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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):大有機、商船三井、レーザーテク

レーザーテク <日足> 「株探」多機能チャートより
■インベスコO <3298>  20,250円  +2,600 円 (+14.7%)  本日終値
 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人<3298>が急騰。米投資ファンドのスターウッド・キャピタル・グループが前週末2日、インベスコOに対して1投資口(株式に相当)2万円でTOBを実施すると発表した。また、同日には米スターウッドが管理運営する101合同会社(東京都港区)が関東財務局に大量保有報告書を提出し、101合同会社と共同保有者の同投資口保有割合が5.07%となり、新たに5%を超えたことが判明した。これを受け同投資法人はきょう朝方、米スターウッドによるTOBに関して「何らの連絡もなく、一方的かつ突然に行われたもの」と発表しており、敵対的買収に発展する可能性がある。こうしたことから、TOB価格引き上げへの思惑が働いているとみられ、同投資口価格はTOB価格を小幅に上回って推移している。

■大阪有機化学工業 <4187>  4,465円  +545 円 (+13.9%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 大阪有機化学工業<4187>が上値指向を強め3連騰。自動車塗料や半導体レジストなどの原料となるアクリル酸エステルを製造、半導体ArFレジスト用原料の販売が好調なほか、自動車塗料用も好調に推移し業績に大きく貢献している。同社が前週末2日取引終了後に発表した21年11月期第1四半期(20年12月~21年2月)決算は営業利益が前年同期比37%増の15億3300万円と大幅な伸びを達成、今中間期(20年12月~21年5月)計画に対する進捗率は68%に達しており、上方修正含みとなっている。これを好感する形で投資資金の流入を誘った。

■三栄建築設計 <3228>  1,951円  +151 円 (+8.4%)  本日終値  東証1部 上昇率8位
 三栄建築設計<3228>が大幅続伸し年初来高値を更新した。前週末2日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(20年9月~21年2月)連結業績について、営業利益が31億円から40億円(前年同期比34.2%増)へ、純利益が18億円から26億円(同53.3%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。不動産販売事業で、2度目の緊急事態宣言による収益不動産市況の動向を見極め、販売計画の調整を行ったことなどから、売上高は584億円から555億円(同13.6%増)へ下振れたものの、戸建分譲事業で、コロナ禍による住宅需要の高まりから販売が好調に推移し、売上高・利益ともに計画を大幅に上回ったことが利益を押し上げた。

■野村マイクロ <6254>  4,205円  +270 円 (+6.9%)  本日終値
 野村マイクロ・サイエンス<6254>が3連騰で連日の年初来高値更新。また、昨年12月につけた最高値4265円の更新も視界に入ってきた。半導体業界向けを主力とする水処理装置メーカーで、国内のほか、韓国・台湾・中国の半導体関連大手から超純水製造装置の高水準の受注を獲得している。特にここにきて半導体受託生産の世界トップのTSMCが3年間で約11兆円の設備投資計画を打ち出していることは、同社にとっても強力な追い風となる。

■商船三井 <9104>  4,075円  +220 円 (+5.7%)  本日終値
 商船三井<9104>が4日ぶり反発。きょうは同社株をはじめ海運株が軒並み高く、業種別騰落率で33業種中、値上がりトップとなっている。商船三井は前週末2日に21年3月期の業績予想の修正を発表、持ち分法適用会社のコンテナ船会社の業績が会社側想定を上回っていることなどを背景に、経常利益を従来予想の950億円から1200億円(前期比2.2倍)に増額しており、これを手掛かり材料に買いを呼び込んだ。

■三益半導体工業 <8155>  3,125円  +138 円 (+4.6%)  本日終値
 三益半導体工業<8155>が4連騰。シリコンウエハーの研磨加工で高い実績とノウハウを有し、筆頭株主である信越化学工業<4063>からの受託業務を主力に旺盛な需要を獲得している。また、EV市場拡大にあわせて受注加速が見込まれるパワー半導体向け製造装置など高採算商品が成長ドライバーとして期待が高い。パワー半導体関連の牽引で22年5月期は利益成長率の拡大が見込まれ、機関投資家とみられる買いが流入している。

■レーザーテック <6920>  16,580円  +530 円 (+3.3%)  本日終値
 レーザーテック<6920>は前週末に最高値を更新したが、その余勢を駆ってきょうも青空圏を走る展開。東京エレクトロン<8035>は7連騰で最高値街道を走っている。世界的な半導体需給の逼迫を背景に製造装置メーカーには追い風が強い。バイデン政権では新たに2兆ドルを超える規模の巨額のインフラ投資を計画するが、そのなかで半導体のサプライチェーン強化にも重きを置いていることがポジティブ材料となっている。また、半導体受託生産の世界最大手TSMCが3年間で約11兆円の設備投資を計画していることも追い風。一方、好調な米経済指標を背景に米10年債利回りが再び上昇傾向にあることは警戒材料となり、目先的には利益確定売り圧力も意識されやすい。

■マクニカ富士 <3132>  2,320円  +72 円 (+3.2%)  本日終値
 マクニカ・富士エレホールディングス<3132>が続伸。子会社のマクニカはきょう、IoT関連ソフトウェアの企画開発などを手掛けるアプトポッド(東京都新宿区)と資本業務提携することで合意したと発表しており、今後の展開などが期待されているようだ。人工知能(AI)による自動化への需要が高まるなか、マクニカのAI技術とアプトポッドのIoT技術を組み合わせ、動画像情報などの膨大なデータと目的別のAIを活用したエッジ・クラウドのハイブリッドデータプラットフォームの構築・提供を目指すことが提携の主な目的。なお、マクニカのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるマクニカ・インベストメント・パートナーズを引受先とする第三者割当を実施するとしている。

■アダストリア <2685>  2,050円  +63 円 (+3.2%)  本日終値
 アダストリア<2685>は高い。前週末2日の取引終了後に発表した3月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比17.8%増と5カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。休日が前年に比べ2日少なかったものの、緊急事態宣言の解除に伴って客数が回復し、前月から継続して春物商品が順調に売り上げを伸ばしたことが牽引した。また、入園・入学式などに対応したオケージョンアイテムやパンツ類が売り上げの中心となり、雑貨ではパンプスや新生活用のソファーなどの商品が人気だった。なお、全店売上高は同19.5%増だった。

■ファーストリテイリング <9983>  92,600円  +2,130 円 (+2.4%)  本日終値
 ファーストリテイリング<9983>はマドを開けて買われ、2000円を超える上昇と強調展開をみせている。3月の米雇用統計を受けて、米国を中心とする世界景気回復への思惑が一段と強まり、日経平均は堅調な米株価指数先物を横にらみに上値指向を続けている。そのなか、日経平均寄与度の高い同社株の貢献は大きく、後場寄り段階で日経平均を78円ほど押し上げている。3月後半には日銀のETF買いの買い入れ対象変更発表を受け一時は大きく値を崩す場面もあったが、バランスを立て直している。「日銀は出口戦略を探っているわけではなく、保有するファストリテ株式についてはそのまま。(ファストリテの)品薄感は解消されず、需給的に売られ続けるということもない」(国内証券ストラテジスト)という見方が出ている。なお、今週8日に同社の今上期決算発表が予定されており、これに対するマーケットの関心も高い。

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