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【市況】明日の株式相場に向けて=全方位型テーマ株物色の相場に

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が130円安の2万9620円と反落。3万円大台ラインはそれほど意識される水準とは思えないが、なかなかたどり着くことができない。どこかでブレークしていくとは思うものの、そうこうするうちに鬼門のゴールデンウイークが近づいており、「セル・イン・メイ」の相場格言も脳裏をかすめる。

 海外マネーが日本買いを躊躇しているとすれば、ワクチン普及率が際立って低いということになるのだが、これは本質ではない気がする。国内の新型コロナ感染者数は大阪府を中心に確かに増勢顕著だが、欧米と比較して感染のレベルがそもそもケタ違いである。悪い意味で“コロナ慣れ”していることは確かで、まん延防止措置が国民の行動に対して抑止効果があるのかと言えば当然ながら疑問符がつく。しかし、これが日本株を買えない理由の筆頭に掲げるのは違和感を禁じ得ない。

 世界株高の流れそのものに変調をきたしているという見方もある。パウエルFRB議長は23年末までゼロ金利を維持する姿勢を明示したが、実際は底流でインフレ懸念が想定以上に高まっており、テーパリングへの言及が近いという意見だ。「前日発表された3月の米消費者物価指数が前年同月比プラス2.6%で2%ラインを上回り、事前コンセンサスも上回ったが、これが国民への給付金という特殊要因による一過性のものではなく、恒常的な物価上昇につながるという見解が強まっている」(ネット証券アナリスト)という。一方で米10年債利回りは直近急低下するなど不可解な動きをみせている。今しばらくは、米株市場と長期金利の動向を注視する必要がありそうだ。

 個別では、テーマ買いの動きが鳴りを潜めている以上、全方位的に幅広くアンテナを張っていくよりない。まず、価格高騰が続いているビットコイン関連では、傘下にコインチェックを擁するマネックスグループ<8698>が、売買代金も考慮すればシンボルストックという位置づけになるが、チャートの形は良いもののやや食傷気味という印象もある。同関連では、ブロックチェーン技術で先駆しビットコインのマイニングノウハウを持つギグワークス<2375>や、グループ会社が暗号資産交換業者として登録されているインタートレード<3747>なども注目対象といえ、現在の休火山状態の株価はマークしておく価値がある。

 半導体関連では以前にも取り上げたが、独立系エレクトロニクス商社で静かに下値を切り上げるマクニカ・富士エレホールディングス<3132>や半導体メモリー検査を手掛けるテラプローブ<6627>などに引き続き目を配りたい。また、これも継続的な注目対象に掲げているが、自動車向けダイカスト大手で0.2倍台という超低PBRのアーレスティ<5852>も中期的にかなり上値の伸びしろがあると思われる。

 福島原発関連ではトリチウム除去絡みで頭角を現したイメージ ワン<2667>が値幅制限いっぱいに買われ、直近取り上げた環境管理センター<4657>も連日ストップ高と人気が集中した。これらの銘柄は既に観賞用の域に入っている感もあるが、この流れは他の環境周辺株を刺激する公算が大きい。そのなか、環境管理と業態が近いダイセキ環境ソリューション<1712>は今2月期大幅増益が見込まれることも考慮して4ケタ割れは注目できる。

 菅首相の訪米では脱炭素や半導体供給網に絡む思惑が株式市場でも強く意識されている。いわゆる“政策に売りなし”だが、その伝でいけば「子ども庁」関連もすぐに色褪せるようなテーマではない。その際、保育関連で見落としがちなのは塾経営を主力に展開している銘柄だ。明光ネットワークジャパン<4668>は学童保育事業にも力を入れている。同社の業績は今8月期に急回復見通しにある。また3月以降、ウネリを伴った上昇トレンドを構築している京進<4735>も保育・介護ビジネスで高度なノウハウを持つ。株価は近視眼的には買いを躊躇する位置まで駆けのぼっているが、週足で2年半ほど遡り、19年2月を頂点とする長い下り坂からのトレンド転換とみれば今は初動だ。

 あすのスケジュールでは、黒田日銀総裁が支店長会議であいさつ、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)など。また、東証マザーズにサイバートラスト<4498>が新規上場する。海外では米国で重要経済指標が相次ぐ。4月の米ニューヨーク連銀製造業景況感指数、4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、3月の米小売売上高、3月の米鉱工業生産・設備稼働率など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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