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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

丸運 <日足> 「株探」多機能チャートより

■丸運 <9067>  353円 (+80円、+29.3%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。丸運 <9067> がストップ高。石油など液体輸送や貨物物流を手掛け、海外では中国向けなどで強みを発揮する。ここ海運セクターが軒並み急騰しており、景気回復を背景としたグローバル物流の活性化に伴い陸運業界も潤うとの見方から物色人気が波及した。海外物流も、直近発表された中国の経済指標が軒並み好調で中国経済の回復が改めて意識されるなか、同社にとって追い風が強まっている。

■ながの東急 <9829>  1,670円 (+300円、+21.9%) ストップ高

 ながの東急百貨店 <9829> [JQ]がストップ高。16日取引終了後、東急 <9005> が同社を株式交換で完全子会社化すると発表。6月1日付で同社株1株に対し、東急株1.14株を割り当てるという。東急の16日終値1567円から算出した理論価格は1786円となることから、これにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。同社株は5月28日付で上場廃止となる予定だ。

■杉村倉 <9307>  634円 (+80円、+14.4%) 一時ストップ高

 杉村倉庫 <9307> [東証2]が続急騰。同社は関西を地盤とする倉庫業界の老舗で野村グループに属する。ここ海運株人気が加速しているが、米国や中国の景気回復を受けたグローバル物流の回復が、国内の荷動きも活発化させるとの思惑から倉庫株の一角にも株高材料として波及し始めている。そのなか同社株は急騰性があり、投資資金の流入が一気に加速する格好となった。

■ヨンキュウ <9955>  1,874円 (+223円、+13.5%) 一時ストップ高

 ヨンキュウ <9955> [JQ]が急騰し一時ストップ高に買われる場面があった。16日の取引終了後、株主優待制度の実施回数を現行の年1回から年2回に変更すると発表しており、これが好感されたようだ。従来の基準日は毎年9月末のみだったが、今年から毎年3月末と9月末に増やし、子会社西日本養鰻が養殖した「薩摩の若うなぎ」の蒲焼(保有株数に応じて3000円または6000円相当)をそれぞれ贈呈するという。なお、現行の優待品はうなぎ蒲焼き、クオカードからの選択制だった。

■パイプドHD <3919>  1,760円 (+191円、+12.2%)

 東証1部の上昇率3位。パイプドHD <3919> が続急伸。16日の取引終了後、21年2月期の連結経常利益を従来予想の10億~12億円から14億5000万円へ上方修正し、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。情報資産プラットフォーム「SPIRAL ver.1」で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種やウェビナー申込など、新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件を多数受注したことが上振れの背景。業績好調に伴い、従来未定としていた年間配当は前の期比2円増の23円を実施する方針としており、これも好感された。

■ヤマックス <5285>  556円 (+59円、+11.9%) 一時ストップ高

 ヤマックス <5285> [JQ]が急騰、一時ストップ高まで買われた。同社は17日午後2時頃に、21年3月期の期末一括配当を従来計画比6円増額の20円(前期実績は株式分割考慮後で12円)にすると発表。業績動向や財政状態、今後の事業展開などを総合的に勘案して決めたとしており、これが好感されたようだ。

■明治海運 <9115>  582円 (+58円、+11.1%)

 東証1部の上昇率5位。明治海運 <9115> が3連騰。また、同じく前日16日ストップ高の大運 <9363> も大口の買い注文が継続するなど、海運セクターの中小型株に投資資金が集中した。コンテナ船やばら積み船など海運市況の改善を背景に日本郵船 <9101> をはじめ大手海運株の水準訂正の動きが表面化したが、この物色の裾野が急速に横に広がりをみせている。世界的なバリュー株買いの動きが波及し、東京市場では低PBR株の多い海運およびその周辺銘柄の株価を強く刺激する地合いとなった。

■総合商研 <7850>  774円 (+74円、+10.6%) 一時ストップ高

 総合商研 <7850> [JQ]が大幅3日続伸、一時ストップ高。16日の取引終了後に発表した21年7月期上期(20年8月-21年1月)の連結経常利益は前年同期比63.1%増の9億4300万円に拡大して着地。通期計画の2億円を大幅に上回っており、業績上振れを期待する買いが入ったようだ。徹底したコスト削減による利益率の向上に注力し、昨年10月に本格稼働した新白石工場では最新設備の導入により作業工程の自動化を図ったほか、各工程の徹底的な見直しにより、大幅な業務の削減を実現したという。

■アイロムG <2372>  2,135円 (+197円、+10.2%)

 東証1部の上昇率6位。アイロムグループ <2372> が大幅に8日続伸。同社は17日取引開始前に、100%子会社のICEが同社グループの先端医療技術から生み出される iPS細胞培養上清液を、化粧品原料として開発したことを発表した。これは、世界初のiPS細胞由来化粧品原料の開発となる。併せて、この原料を用いた化粧品の発売を決定したことも発表しており、株価を一気に押し上げる材料となった。

■瑞光 <6279>  1,126円 (+91円、+8.8%)

 瑞光 <6279> [東証2]が続急伸。16日の取引終了後、集計中の21年2月期連結業績について、売上高が220億円から230億円(前の期比16.7%減)へ、営業利益が14億5000万円から18億9000万円(同22.2%減)へ、純利益が10億3000万円から16億2000万円(同7.8%減)へ上振れて着地したようだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響が営業活動に影響を及ぼしたものの、引き合い段階の案件と受注案件を堅実に対応したことで、売上高が計画を上振れたことが要因。また、生産コスト増の抑制と経費削減を継続して行ったことも寄与した。

■GCA <2174>  869円 (+68円、+8.5%)

 東証1部の上昇率8位。GCA <2174> が急反発。独立系のM&A助言会社だが、米国や欧州などクロスボーダー案件に強みを持ち、欧米で活発なM&A案件の獲得で実績を伸ばしているほか、国内でも事業承継ニーズの高まりを受けて需要開拓に注力している。16日取引終了後にこれまで非開示だった21年12月期業績予想を開示、営業利益は26億円と前期比48%の伸びを見込んでおり、これを評価する買いを呼び込んだ。

■アスクル <2678>  3,850円 (+300円、+8.5%)

 東証1部の上昇率9位。アスクル <2678> が大幅高で5日続伸。16日の取引終了後、21年5月期の連結業績予想について、売上高を4100億円から4160億円(前期比3.9%増)へ、営業利益を108億円から130億円(同47.4%増)へ、純利益を60億円から70億円(同23.8%増)へ上方修正し、あわせて19円としていた期末配当予想を25円に引き上げると発表したことが好感された。同日発表の第3四半期累計(20年5月21日-21年2月20日)決算で、上期に引き続きBtoB事業の売上高、売上総利益率並びに物流費比率が順調に推移していることに加えて、第4四半期も第3四半期までの収益性が維持される見通しであることが要因という。なお年間配当は44円となり、2期連続の増配となる予定だ。第3四半期累計決算は、売上高3130億300万円(前年同期比4.5%増)、営業利益102億8600万円(同62.3%増)、純利益61億5000万円(同49.4%増)だった。好調な感染対策商品に加え、オフィス用品需要が回復基調にあることが牽引し、第3四半期時点で営業過去最高益を更新した。また、5月20日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表。更に3月31日付で400万株(発行済み株数の7.2%)の自社株を消却すると発表しており、これらも好材料視された。

■キャリアデザ <2410>  1,122円 (+71円、+6.8%)

 キャリアデザインセンター <2410> が続急伸。16日の取引終了後、21年9月期の連結経常損益予想を従来の3億7000万円の赤字から2億円の黒字(前期は2億1900万円の赤字)に上方修正すると発表しており、これが好感された。IT業界などの採用需要が回復するなか、メディアの「エンジニア」マーケットを中心に新規の案件開拓強化を進めたことで、各事業における取引社数が増加し、上期(10-3月)の売上高が計画を大幅に上回って推移していることを反映した。下期もテレビCMなどの広告宣伝を投下し登録者獲得の強化を進める構えだ。併せて、株主優待として21年3月末時点で1000株以上を保有する株主を対象に、新潟県魚沼産コシヒカリ(予定)5kgを贈呈すると発表したことも好材料視された。

■セントケア <2374>  1,338円 (+68円、+5.4%)

 セントケア・ホールディング <2374> が7連騰。訪問介護を主力とする介護サービス会社だが、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、3密を回避したいとのニーズから訪問介護の需要が旺盛となっている。同社は訪問介護を主力とする介護サービス会社でこの恩恵を享受する形となっている。21年3月期営業利益は前期比87%増の27億3900万円と急拡大を見込むが、22年3月期も訪問介護への需要が一段と伸びることが予想され、収益成長トレンドに変化はない。4月から介護報酬の基本料金が引き上げられる予定にあることもプラス材料となる。

■帝国ホテル <9708>  2,098円 (+104円、+5.2%)

 帝国ホテル <9708> [東証2]が大幅高で3日続伸。17日付の日本経済新聞朝刊で「帝国ホテルは16日、旗艦施設の帝国ホテル東京(東京・千代田)を建て替える方針を固めた」と報じられており、これが材料視された。報道によると、老朽化する施設を一新しブランド力を高める方針で、現在の場所に2036年度に完成する見通しだという。なお、同社は16日夜、報道について、帝国ホテル東京の建て替えの検討を行っているが、現時点で決定した事実はないとのコメントを発表している。

■ウエストHD <1407>  3,290円 (+160円、+5.1%)

 ウエストホールディングス <1407> [JQ]が続急伸。1月にダブルトップで高値を形成してからは中期調整トレンドに入っていたが、ここにきて戻り足を強めてきた。地球温暖化防止の観点から世界的に「脱炭素」への取り組みが加速しているが、米国バイデン政権が再生可能エネルギーなど環境インフラへの投資姿勢を明示していることもあり、太陽光発電分野に展開する企業は折に触れマーケットの注目を浴びやすい。そのなか同社は再生可能エネルギーを主力事業とし、メガソーラー工事を全国展開しているが、足もとの業績も太陽光発電設備の再生ビジネスが好調で、会社側の想定を上回って推移している状況にあり見直し機運が台頭している。21年8月期営業利益は前期比13%増の81億3600万円を見込むが、市場では大幅な上振れが有力視されている。

■Dmミックス <7354>  3,500円 (+145円、+4.3%)

 ダイレクトマーケティングミックス <7354> が大幅続伸。SMBC日興証券が16日付で投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を前回の3400円から4000円と引き上げたことが好感された。レポートでは、21年12月期会社計画は保守的とし、高い成長期待は変わらないと報告。成果を継続的に出す仕組みが組織として形成され高い成長を実現している点、アウトソーシング需要拡大やCOVID-19を機としたニューノーマル(非対面営業へのシフトなど)への転換による事業機会の拡大余地、を引き続き評価している。

■アウトソシン <2427>  1,816円 (+71円、+4.1%)

 アウトソーシング <2427> は5日続伸で昨年来高値を更新。SMBC日興証券が16日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置き、目標株価を前回の1500円から1880円に引き上げたことが材料視されたようだ。レポートでは、派遣スタッフ調達管理システム「CSM」の導入など、コロナ禍で生じたビジネスチャンスを着実に取り込んでいると評価。21年12月期の営業利益は270億円と会社計画251億円を上回ると予想している。

■日本ペHD <4612>  9,220円 (+330円、+3.7%)

 日本ペイントホールディングス <4612> が大幅高で5連騰と一気に戻り足を強めてきた。同社は世界屈指の総合塗料メーカーで海外売上比率が高い。特に中国向けで実績があり、足もと中国経済の回復基調が鮮明となるなか株価も上値追い基調を強めている。そうしたなか前日16日に、マレーシアの接着剤会社の株式75%を今月末をメドに取得することを発表、これによる海外事業における業容拡大を見込んだ買いを呼び込む形となった。

■アイホン <6718>  1,880円 (+66円、+3.6%)

 アイホン <6718> が3日続伸し昨年来高値を更新。16日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を444億円から458億円(前期比5.6%減)へ、営業利益を24億円から31億円(同9.4%増)へ、純利益を18億円から25億円(同5.5%増)へ上方修正し、減益予想から一転して営業増益予想としたことが好感された。国内の集合住宅のリニューアル市場や欧米市場での販売が想定よりも好調に推移したことが要因。また、全社を挙げて経費削減に努めていることも寄与する。

■朝日放送HD <9405>  769円 (+26円、+3.5%)

 朝日放送グループホールディングス <9405> が3日続伸、5日移動平均線を絡め戻り足を強めている。同社は16日取引終了後、21年3月期業績予想の修正を発表した。営業利益は従来予想の16億円から24億円(前期比29%減)と1.5倍に大幅増額しており、これを手掛かり材料に買いが流入した。コロナ禍でテレビコマーシャル需要が減少するなか厳しい収益環境を強いられているが、想定よりもスポット収入を柱とする放送事業収入が増加したことやコスト削減努力なども奏功し、従前の会社側計画を上回った。スポット収入は新型コロナウイルスの影響が一巡する22年3月期は回復色が更に強まり、業績改善に貢献しそうだ。

■ブシロード <7803>  3,010円 (+81円、+2.8%)

 ブシロード <7803> [東証M]が反発。16日の取引終了後に発表した第2四半期累計(20年8月-21年1月)連結決算は、売上高180億2600万円(前年同期比3.4%増)、営業利益1億5800万円(同92.9%減)と大幅減益となったものの、第1四半期の営業赤字から黒字転換したことが好感された。ライブIP事業で、新日本プロレスのビッグマッチ「イッテンヨン・イッテンゴ」を開催し2万490人を動員したほか、動画配信サービス「新日本プロレスワールド」の有料会員数が過去最大の11万6000人になったことが業績を牽引した。また、デジタルIP事業のMOG(モバイルオンラインゲーム)部門で新規アプリをリリースしたことなども寄与した。なお、21年6月期通期の業績予想は、引き続き未定としている。

■バンナムHD <7832>  8,313円 (+185円、+2.3%)

 バンダイナムコホールディングス <7832> が5日続伸。東海東京調査センターは16日、同社株のレーティングを最上位の「アウトパフォーム」へ変更した。目標株価は8000円から1万1000円に引き上げた。「機動戦士ガンダム」をはじめ有力IPを多数保有し、これらをゲーム、玩具、映像、リアル×幅広いユーザー層(老若男女)×グローバル展開が実現しているグローバルでも希少なコンテンツ総合企業と評価。2月に21年3月期の連結営業利益は500億円から720億円へ上方修正を発表しているが、同証券では保守的な印象として849億2500万円への再増額を見込んでいる。

■MDV <3902>  2,111円 (+37円、+1.8%)

 メディカル・データ・ビジョン <3902> が続伸。16日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の0.63%にあたる25万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。なお、買い付け期間は17日から6月30日までとしている。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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