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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):リコー、リクルート、日立

リクルート <日足> 「株探」多機能チャートより
■リコー <7752>  1,299円  +33 円 (+2.6%)  本日終値
 リコー<7752>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は25日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに目標株価を1300円から1600円に引き上げた。オフィスプリンティングの厳しい状況は織り込み済みだが、オフィスサービスには競争優位性、成長性があり、次なる成長の柱として評価すると株価は割安、との判断を継続。デジタルサービス企業への変身に向けた構造改革は順調であることを評価している。22年3月期の連結営業利益は510億円(会社予想500億円)、23年3月期の同利益は980億円を見込んでおり、中期経営計画で示す来期目標営業利益1000億円は射程に入りつつある、とみている。

■リクルート <6098>  5,655円  +140 円 (+2.5%)  本日終値
 リクルートホールディングス<6098>の上げ足鮮烈、一時199円高の5714円まで値を飛ばし3カ月ぶりに上場来高値更新となった。株価はきょうで7日続伸となっているが、そのすべてが陽線形成となっており、機関投資家とみられる実需買いの流入を物語っている。コロナ禍にあっても総合人材サービス企業として人材に関連する幅広い分野で実力を発揮、とりわけ求人情報検索エンジン「Indeed」が好調で収益の牽引役を担っている。22年3月期は営業利益段階で1800~2450億円のレンジ予想を出しており、下限の1800億円でも2ケタ増益を確保、中央値の2125億円で前期実績と比較した場合は30%強の増益見通しとなる。また、きょうの大幅高について市場では「25日付の日本経済新聞が、同社と三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が共同で、小売店のスマートフォン会員アプリに決済機能を追加するサービスを開始すると報じたが、メガバンクとの新境地開拓で業容拡大効果が期待され、その第1弾が『無印良品』と伝えられたことで結構なインパクトがあった」(準大手証券ストラテジスト)としている。

■日本製鋼所 <5631>  2,918円  +60 円 (+2.1%)  本日終値
 日本製鋼所<5631>が3日続伸。岩井コスモ証券は25日、同社株を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は3200円に設定した。同社は総合樹脂機械メーカーの世界大手で、リチウムイオン電池用セパレータフィルム製造装置で世界シェア7割を誇る。21年3月期の連結営業利益は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり前の期比45.3%減の102億2600万円だったが、22年3月期の同利益は前期比56.5%増の160億円と急回復する見通し。電気自動車(EV)シフトをはじめとする自動車業界の設備投資拡大などを背景に樹脂製品の需要は堅調に推移する見込みだ。同証券では、170億円への増額修正を予想している。5カ年の中期経営計画「JPG2025」では26年3月期の営業利益270億円を目指していることも評価している。

■デクセリアルズ <4980>  2,201円  +45 円 (+2.1%)  本日終値
 デクセリアルズ<4980>が8日続伸し上場来高値を更新した。岩井コスモ証券が25日付で、投資判断「A」を継続し、目標株価を2300円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。21年3月期は、光学フィルムや異方性導電膜など主力製品の採用がタブレットやノートパソコンから車載インパネなどへ採用が広がり、大幅営業増益で着地した。今期は「攻めの費用増」で増益率は鈍るとの見通しだが、同証券では上振れ余地があると指摘。また、中期的な成長局面に入ったと確信しており、株価は更なる上昇が期待できそうだとしている。

■日本エスコン <8892>  794円  +16 円 (+2.1%)  本日終値
 日本エスコン<8892>が9日続伸。25日の取引終了後、中部電力<9502>及びスプレッド(京都市下京区)と、完全人工光型植物工場の建設・運営を行う新会社設立に向けて協定書を締結したと発表しており、これが好材料視された。新会社TSUNAGU Community Farm(ツナグ コミュニティー ファーム)は7月をメドに設立の予定で、24年1月の生産開始を目指し、今年10月から静岡県袋井市の事業用地において、世界最大規模となる1日10トンのレタスを生産できる完全人工光型の自動化植物工場「テクノファーム袋井」の建設を開始する予定としている。

■チェンジ <3962>  3,080円  +50 円 (+1.7%)  本日終値
 チェンジ<3962>が続伸。午後1時ごろ、子会社トラストバンクが提供する国内初の行政専用ビジネスチャット「LoGoチャット」が、滋賀県及び県内自治体で共同調達され、12自治体へ導入されることになったと発表しており、これが好感された。「LoGoチャット」は、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクが19年に提供を始めた行政専用ビジネスチャット。自治体職員はパソコンやスマートフォンに入れたチャットで、庁内や他自治体の職員とメッセージや画像、ファイルの送受信のほか、日程調整やアンケートを取ることもできるという。なお、今回の共同調達では5月以降順次、各自治体で利用を開始するとしている。

■エーザイ <4523>  7,084円  +81 円 (+1.2%)  本日終値
 エーザイ<4523>は3日ぶりに小反発も上値は重い展開。SMBC日興証券は25日、同社株の投資評価「2」を継続するとともに、目標株価を7500円から7000円に引き下げた。アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の承認可否は米国時間6月7日までであり、その動向に注目している。同証券ではアデュカヌマブの価格想定を下方修正し、その結果、同社株の目標株価を見直している。

■日立製作所 <6501>  5,673円  +31 円 (+0.6%)  本日終値
 日立製作所<6501>が堅調な値動き。値幅こそ小さいもののきょうで5日続伸となり新値街道を走る展開となっている。新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き警戒されているが、昨年から今年にかけてコロナ禍で企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要が加速する傾向にあり、同社はその流れに乗る銘柄としてマーケットの注目度が高い。DX関連の需要を追い風に、IoT基盤事業「ルマーダ」を中核とするIT事業部門の伸びが顕著となっている。22年3月期の営業利益は7400億円を見込んでいるが、これは前期比でほぼ1.5倍となる。時価予想PERは10倍前後で株価指標面からも一段の水準訂正余地がある。

■レーザーテック <6920>  18,670円  +100 円 (+0.5%)  本日終値
 レーザーテック<6920>は3日続伸、戻り足鮮明で25日移動平均線をクリア。更に5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現が接近しており、上値を見込んだ新たな投資資金を誘導している。前日の米国株市場では主要株指数が総じて軟調な展開となったが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら続伸した。26日はエヌビディアの2~4月期決算が予定されており、その結果にマーケットの関心が集まっている。半導体は世界的に需給が逼迫しており、半導体メーカーの生産設備増強の必要性から半導体製造装置市場の拡大も見込まれている。特に、高集積化を背景としてEUV(極端紫外線)露光装置などへのニーズが旺盛だ。同社はEUV対応のマスクブランクス検査装置を世界で唯一提供できるオンリーワン企業として注目度が高い。

■トヨタ自動車 <7203>  8,906円  +29 円 (+0.3%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>は前日終値近辺で売り物をこなし頑強な値動き。株価は前日まで3日続伸と戻り足を強めていた。米長期金利が低下基調にあるなかも、足もとドル・円相場が1ドル=108円台後半の推移と落ち着いた推移をみせていることで同社をはじめ自動車株にはポジティブに作用している。世界的な自動車販売の好調が海外機関投資家の買いを誘導している。同社の21年3月期営業利益は減益ながらも2兆2000億円弱と市場コンセンサスを上回っての着地となったが、22年3月期は2兆5000億円と2ケタ伸長が見込まれている。半導体不足による生産調整も自動車需要そのものは旺盛であり、市場では同社の今期収益予想は依然保守的との見方が優勢となっている。また、脱炭素に向け電気自動車(EV)など電動車戦略に積極的な姿勢も評価されており、電動車販売台数については2030年に800万台という新たな数値目標を掲げている。

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