【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):MARUWA、コーテクHD、住友鉱
MARUWA <日足> 「株探」多機能チャートより
ピー・シー・エー<9629>がストップ高。26日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割し、それに伴い従来34円を予定していた期末一括配当を実質増額となる12円に修正したことが好感された。また、同時に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高33億2800万円(前年同期比19.3%増)、営業利益9億7500万円(同2.1倍)、純利益6億1400万円(同2.3倍)と大幅増益となったことも好材料視された。21年12月にサポート終了を迎える「PCA Xシリーズ」の更新需要に伴い製品売上高が大幅に増加したことが牽引した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高124億4700万円、営業利益18億6600万円、純利益11億9200万円(会計基準変更のため前期との比較なし)の従来見通しを据え置いている。また、保有する投資有価証券の一部を売却するのに伴い、上期に投資有価証券売却益7億3700万円を特別利益として計上すると発表した。前述の22年3月期業績予想には織り込んでいないとしている。
■日本精線 <5659> 5,200円 +445 円 (+9.4%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
日本精線<5659>が大幅高で年初来高値を更新。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について純利益を24億5000万円から29億4000万円(前期比61.0%)へ上方修正すると発表しており、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。あわせて、年間配当予想を160円から200円(前期110円)へ増額しており、これが好感されたようだ。売上高についても、390億円から420億円(同23.1%増)へ引き上げた。自動車関連や建材用途をはじめ幅広いアイテムの販売が好調に推移しており、これによる粗利増加や操業度損圧縮の効果を見込む。また、太陽光発電パネルや電子部品の製造プロセスで使用されるスクリーン印刷向け極細線や半導体関連業界向け超精密ガスフィルターなどの販売も当初の想定通り堅調に推移する見通し。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高106億4100万円(前年同期比29.8%増)、純利益9億1600万円(同2.2倍)だった。
■Abalance <3856> 6,950円 +400 円 (+6.1%) 本日終値
Abalance<3856>が大幅続伸、今月14日につけた戻り高値6730円を上抜き、新局面入りを示唆している。世界的に脱炭素への取り組みが進むなか、太陽光発電分野の成長性が改めて認識されている。同社はベトナムの太陽光パネル製造会社を連結子会社化し業容を拡大、抗菌・抗ウイルスの光触媒事業なども注目されている。今月7日に株式交換で傘下に収めた子会社WWBが開発を進めてきた福島県の2つの太陽光発電所が系統連系し、売電をスタートさせることを発表しているほか、直近ではエネルギー貯蔵システムを開発する合同会社も設立し展開力を強めている。また、26日取引終了後には関連会社が宮城県大和町での太陽光発電所建設に向け開発計画や融資の実行などで動き出したことも発表している。
■MARUWA <5344> 11,320円 +540 円 (+5.0%) 本日終値
MARUWA<5344>が後場急伸。きょう午後1時ごろ、22年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表。売上高は前年同期比23.7%増の111億1200万円、純利益は同53.0%増の22億1100万円となり、大幅増収増益で着地したことを好感した買いが入ったようだ。戦略的な高付加価値製品の増加や生産性向上などによる利益率の改善に努めたことが奏功した。なお通期見通しについては、売上高420億円(前期比1.4%増)、純利益75億円(同8.1%増)とする従来予想を据え置いた。
■DyDo <2590> 5,300円 +240 円 (+4.7%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>が3日続伸。26日の取引終了後に発表した7月度(6月21日~7月20日)の国内飲料事業の販売状況で、販売本数が前年同月比11.6%増と2ケタ増となったことが好感された。稼働日数が1日多かったほか、コーヒー以外の飲料が自販機チャネル、流通チャネルともに大幅に伸長したことが寄与した。
■コーテクHD <3635> 5,260円 +230 円 (+4.6%) 本日終値
コーエーテクモホールディングス<3635>が3日続伸。26日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、売上高を300億円から320億円(前年同期比38.3%増)へ、営業利益を100億円から120億円(同42.0%増)へ、純利益を120億円から150億円(同26.6%増)へ上方修正したことが好感された。第1四半期に、パッケージゲームの「仁王2 Complete Edition」などのリピート販売が好調に推移したほか、自社開発のスマートフォンゲーム「三國志 覇道」が堅調に推移し、IP許諾によるロイヤルティー収入も引き続き高い水準となったことが要因という。これにより上期として過去最高の業績となる見通しだ。同時に発表した第1四半期決算は、売上高205億2000万円(同80.6%増)、営業利益97億1800万円(同2.2倍)、純利益133億8100万円(同2.0倍)で着地した。なお、22年3月期通期業績予想は売上高650億円(前期比7.7%増)、営業利益245億円(同0.4%増)、純利益265億円(同10.3%減)の従来見通しを据え置いている。
■住友金属鉱山 <5713> 4,472円 +192 円 (+4.5%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>、三井金属<5706>が3連騰。きょうは非鉄セクターが業種別値上がり率2位となるなど物色人気が盛り上がっている。ここにきてアフターコロナの世界経済を見込んで銅市況が急速に戻り足に転じている。また、ニッケル市況も2010年以来の高値圏にあり、アルミ市況は2010年の高値水準を既に上回って推移している。世界的な中央銀行の緩和政策が影響しているとみられるが、非鉄市況の上昇は同関連株にポジティブ材料として働いている。
■日本水産 <1332> 577円 +22 円 (+4.0%) 本日終値
日本水産<1332>が反発。SMBC日興証券が26日付で投資評価を新規「1」、目標株価を650円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、医薬品原薬のEPA(エイコサペンタエン酸)事業がようやくスタートラインに立てるメドがついたと指摘。今下期から出荷開始の見通しで、今・来期累計で20億円の利益貢献を予想しているという。一方、水産市況は、コロナ収束に伴う世界的な外食需要の回復で、価格が切り上がり始めており、今期は上げの相場になる可能性が高いとしている。足もとの株価はPERで過去平均並みだが、EPAの出荷開始とモメンタム改善を契機に、バリュエーションが是正される局面入りを予想している。
■マクニカ富士 <3132> 2,829円 +102 円 (+3.7%) 本日終値
マクニカ・富士エレホールディングス<3132>が大幅高。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を6300億円から6700億円(前期比20.9%増)へ、営業利益を210億円から250億円(同33.2%増)へ、純利益を130億円から170億円(同56.3%増)へ上方修正したことが好感された。半導体及び電子デバイスその他事業で、半導体への設備投資、5Gやデータセンター、自動車の電動化などさまざまな需要の増加が見込まれ、産業機器、通信インフラ、車載市場などが引き続き好調に推移する見通し。また、ネットワーク事業では、クラウドの利活用の加速を背景にクラウドサービス関連商品、エンドポイントセキュリティー関連商品、クラウドゲートウェイセキュリティー関連商品の導入が進むことから、クラウド、セキュリティー関連商品を中心に成長すると見込む。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高1780億6400万円(前年同期比42.3%増)、営業利益73億600万円(同89.9%増)、純利益62億5500万円(同2.5倍)だった。
■栄研化学 <4549> 2,250円 +63 円 (+2.9%) 本日終値
栄研化学<4549>が3連騰、株価を2200円台に乗せボックス相場上限突破に期待がかかる状況にある。同社は臨床検査薬大手で新型コロナ検出用遺伝子分野などでの独自技術も注目されている。足もとの業績も便潜血検査試薬を含む免疫血清学的検査用試薬などが牽引し好調に推移している。26日取引終了後に発表した21年4~6月期決算は営業利益が前年同期比2.6倍の25億9200万円と急増しており、これを評価する買いが集中した。
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