【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):TSIHD、オキサイド、レーザーテク
TSIHD <日足> 「株探」多機能チャートより
TSIホールディングス<3608>が急騰。女性層向けのアパレル大手でコロナ禍の影響を受けるなかも、業務効率化などの合理化努力やオンライン販売・接客などに力を入れたことが奏功し、足もとの業績は会社側の想定を大幅に上回って推移している。同社が前週末2日取引終了後に発表した21年3~5月期決算は売上高が前年同期比58%増の342億1500万円と急増、営業損益は22億7300万円の黒字(前年同期実績は64億4500万円の赤字)と赤字から脱却した。営業損益については通期計画で11億円の黒字を見込んでいたが、既にこれを超過している。業績の改善が急速に進んでいることを好感する買いを引き寄せた。
■ハイデイ日高 <7611> 1,924円 +92 円 (+5.0%) 本日終値
ハイデイ日高<7611>が4日続伸。前週末2日の取引終了後、未定としていた22年2月期の単独業績予想を発表しており、アク抜け感から買いが入ったようだ。売上高は300億円(前期比1.5%増)、営業損益は28億円の赤字となる見通し。同社では、新型コロナワクチンの接種が進み、自治体から出されている営業時間と酒類の提供時間の短縮要請などが徐々に緩和されるものと想定しており、テイクアウト・デリバリーのさらなる強化やロードサイド店舗の出店強化など売り上げ拡大を図っていくとしている。なお、同時に発表した第1四半期(3~5月)決算は、売上高59億3500万円(前年同期比8.3%減)、営業損益12億1100万円の赤字だった。
■オキサイド <6521> 9,530円 +440 円 (+4.8%) 本日終値
オキサイド<6521>が3日ぶりに反発。前週末2日の取引終了後、経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(2次公募)」に採択されたと発表しており、これが好材料視された。同補助金は、サプライチェーンの強靱化を図るため、生産拠点の集中度が高く、サプライチェーンの途絶によるリスクの大きい重要な製品・部素材や、国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材について、国内の工場・設備等を整備しようとする企業のさまざまな取り組みを支援する補助金。なお、同補助金にかかる業績への影響は、23年2月期以降を見込んでおり、22年2月期業績への影響はないとしている。
■レーザーテック <6920> 21,000円 +580 円 (+2.8%) 本日終値
レーザーテック<6920>は反発。前週末の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500指数がいずれも過去最高値を更新した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)はその前の日に下げた関係もあって最高値更新とはならなかったが、反発して最高値まで33ポイントあまりに迫っている。インテル<INTC>やザイリンクス<XLNX>、エヌビディア<NVDA>など半導体主力株が強い動きをみせており、その流れが東京市場にも波及している。レーザーテックは前週の下げが週間で2400円強と突出しており、2万円大台攻防の様相もみせていたが、きょうは値ごろ感からの押し目買いや買い戻しが株価に浮揚力を与える格好となった。
■村田製作所 <6981> 8,766円 +192 円 (+2.2%) 本日終値
村田製作所<6981>が続伸し75日移動平均線とのマイナスカイ離を解消したほか、太陽誘電<6976>やTDK<6762>など電子部品株が総じて高い。米国ではアップル<AAPL>がここ上げ足を強め、全体指数の上昇に貢献しており、前週末まで5連騰で1月につけた上場来高値更新も視野に入れている。これを受けアップルの有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーにも連想買いを誘う状況にある。また、高速通信規格5Gの次に予定される「6G」に関し、産業技術総合研究所などが主導して取り組む状況にあり、ここでも日本の電子部品メーカーの技術力が生かされる公算が大きく、村田製を筆頭に物色ニーズが強い。
■ワタミ <7522> 982円 +19 円 (+2.0%) 本日終値
ワタミ<7522>が高い。午後0時30分ごろ、4月に開始した「ワタミの宅食」のテレビショッピングの注文数が計画比360%で推移していると発表しており、これが好材料視された。「ワタミの宅食」は、管理栄養士が塩分、カロリー、品目数などに配慮しながら、日替わりで献立を設計した弁当・惣菜。同社では、新型コロナウイルスの影響で対面営業が難しいなか、健康意識が高まる高齢者層に対してより丁寧で的確に、商品の魅力やサービスの利便性を訴求するため、4月にテレビショッピングを開始したという。
■富士通 <6702> 21,255円 +410 円 (+2.0%) 本日終値
富士通<6702>が全体地合い悪に抗して上値追い基調を継続、株価は4月末にマドを開けて買われた後いったん調整を入れたが、5月13日に十字足で目先の底入れを確認してからは、小幅の押し目を形成しながらも次第高の展開をみせている。きょうは6月末につけた年初来高値2万860円を上回り、株式併合に伴う修正後株価で2001年以来約20年ぶりとなる2万1000円台に乗せている。日本株は目先ポジションを低める動きが顕在化しているが、同社株はスーパーコンピューターで不動の世界トップの座を確保するとともに、日本が国を挙げて巻き返しを図るポスト5G(6G)の分野でも日本電信電話<9432>と連携して重要なポジションを担っている。こうしたことを背景に、市場では「海外機関投資家などの根強い実需買いを呼び込んでいるようだ」(国内証券ストラテジスト)としている。
■アスクル <2678> 1,780円 +28 円 (+1.6%) 本日終値
アスクル<2678>は反発。前週末2日の取引終了後、21年5月期決算を発表し、営業利益は57.8%増益となる139億2300万円で着地。続く22年5月期の同利益予想も0.5%増益となり、小幅ながらも増益基調が続く見通しとなったことが好感されたようだ。前期は、手指消毒液やマスクなどの新型コロナウイルス感染対策商品の特需があったほか、「LOHACO」の損益改善が計画通りに進捗したことが業績押し上げにつながった。あわせて、25年5月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、25年5月期の売上高について5500億円(21年5月期実績は4221億5100万円)とする目標を掲げたことも好感されたようだ。
■ライト工業 <1926> 1,848円 +24 円 (+1.3%) 本日終値
ライト工業<1926>や日特建設<1929>、日本基礎技術<1914>が高い。静岡県熱海市で3日午前に大規模な土石流が発生したことを受けて、法面工事など特殊土木工事に強みを持つ建設各社が買われた。また、地盤調査の地盤ネットホールディングス<6072>も大きく買われる場面があった。
■ALサービス <3085> 2,259円 +29 円 (+1.3%) 本日終値
アークランドサービスホールディングス<3085>は3日続伸。前週末2日の取引終了後に発表した「かつや」直営店の6月度月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比1.2%増となり、4カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同1.6%減となったものの、客単価が同2.8%増と3カ月ぶりにプラスに転じたことが貢献した。なお、全店売上高は同20.2%増だった。
株探ニュース