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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

H2Oリテイ <日足> 「株探」多機能チャートより

■H2Oリテイ <8242>  939円 (+50円、+5.6%)

 エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> が続急伸。同社が1日、5月百貨店事業売上高は前年同月比1.1%増だったと発表したことが好材料視された。

■住友ベ <4203>  4,755円 (+240円、+5.3%)

 住友ベークライト <4203> が続急伸。同社は1日、食品包装用多層フィルム・シート及び産業用各種複合フィルムの値上げを発表しており、採算向上を期待した買いが入った。値上げ幅は10%以上で、7月納入分から値上げする。原料価格や輸送費用の大幅な上昇に対して、構造改革を含めた継続的なコスト削減に努力してきたが、設備の維持費用も増加しており、自助努力だけで収拾するのは困難と判断したという。

■インソース <6200>  2,218円 (+111円、+5.3%)

 インソース <6200> が大幅高で8日ぶりに反発。2日午前11時50分ごろ、日本最大級のLMS(学習管理システム)「Leaf(リーフ)」を無料バージョンアップすると発表しており、これが好材料視された。利用者から要望の強かった最大2倍速で eラーニング(動画)の視聴が可能な動画再生速度調整機能を搭載したのが特徴で、これにより0.75倍から2倍速の間でeラーニング(動画)の視聴スピードを調整することが可能となり、受講者の理解力に応じて、快適に視聴することができるようになるという。

■ジェイテクト <6473>  1,214円 (+59円、+5.1%)

 ジェイテクト <6473> が続急伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を1400円から1600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、収益構造改革後の業績拡大ポテンシャルが大きいとみているほか、株価バリュエーションには割安感があると判断。設備投資の回復感の高まりから工作機械の事業利益予想を上方修正したことや、機械器具部品は半導体不足の影響が想定より軽微だったことから販売予想を引き上げ、かつ収益構造改革の更なる進展を想定し、機械器具部品全体では事業利益予想を上方修正しており、22年3月期は事業利益726億円と大幅増益を見込み、23年3月期以降も増益が続くと予想している。

■INPEX <1605>  804円 (+32円、+4.2%)

 INPEX <1605> や石油資源開発 <1662> 、ENEOSホールディングス <5020> といった石油関連株が高い。INPEXは前日1日に比べ4%強の上昇となった。1日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が3連休前の5月28日に比べ1.40ドル高の1バレル=67.72ドルに上昇した。一時68.87ドルと18年10月以来、2年7ヵ月ぶりの水準に上昇する場面があった。1日に開催された石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどから成る「OPECプラス」の閣僚会議では、7月まで協調減産を段階的に縮小する方針を確認。世界的な景気回復観測が強まり原油需要が膨らむなか、需給が緩むことへの警戒感が後退した。また、米国では夏場のドライブシーズンに向けたガソリン需要拡大への期待が膨らんでいる。

■郵船 <9101>  4,790円 (+175円、+3.8%)

 日本郵船 <9101> が175円高の4790円に買われたほか、商船三井 <9104> も150円高の4650円まで上値を伸ばし、海運セクターは業種別騰落率でも値上がり上位に食い込んだ。欧米では新型コロナワクチンの普及が進み、感染者数の減少が顕著となっている。経済活動の正常化期待から、グローバル物流を担う海運は収益環境に吹く追い風が意識されている。ここばら積み船市況の運賃動向を表すバルチック海運指数は水準を切り下げているものの、足もとでは発表された中国の5月の製造業PMIが好調で、物流需要が活性化するとの思惑が海運株の上昇を後押しした。

■大和工 <5444>  3,855円 (+130円、+3.5%)

 大和工業 <5444> が大幅続伸し年初来高値を更新した。世界景気回復に向けた期待が膨らむなか、グローバルな鋼材需給のタイト化が予想されている。同社は電炉大手で、国内に加えて米国やタイ、韓国、サウジアラビアなどで事業展開している。主力のひとつである米国事業は、形鋼の重要が強く業績拡大期待が膨らんでいる。大和証券では5月31日に同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げ、目標株価を2800円から4400円に見直しており、アナリストから強気評価が出ている。

■Jフロント <3086>  1,114円 (+35円、+3.2%)

 J.フロント リテイリング <3086> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> 、高島屋 <8233> 、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> の百貨店が大手4社が軒並み高となった。1日の取引終了後に発表した5月度の売上速報(既存店売上高)が、前年同月比で4社ともに増収となっており、これが好材料視された。前年は新型コロナウイルスの感染拡大により休業していた店舗が多く、その反動で売り上げを伸ばした。

■トヨタ <7203>  9,628円 (+205円、+2.2%)

 トヨタ自動車 <7203> が続伸。前日1日に300円超の上昇をみせたが、海外機関投資家とみられる実需買いを背景に最高値街道を走っている。時価総額は既に30兆円を超えており、時価総額2位のソフトバンクグループ <9984> と同3位のソニーグループ <6758> を合計しても同社には届かない。業績面も追い風が吹く。自動車販売需要は米国や中国などで好調に推移しており、半導体不足による生産調整は長引いてはいるものの一過性要因として株価の売り材料とはなっていない。22年3月期営業利益は前期比14%増の2兆5000億円を計画するが増額余地が意識されている。また、自動車の電動化シフトにも積極的に対応、電気自動車(EV)用電池の生産設備投資を加速させており、これも海外マネーの食指を動かす背景にあるとみられている。

■オリックス <8591>  1,983円 (+28円、+1.4%)

 オリックス <8591> が続伸。株価は一時、18年5月以来3年ぶりとなる2000円を回復した。世界的な経済正常化に向けた期待が高まるなか、航空関連株を見直す動きが強まっている。同社は世界30ヵ国以上で航空機リース事業を手掛けており、航空機需要の回復は追い風となる。22年3月期の連結純利益は前期比29.9%増の2500億円の見通し。

■三菱UFJ <8306>  633.7円 (+8.4円、+1.3%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、第一生命ホールディングス <8750> など大手金融株が堅調。前日1日の米国株市場では景気敏感セクターが強い動きを示し、米ISM製造業景況感指数が市場コンセンサスを上回る高水準だったことなどを背景に米長期金利も上昇、これを受けてゴールドマン・サックスやJPモルガンをはじめ金融セクターに買いが集まった。米10年債利回りは終値ベースで再び1.6%台に浮上している。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクや大手生保株は運用環境の改善期待から買いが優勢となっている。また、前週に話題となったMSCIの銘柄入れ替えでも銀行株の組み入れを強化しており、東京市場においても世界的な金利上昇局面で恩恵を受けやすい大手金融株は引き続き注目度が高い。

■ニチレイ <2871>  2,813円 (+28円、+1.0%)

 ニチレイ <2871> が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を3400円から3500円に引き上げた。持続的な需要拡大が見込まれる冷凍食品と低温物流分野で高い競争力を維持する同社の利益成長の持続性は高い、と指摘。出遅れ感が強い株価の上昇を予想している。22年3月期の連結営業利益は前期比6.2%増の350億円と3期連続の最高益で、中期経営計画の目標値の達成を見込んでいる。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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