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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

宇部興 <日足> 「株探」多機能チャートより

■宇部興 <4208>  2,379円 (+127円、+5.6%)

 宇部興産 <4208> が急反発、一時169円高の2421円まで上値を伸ばす場面があった。テクニカル的にも今週5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現しており、戻り足を明示している。12日取引終了後に発表した22年3月期の業績予想は市況改善効果などを背景に営業利益が前期比43%増の370億円と急回復を見込んでいる。更に同日、発行済み株式数の5.9%相当の600万株、100億円を上限に自社株買いを実施することも併せて発表しており、これが株価に浮揚力を与える形となった。

■三井化学 <4183>  3,650円 (+185円、+5.3%)

 三井化学 <4183> が急反発。同社は13日午後1時頃に、22年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比44.7%増の1130億円としていることや、年間配当計画を前期比10円増配の110円としていることが好感されたようだ。売上収益は同15.5%増の1兆4000億円を予想。ICT関連材料やビジョンケア材料、農薬などの成長を見込んでいる。

■旭化成 <3407>  1,214円 (+59円、+5.1%)

 旭化成 <3407> が急反発。13日昼ごろに発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比3.2%減の1780億3600万円と減益着地になったものの、続く22年3月期は前期比10.1%増の1960億円に伸びる見通しとなり、これが好材料視された。今期は前期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けて低迷したマテリアル部門の収益回復を見込む。自動車関連市場や石化製品市況の回復が継続することに加え、衣料関連市場の緩やかな回復が追い風となり、大幅な増収増益を計画している。

■みずほリース <8425>  3,425円 (+165円、+5.1%)

 みずほリース <8425> が急反発。同社は12日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の275億円になり、従来予想の255億円を上回り、減益予想から一転して増益で着地。22年3月期も前期比19.8%増の330億円に伸びを見込み、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。6期連続増益になる。同時に、前期の年間配当を84円→92円(前の期は82円)に増額し、今期も前期比18円増の110円に増配する方針とした。

■セブン&アイ <3382>  4,820円 (+228円、+5.0%)

 セブン&アイ・ホールディングス <3382> が4日ぶり急反発に転じた。5月7日につけた年初来高値4871円を上回り年初来高値に買われた。米有力アクティビストとして存在感を示すバリューアクト・キャピタルが12日、同社の株式を4.4%まで取得したとのメディア報道が株価を強く刺激する格好となった。セブン&アイはコンビニエンスストア事業を展開する「セブンイレブン」がグループの利益中枢となっているが、このコンビニ事業を分離し独立させた場合、企業価値は大幅に高まるという主張が背景にあるとみられる。市場では「コンビニ事業のスピンオフについてはその通りだが、現時点ではまだ発言力は乏しいだろう。逆に(バリューアクトが)今後も同社株を買い増す可能性が高いとの見方で、短期筋が値上がりを見込んだ買いを入れているもようだ」(ネット証券マーケットアナリスト)という。

■MDV <3902>  1,896円 (+79円、+4.4%)

 メディカル・データ・ビジョン <3902> が大幅高で5日ぶりに反発。12日の取引終了後に発表した21年12月期第1四半期(1-3月)の連結決算は、売上高14億2900万円(前年同期比37.1%増)、経常利益4億5300万円(同98.7%増)に拡大しており、これが好感された。データ利活用サービスで製薬会社向けを中心に大規模診療データベースを活用した調査・分析サービスが大きく伸びた。また、子会社Doctorbookの医療動画配信サービスの売り上げが拡大したことに加え、システム ビィー・アルファの新規連結効果も寄与した。

■王子HD <3861>  756円 (+31円、+4.3%)

 王子ホールディングス <3861> が大幅反発、年初来高値を更新した。同社は13日午後1時頃に、22年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比41.5%増の1200億円としていることが好感されたようだ。売上高は同6.7%増の1兆4500億円を予想している。引き続き「国内事業の収益力アップ」「海外事業の拡充」「イノベーションの推進」に注力するほか、緩やかな市況回復やパルプ販売価格の上昇を見込んでいる。

■丸井G <8252>  1,954円 (+80円、+4.3%)

 丸井グループ <8252> が大幅反発。株価は一時、前日12日に比べ10%超高に買われ、全般相場が急落するなか逆行高を演じた。今期業績の大幅増益予想と自社株買いの実施が好感された。同社は12日取引終了後に決算発表を行い、22年3月期の連結営業利益は前期比2.4倍の365億円となる見込みを明らかにした。ショッピングクレジットの順調な拡大が収益増に寄与する。今期配当は前期比1円増の52円が計画されている。同時に、1800万株(発行済み株式総数の8.4%)、300億円を上限とする自社株買いも公表した。取得期間は5月13日から22年3月31日まで。

■ラウンドワン <4680>  1,262円 (+43円、+3.5%)

 ラウンドワン <4680> が3日ぶり大幅反発。同社が12日取引終了後に発表した21年3月期連結業績は、最終損益が179億7300万円の赤字(前の期は47億9400万円の黒字)となった。同社の最終赤字転落は15年3月期以来のこと。新型コロナウイルス感染拡大で臨時休業や時短営業を行ったことなどが響いた。ただ、22年3月期の同損益は32億1000万円の黒字が予想されている。今期業績の黒字転換見通しで、市場からは悪材料出尽くしとの見方も出るなどポジティブ評価された。

■住友ゴ <5110>  1,428円 (+41円、+3.0%)

 住友ゴム工業 <5110> が大幅高で3日ぶりに反発。12日の取引終了後、21年12月期の連結最終利益(国際会計基準)を従来予想の290億円(前期比28.3%増)から330億円(同46.0%増)へ上方修正すると発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症による影響は引き続きあるものの、主にタイヤ事業で北米など市況回復の早い地域もあることから、売上高、最終利益ともに前回予想を上回る見通しとなったという。なお、同時に発表した第1四半期(1-3月)の同損益は106億6900万円の黒字(前年同期は34億300万円の赤字)だった。

■キッツ <6498>  723円 (+19円、+2.7%)

 キッツ <6498> が3日ぶりに反発。12日の取引終了後、21年12月期の連結経常利益を従来予想の54億円から75億円に上方修正すると発表しており、これを好材料視する買いが入った。同時に発表した第1四半期の経常利益は16億9400万円だった。主力のバルブ事業で世界的な半導体需要増に伴う半導体製造設備向けの好況が継続したほか、伸銅品事業も売価に影響を与える原材料相場の高止まりや市況の回復に伴い販売量が高い水準で推移した。足もとの業績動向を踏まえ、通期業績予想を引き上げた。併せて、中間期の配当計画を従来の5円から9円(前年同期は5円)に増やすことも明らかにしており、これも好感された。なお、年間配当は18円になる。

■古河電 <5801>  2,976円 (+66円、+2.3%)

 古河電気工業 <5801> が3日ぶりに反発。同社は12日取引終了後に、21年3月期通期の連結決算を発表。営業利益は前の期比64.2%減の84億2900万円となり、従来予想の60億円から上振れ着地した。売上高は同11.2%減の8116億円(従来予想は8100億円)となった。原価低減や経費抑制といった施策が利益を押し上げた。また、期末一括配当は従来計画比5円増額の60円とした。あわせて公表した22年3月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比8.4%増の8800億円、営業利益が同3.1倍の260億円を見込む。経済社会活動が徐々に回復に向かうとの想定のもと、インフラや電装エレクトロニクス、機能製品の各事業で増収を確保できるとみている。なお、期末一括配当は60円を計画している。

■NTT <9432>  2,849円 (+51円、+1.8%)

 NTT <9432> が反発。同社は12日取引終了後、22年3月期の連結純利益が前期比18.4%増の1兆850億円と初の1兆円超えとなる見通しを明らかにした。完全子会社化したNTTドコモの業績の伸びなどが、収益に寄与する。今期の年間配当も前期比5円増の110円を計画している。株価の予想配当利回りは3.8%台と高水準で買い安心感も出ている。

■日清紡HD <3105>  843円 (+14円、+1.7%)

 日清紡ホールディングス <3105> が3日ぶりに反発。13日11時30分ごろ、21年12月期連結業績予想について、売上高を5040億円から5100億円(前期比11.6%増)へ、営業利益を68億円から100億円(同8.0倍)へ、純利益を40億円から70億円(同48.3%減)へ上方修正しており、これが好感された。世界的な自動車販売台数の急回復を受けてブレーキ事業の売り上げが増加するほか、分譲事業が好調な不動産事業の売り上げも想定を上回ったことが要因としている。なお、第1四半期(1-3月)決算は、売上高1475億1300万円(前年同期比2.9%増)、営業利益164億4500万円(同48.1%増)、純利益124億2600万円(同32.5%増)だった。

※13日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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