の効能追加に関する承認取得を目指すとしている。

■レーザーテク <6920>  19,390円 (+240円、+1.3%)

 レーザーテック <6920> 、東京エレクトロン <8035> など半導体製造装置関連株が高い。ここ米国株市場で軟調展開にあった半導体関連株に売りが一巡、前週末の米国株市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅ながら続伸し反騰機運をみせた。半導体需給の逼迫が続くなか、メーカーの設備投資意欲に火がついていることが半導体製造装置関連株に追い風となっている。東京市場でも、同関連株は調整十分で値ごろ感からの買いが入りやすいタイミングにある。もっとも、前週末の米株市場では半導体製造装置世界トップのアプライドマテリアルズ <AMAT> やインテル <INTC> などマイナス圏で引けた銘柄もあり、総花的に買われたひと頃と比べると半導体関連株に対する投資資金流入の勢いは減速している。

※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均