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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):シンバイオ、オリンパス、QDレーザ

シンバイオ <日足> 「株探」多機能チャートより
■シンバイオ製薬 <4582>  2,250円  +290 円 (+14.8%)  本日終値
 シンバイオ製薬<4582>が急伸し年初来高値を更新した。この日、米キメリックス社(ノースカロライナ州)が抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」について、天然痘の医療用対策として米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表しており、これが好材料視された。ブリンシドフォビルは、全ての年齢層、嚥下困難な患者に承認された初の天然痘抗ウイルス剤で、広範囲のDNAウイルス感染症に対して有効な治療方法となり得るものと期待されている。シンバイオは19年9月にキメリックス社からブリンシドフォビルに関して、天然痘の予防・治療を除く全ての適応症を対象とした全世界での独占的開発・製造・販売権を取得しており、現在、造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を対象とするグローバル開発を進めているという。

■芝浦メカトロニクス <6590>  7,970円  +620 円 (+8.4%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 芝浦メカトロニクス<6590>が急伸、年初来高値を大幅に更新した。時価は約14年ぶりの高値水準にある。東芝系の半導体製造装置メーカーでエッチング装置やチップボンダーなどで高い商品競争力を誇る。世界的な半導体需給の逼迫を背景に大手半導体メーカーの生産能力増強の動きが活発で、同社の活躍余地が広がっている。市場では「半導体受託生産で世界最大手のTSMCが開発拠点を日本国内に設けるという話が改めて浮上しているが、これに芝浦メカが参加するとの思惑が株高を後押ししているもようだ」(国内ネット証券アナリスト)という。

■アインホールディングス <9627>  7,000円  +540 円 (+8.4%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 アインホールディングス<9627>が急反発。同社は4日取引終了後に、22年4月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比37.2%増の150億円としていることが好感されたようだ。売上高は同6.0%増の3150億円を見込む。ファーマシー事業では調剤薬局の新規開発及びM&Aを積極的に活用するほか、リテール事業ではコスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」を継続的に出店し、事業規模の拡大を図るとしている。なお、21年4月期通期の連結決算は、売上高が前の期比1.6%増の2973億500万円、営業利益が同32.0%減の109億3200万円で着地した。

■アトラエ <6194>  2,035円  +120 円 (+6.3%)  本日終値
 アトラエ<6194>が急反発、上値指向の強さを際立たせている。5月後半から機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測され株価は連日の年初来高値更新、きょうは株式分割考慮で昨年1月以来約1年5カ月ぶりに2000円台に乗せてきた。IT系企業を対象に成功報酬型求人サイト「Green」を主力展開するが、企業側からの旺盛な人材ニーズを背景に需要を開拓している。また、組織改善ツールも育成し収益に大きく貢献している。21年9月期連結営業利益は5億円(今期が連結開始年度で前期比較なし)を見込むが、第2四半期時点で5億9200万円と既に超過しており、大幅な上振れが濃厚。投資会社のアセットマネジメントOneが同社株の買い増しに動き、直近約10%まで株式保有比率を高めていることも注目される。

■オリンパス <7733>  2,385円  +117 円 (+5.2%)  本日終値
 オリンパス<7733>が大幅反発。前週末4日の取引終了後、祖業である顕微鏡など科学事業を分社化する検討を開始したと発表しており、分社化による収益拡大を期待した買いが入ったようだ。19年11月に発表した経営戦略に基づき、内視鏡事業及び治療機器事業を中心とした医療分野に経営資源を投入するのに伴い分社化を図るという。なお、分社の時期は22年4月1日を予定している。

■HIOKI <6866>  5,690円  +260 円 (+4.8%)  本日終値
 HIOKI<6866>が大幅高、前週末まで日足3陽連で5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現した。きょうは後場後半になって上げ幅を拡大、4月20日の年初来高値5750円に急接近している。電気自動車(EV)モーター向け電子測定器で高水準の需要を捉えるが、2030年までの長期経営計画でもEVなど電動化分野に力を入れる方針を明示している。1~3月期業績は絶好調で、21年12月期業績予想についても営業利益を従来予想の30億円から47億5000万円(前期比92%増)に大幅上方修正している。

■QDレーザ <6613>  1,675円  +70 円 (+4.4%)  本日終値
 QDレーザ<6613>が4日ぶりに反発。この日、国内で医療機器製造販売承認を取得した「RETISSAメディカル」が、ドイツのエッセン大学における治験を終了し、安全性と有用性が確認されたと発表しており、これが好感された。「RETISSAメディカル」は、カメラ撮像の網膜投影による不正乱視向け視力補正機器。今回の治験では、18年から子会社QDレーザドイツがスポンサーとなり、ドイツのエッセン大学のA・エクスタイン医学博士が主導して治験が行われ、角膜疾患による視覚障害のある18~85歳の21人の患者が参加。通常の眼鏡による矯正視力に比べて、近方及び遠方の視力と読解力を改善したと結論したという。

■ポールHD <3657>  1,161円  +46 円 (+4.1%)  本日終値
 ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<3657>は反発。前週末4日の取引終了後に発表した第1四半期(2~4月)連結決算が、売上高80億1500万円(前年同期比26.6%増)、営業利益8億3000万円(同36.9%増)、純利益5億3000万円(同38.3%増)と大幅増益となったことが好感された。主力のデバッグ・検証事業で海外顧客向け売り上げが増加したほか、政府のGIGAスクール構想に基づく学校ICT化サポート事業者として、タブレット端末のキッティングサービスを受注したことが寄与した。また、ネットサポート事業で非対面なECサイト活性化によりモニタリング、カスタマーサポートが増加したことや、ゲーム市場向けのカスタマーサポートの受注が増えたことも貢献した。なお、22年1月期通期業績予想は、売上高300億7700万円(前期比12.5%増)、営業利益34億5200万円(同7.3%増)、純利益21億2300万円(同0.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■日本セラミック <6929>  2,993円  +117 円 (+4.1%)  本日終値
 日本セラミック<6929>が大幅高。赤外線センサーのニッチトップで国内シェア9割と圧倒的な商品競争力を誇る。電気自動車(EV)向けでもセンサーで高い実績を有しており、EV大国である中国向けに最適なモーター制御を補助する電流センサーの引き合いが活発だ。21年12月期営業利益は前期比16%増の33億円と2ケタ成長を見込むが、一段の上振れが有力とみられている。

■サイボウズ <4776>  2,429円  +89 円 (+3.8%)  本日終値
 サイボウズ<4776>が反発。同社はきょう、船井総研ホールディングス<9757>グループの船井総合研究所とデジタルトランスフォーメーション(DX)人財を育成する研修プログラムを共同開発したと発表。7月から開始するとしており、これが買い手掛かりとなったようだ。今回の共同開発は、クラウドサービスの普及やデジタル化ツールの多様化が進展し、中小企業でもITツールを活用した新たな働き方への対応及び生産性向上の重要性が高まっていることが背景。同社はこの研修プログラムを通じて、中小企業における自社の経営課題を発見し、課題に適合するITツールが導入できる人財育成を促進するとしている。

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