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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

VIX短先物 <日足> 「株探」多機能チャートより

■VIX短先物 <1552>  3,140円 (+338円、+12.1%)

 国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が急反騰。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。前週末18日の米VIX指数は17日に比べ2.95(16.62%)ポイント高の20.70に上昇、一時21.04まで値を上げた。セントルイス連銀のブラード総裁が米連邦準備制度理事会(FRB)は「22年にも最初の利上げをするだろう」と発言したことを受け、利上げの前倒し懸念が浮上。同日のNYダウは533ドル安と大幅安となった。これを受け米VIX指数は上昇し、警戒ラインと呼ばれる20を約1ヵ月ぶりに上回った。つれて東京市場では、VIX短先物が連動高した。

■タムラ <6768>  955円 (+102円、+12.0%)

 東証1部の上昇率トップ。タムラ製作所 <6768> が全般波乱相場のなか6連騰。同社の技術を切り出して設立したカーブアウトベンチャーで酸化ガリウムパワー半導体分野の開発を進めるノベルクリスタルテクノロジーが、酸化ガリウム100ミリウエハーの量産に世界で初めて成功したことが伝わり、これが物色人気化の発端となった。株式需給面では日証金で貸株が急増し、貸借倍率が0.7倍と売り長になっている。これをベースとした買い戻しの動きが株価に浮揚力を与えている。

■Mipox <5381>  663円 (+43円、+6.9%)

 Mipox <5381> [JQ]が6日続伸、3月末の高値636円を上抜き年初来高値更新と気を吐いた。半導体ウエハー向けなどの研磨用液剤などを手掛け、半導体設備投資拡大の恩恵を受けるが、脱炭素社会のキーデバイスとして注目される次世代半導体分野への展開力も評価されている。次世代パワー半導体のウエハー内部に含まれる結晶の欠陥を可視化できる新しい検査技術を開発するなど技術力が高い。業績も21年3月期は営業黒字化を果たし、続く22年3月期は営業11%増益予想と2ケタ成長を見込んでいる。

■大同工 <6373>  1,209円 (+67円、+5.9%)

 東証1部の上昇率3位。大同工業 <6373> が続急伸、連日の年初来高値更新となった。同社株の1200円台乗せは18年7月下旬以来約3年ぶりとなる。ホンダ向けを主力とする二輪車用チェーンメーカーで、国内約70%の圧倒的なシェアを誇る。自動車用チェーンも北米中心に需要を伸ばし収益に反映させている。22年3月期営業利益は前期比倍増となる25億円を予想しており、業績変化妙味が大きい。なお、再来期の24年3月期の営業利益は今期予想比で更に倍の50億円を目指す中期経営計画を進行中で、これも投資資金流入の背景となった。

■MICS化学 <7899>  366円 (+18円、+5.2%) 一時ストップ高

 MICS化学 <7899> [JQ]が急反発、一時ストップ高。同社は21日、防臭・消臭効果のある新しいフィルムを開発したと発表しており、これが材料視されたようだ。独自の製法により防臭効果に加え、消臭機能も付加させることで効果の持続性を実現したほか、原料には医薬品包装にも使用される機能性の高い原料を採用している。同社では、オムツの処理やペットケア、介護施設、病院、災害対策などさまざまな場面での利用を見込んでおり、今後同フィルムを使った新しいビジネスの柱の一つとして拡大展開していくとしている。

■フュトレック <2468>  399円 (+19円、+5.0%)

 フュートレック <2468> [東証2]が急反発。同社は前週末18日、マイク機能や翻訳機能が搭載されたスマートマスクの開発を手掛けるドーナッツロボティクス(東京都港区)と業務提携したと発表しており、これが材料視されたようだ。フュトレックが持つ音声認識やエコーキャンセル技術、声認証技術のスマートマスクへの搭載のほか、業務用途でのスマートマスク活用の提案などを行っていく。

■Dmミックス <7354>  3,790円 (+120円、+3.3%)

 東証1部の上昇率8位。ダイレクトマーケティングミックス <7354> が5日ぶり大幅反発。SMBC日興証券が18日付で投資評価「1」を継続し、目標株価を4000円から4600円へ引き上げており、これが好材料視されたようだ。同証券によると、21年12月期第1四半期決算は稼働人数が想定以上で、第2四半期以降の強い需要が感じられたと評価。主力の通信事業者の格安プラン導入に伴うユーザー獲得競争、キャッシュレス決済やフードデリバリー関連業務といったコロナを機とした事業機会の拡大などが第2四半期以降の業績を後押しすると見込み、21年12月期の営業利益予想を42億円から44億円へ、22年12月期を同52億円から55億円へ引き上げている。

■名糖産 <2207>  1,599円 (+47円、+3.0%)

 名糖産業 <2207> が大幅反発。同社はチョコレートなどを主力展開するほか医薬品分野でも強みを持っている。前週末18日取引終了後に22年3月期業績予想の修正を発表、最終利益を従来予想の9億円から48億円(前期比4.7倍)に大幅増額修正した。固定資産売却益を約56億円計上することによるもの。07年3月期以来15期ぶりの最高益更新となることで、これを材料視する買いが集中した。

■オキサイド <6521>  8,100円 (+220円、+2.8%)

 オキサイド <6521> [東証M]が全般安の中逆行高。半導体材料である窒化ガリウム(GaN)薄膜単結晶の成長に適した新材料単結晶基板「SAM」のサンプル出荷開始を決定したと発表しており、これが好感された。同社では今回のサンプル出荷を新たな受託開発への糸口と位置付けており、事業拡大の見通しが立った時点から量産化へ向けての開発を加速させる方針。なお、同製品のサンプル出荷が、今後3年間の業績に与える影響は軽微としている。

■SREHD <2980>  6,770円 (+180円、+2.7%)

 SREホールディングス <2980> が続伸。同社は21日、SRE AI Partners(東京都港区)、ソニーネットワークコミュニケーションズスマートプラットフォーム(東京都渋谷区)と共同で、監視カメラ動画を人工知能(AI)でリアルタイムに分析するモニタリングソリューションを開発したと発表しており、これが好感されたようだ。同ソリューションは、3次元空間認識技術とIoTプラットフォームを活用し、監視や見守りにおいてデータ通信量を100分の1以下に削減できるほか、夜間の監視でも性能が劣化しないといった特徴を持つ。

■ザッパラス <3770>  512円 (+12円、+2.4%)

 ザッパラス <3770> が反発。前週末18日の取引終了後、グループ会社cocoloniの21年4月期で、占いに特化したライティング受注実績が前期比54%増を記録したと発表しており、これが好材料視された。

■フォースタ <7089>  1,376円 (+26円、+1.9%)

 フォースタートアップス <7089> [東証M]が反発。21日午前10時10分ごろ、浜松市の「Next Innovator 育成事業」運営者として採択されたと発表しており、これが好材料視された。浜松市の「Next Innovator 育成事業」は、創業や起業を志す人材や、ビジネスの成長を目指すスタートアップ経営者、企業内で新事業展開を目指す人材を対象に、日本を代表する経験豊富なメンター陣によるメンタリングやさまざまな起業支援メニューを通じて、浜松発のグローバルに活躍する事業家を育成する事業。今回の採択によりフォースタでは、インキュベーションプログラム「Hamamatsu Incubator 2021」で、起業を目指す参加者の申し込み受け付けを開始するとしている。

■ナノキャリア <4571>  319円 (+6円、+1.9%)

 ナノキャリア <4571> [東証M]が反発。21日午前10時30分ごろ、米国で軟部肉腫を対象として開発中のNC-6300(エピルビシンミセル)について、米国食品医薬品局(FDA)から軟部肉腫の一種である血管肉腫を対象にファスト・トラック指定を受けたと発表しており、これが好感された。ファスト・トラック指定は、米国における画期的な新薬について優先的に審査する優先審査制度。会社側では同件による22年3月期業績への影響は現時点ではないとしているが、ライセンス活動の進捗に伴い影響が発生した際には速やかに開示するとしている。

■T-BASE <3415>  705円 (+10円、+1.4%)

 TOKYO BASE <3415> が反発。前週末18日の取引終了後、22年1月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、これが好材料視された。毎年1月末日時点で100株(1単元)以上を保有する株主を対象に、同社運営のオンラインストアまたは国内実店舗で利用できる10%割引優待券を保有株数に応じて2~6枚贈呈する。

■パスコ <9232>  1,673円 (+22円、+1.3%)

 パスコ <9232> が3日ぶり反発。前週末18日の取引終了後、6月25日付で35万2241株(発行済み株数の2.38%)の自社株を消却すると発表しており、これが好感されたようだ。なお、消却後の発行済み株数は1441万8025株となる予定だ。

■千代建 <6366>  410円 (+5円、+1.2%)

 千代田化工建設 <6366> [東証2]が3日ぶりに反発。20日付の日本経済新聞は、同社とENEOSホールディングス <5020> が「製造過程で二酸化炭素(CO2)を出さない『グリーン水素』の製造プラントを共同開発する」と報じた。電気分解に関する独自技術を使って設備投資を抑え、 水素価格を現在の3分の1程度にするのを目指すという。21日はグリーン水素の開発に向けた期待で同社株に買いが流入した。

■インソース <6200>  2,135円 (+23円、+1.1%)

 インソース <6200> が続伸。前週末18日の取引終了後、ITスキルなどの研修サービスやコンサルティングサービスを提供するアイ・ラーニング(東京都中央区)と提携したと発表しており、これが好材料視された。インソースグループでは、IT分野の研修ラインアップとして1400種以上をそろえているが、今回の提携により、IT研修を223種類拡充したという。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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