市場ニュース

戻る
 

【市況】S&P500 月例レポート ― 「いずれ訪れる終わり」をもたらすもの (4) ―


 ○2021年4月のまとめ

  ⇒S&Pグローバル総合指数の時価総額は3兆250億ドル増加しました(3月は1兆8160億ドル増、2月は1兆9090億ドル増)。米国以外の市場の時価総額は9750億ドル増加(3月は3380億ドル増、2月は7210億ドル増)、米国市場は2兆490億ドル増加しました(3月は1兆4780億ドル増、2月は1兆1890億ドル増)。

  ⇒新興国市場は4月に2.76%上昇し(3月は1.75%下落)、過去3ヵ月間では2.43%上昇、年初来では5.3%上昇、過去1年間では44.57%上昇しました。

  ⇒先進国市場は4月に4.33%上昇し(3月は2.82%上昇、2月は2.81%上昇)、米国を除くと3.02%上昇(3月は1.84%上昇、2月は2.37%上昇)しました。過去3ヵ月間では10.29%上昇(米国を除くと7.40%上昇)、年初来では9.61%上昇(同6.46%上昇)、過去1年間では46.03%上昇(同41.62%上昇)となりました。

 ○4月は11セクターが揃って上昇し、セクター間のばらつきは縮小しました(3月は10セクターが上昇、2月は8セクターが上昇)。パフォーマンスが最高のセクター(コミュニケーション・サービス、5.79%上昇)と最低のセクター(エネルギー、0.26%上昇)の騰落率の差は5.53%となり(過去1年間の平均は8.78%)、3月の7.71%(2月は18.14%)から縮小しました。

 ○新興国市場は4月に2.76%上昇しました。3月は1.75%の下落、2月は1.45%の上昇でした。過去3ヵ月間では2.43%上昇、年初来では5.33%上昇、過去1年間では44.57%の上昇となりました。過去2年間では23.10%上昇、過去3年間では16.01%上昇しています。4月は25市場中16市場が上昇し、3月の11市場、2月の15市場を上回りました。パフォーマンスが最高となったのはポーランドで4月は9.83%上昇し、年初来では5.13%上昇、過去1年間では40.16%上昇しました。2番目はギリシャで4月は9.04%上昇し、年初来では14.73%上昇、過去1年間では61.08%上昇しました。3番目は台湾で4月は8.95%上昇し、年初来では20.84%上昇、過去1年間では72.76%上昇しました。パフォーマンスが最低だったのはチリで8.62%下落し、年初来では5.62%上昇、過去1年間では17.37%上昇しました。これに続いたのがペルーで4月は7.40%下落し、年初来では14.43%下落、過去1年間では11.41%上昇しました。3番目がコロンビアで4月は6.89%下落し、年初来では21.74%下落、過去1年間では14.61%上昇しました。

 ○先進国市場は2月の2.81%上昇、3月の2.82%上昇の後、4月は4.33%上昇しました。米国を除くと3.02%の上昇(2月は2.37%上昇、3月は1.84%)でした。先進国市場は年初来では9.61%上昇、米国を除くと6.46%の上昇でした。過去1年間では46.03%上昇、米国を除くと41.62%の上昇となりました。過去2年間では35.41%上昇、米国を除くと22.41%上昇、過去3年間では39.46%上昇、米国を除くと14.36%上昇しています。2月の21市場、3月の19市場に対して、4月は25市場中24市場が上昇しました。パフォーマンスが最高となったのはデンマークで4月は6.90%上昇し、年初来では3.46%上昇、過去1年間では50.16%上昇しています。2番目はフィンランドで4月は6.56%上昇し、年初来では8.47%上昇、過去1年間では49.72%上昇しています。3番目はベルギーで4月は6.31%上昇し、年初来では4.75%上昇、過去1年間では29.97%上昇しました。パフォーマンスが最低だったのは日本で4月は1.61%下落し、年初来では0.49%下落、過去1年間では27.67%上昇しました。これに続いたのがイタリアで4月は0.88%上昇し、年初来では7.50%上昇、過去1年間では50.46%上昇しました。3番目がポルトガルで4月は2.16%上昇し、年初来では2.96%下落、過去1年間では24.49%上昇しました。

  ⇒注意すべき点として、カナダは4.43%の上昇(年初来では13.85%上昇、過去1年間では47.65%上昇)、英国は4.23%の上昇(同9.79%上昇、同32.00%上昇)、ドイツは3.21%の上昇(同7.14%上昇、同48.70%上昇)でした。

インデックス・レビュー
●S&P 500指数

 S&P 500指数は4月に5.24%上昇して4181.17で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス5.34%)。3月は3972.89で終え、4.24%の上昇(同プラス4.38%)、2月は3811.15で終え、2.61%の上昇(同プラス2.76%)でした。過去3ヵ月間では12.57%上昇(同プラス12.98%)、年初来では11.32%上昇(同プラス11.84%)、過去1年間では43.56%上昇(同プラス45.98%)、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは23.48%上昇して月を終えました(同プラス26.02%)。

 ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は初めて3万4000ドルを突破し、2.71%上昇の3万3874.85ドルで月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス2.78%)。3月は3万3072.88ドルで終え、6.62%の上昇(同プラス6.78%)、2月は3万0932.37ドルで終え、3.17%の上昇(同プラス3.43%)でした。過去3ヵ月間では12.98%上昇(同プラス13.52%)、年初来では10.68%上昇(同プラス11.30%)、過去1年間では39.14%上昇(同プラス42.12%)でした。

 S&P 500指数の4月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は3月の1.39%から0.73%に低下し、年初来では1.14%となりました(3月末時点は1.23%)。2020年は1.73%と2019年の0.85%から上昇し、2018年は1.21%、2017年は0.51%(1962年以来の最低)でした。出来高は前月比1%増加した3月から29%減少し(営業日数調整後)、前年同月比では36%減少しましたが、過去1年間では前年比16%増加しました。

 4月の前日比で1%以上変動した日数は21営業日中4日となりました(上昇が4日、下落が0日。3月は23営業日中8日で、上昇が5日、下落が3日。2月は19営業日中5日で、上昇が4日、下落が1日、2%以上の下落が1日)。年初来では前日比で1%以上変動した日数が22日(上昇が15日、下落が7日)、2%以上変動した日数が3日(上昇が1日、下落が2日)となりました。2020年は1%以上変動した日数が109日(上昇が64日、下落が45日)、2019年は37日(上昇が22日、下落が15日)でした。
 
 4月は21営業日中5日で日中の変動率が1%以上となり(3月は23営業日中17日)、3%以上変動した営業日はありませんでした(3月は2日)。年初来では1%以上の変動が39日、3%以上の変動が2日となっています。2020年は1%以上の変動が158日(11月末時点は154日)、3%以上の変動が34日(同34日)、2019年はそれぞれ73日と1日、2008年はそれぞれ228日(253営業日中)と75日でした。

 企業業績が予想を大幅に上回り(2021年第1四半期の利益は過去最高の更新が予想されます)、前回の景気刺激策による給付金が個人に支給され(そして、支出され)、政府が数兆ドル規模の追加の支出計画の概要を示す中で、S&P 500指数は4月に10回にわたり終値での史上最高値を更新し、セクターのパフォーマンスは引き続き極めて好調となりました。

 4月は11セクター全てが上昇しました(3月は11セクター、2月は7セクター)。国内の経済活動が正常化しつつあるとの見方(ならびに住宅価格の上昇)を支援材料に、不動産が8.12%上昇(3月は6.35%上昇)で騰落率首位となりました。同セクターは年初来では17.18%上昇しています。コミュニケーション・サービスも好調となり、4月に7.64%上昇し、年初来で16.06%上昇しました。金融は6.41%上昇し、年初来では22.75%上昇しました(ただし、2019年末からは17.71%の上昇)。

 消費関連セクターのパフォーマンスは引き続きまちまちとなりました。一般消費財が7.08%上昇し、年初来で10.24%上昇した一方、生活必需品は2.03%上昇し、年初来では2.49%上昇と、S&P 500指数のセクターの中で騰落率最下位となっています。情報技術は5.22%上昇しましたが(3月は1.64%上昇で騰落率最下位)、年初来では7.04%上昇と市場全体を下回っています。

 4月は値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差が縮小しましたが、なお値上がり銘柄数が大幅に上回りました。4月の値上がり銘柄数は410銘柄(平均上昇率は6.56%)と、3月の419銘柄(同7.63%。2月は330銘柄で同12.05%)を下回りました。10%以上上昇した銘柄数は75銘柄(同13.38%)と、3月の124銘柄(同14.08%。2月は164銘柄で同19.49%)から減少し、25%以上上昇した銘柄数も1銘柄と、3月の2銘柄、2月の34銘柄から減少しました。一方、値下がり銘柄数は95銘柄(平均下落率は3.73%)と、3月の86銘柄(同4.79%。2月は174銘柄で同4.94%)から増加しました。10%以上下落した銘柄数も10銘柄(同12.36%)と、3月の7銘柄(同16.90%)から増加しましたが、2月の20銘柄(同12.53%)は下回りました。25%以上下落した銘柄はありませんでした(3月は1銘柄)。

 過去3ヵ月間では、値上がり銘柄数は445銘柄(平均上昇率は20.19%)と、3月末時点の400銘柄(同15.40%。2月末時点は342銘柄で同17.89%)から増加した一方、値下がり銘柄数は60銘柄(平均下落率は5.89%)と、3月末時点の105銘柄(同5.54%。2月末時点は163銘柄で同7.03%)から減少しました。10%以上上昇した銘柄数も360銘柄(平均上昇率は23.61%)と、3月末時点の236銘柄(同22.86%)から増加し、10%以上下落した銘柄数は12銘柄(平均下落率は14.77%)と、3月末時点と同数(同14.71%)となりました。141銘柄が25%以上上昇し(3月末時点は76銘柄)、25%以上下落した銘柄はありませんでした(3月末時点は1銘柄)。


[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト


※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。

[免責事項]
著作権(C) 2021年 S&Pグローバルの一部門であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC。不許複製、Standard & Poor's、S&P、S&P 500、は、S&Pの一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。LATIXX、MEXIC ○TITANS及びSPCIは、S&Pグローバル一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の商標です。「ダウ・ジョーンズ」は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。商標は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCにライセンス供与されています。本資料の全体または一部の再配布、複製、そして(または)複写を書面による承諾なしに行うことを禁じます。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均