【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):郵船、シンバイオ、伊藤忠テクノ
郵船 <日足> 「株探」多機能チャートより
アドベンチャー<6030>が大幅反発。10日の取引終了後、従来非開示としていた21年6月期の連結業績予想について、売上高300億円(前期比39.5%減)、営業利益7億3000万円(同58.3%増)、最終利益4億6000万円(同6.4倍)を見込むと発表しており、3期ぶりに営業最高益更新を見込んでいることが好感された。連結子会社であったwundou及びギャラリーレアの株式譲渡や、新型コロナウイルス感染症の拡大による旅行需要縮小の影響などにより減収を見込むものの、skyticketアプリ経由での申し込み比率増加に起因した広告宣伝費の効率化が図れることなどで、広告宣伝費は前期比40%程度を想定しており、大幅な利益改善が見込まれることが要因という。なお、GoToトラベルキャンペーンの再開や、投資事業における上場株式の株価変動などについては業績予想に織り込んでいないとしている。
■シンバイオ製薬 <4582> 1,129円 +94 円 (+9.1%) 本日終値
シンバイオ製薬<4582>が続伸。この日の寄り前、主に小児を対象としたアデノウイルス感染症(AdV感染症)に対する抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤(BCV IV)に関する第2相臨床試験を開始するため、FDA(米国食品医薬品局)に治験許可申請を行ったと発表しており、これが好感された。同社では更に、造血幹細胞移植後のマルチウイルス感染症へ対象領域を拡大し、更には腎臓移植を含む臓器移植分野などの対象領域拡大の可能性を追求することで、市場の拡大やBCV IVの事業価値の最大化を図っていくとしている。
■ココペリ <4167> 5,770円 +460 円 (+8.7%) 本日終値
ココペリ<4167>が大幅続伸。大和証券が10日付で、投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を6000円でカバレッジを開始したことが好感されたようだ。同社は18年に現在の主力事業である中小企業向け経営支援プラットフォームの「Big Advance(ビッグアドバンス)」をリリース。同プラットフォームでは、日本全国の信用金庫、地銀など地域金融機関と連携し、各金融機関の取引先の中小企業に対して、課題解決や成長支援につながるサービスを提供しているが、導入金融機関数、その顧客である中小企業会員数は順調に増加。21年3月期営業利益を2億円、22年3月期を同5億1000万円と予想している。
■日本郵船 <9101> 3,380円 +230 円 (+7.3%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み高、業種別騰落率では全業種を通じて群を抜いている。市場では「新型コロナウイルス収束に伴う世界的な景気回復でグローバル物流の回復が見込まれるほか、足もとでもばら積み船の運賃市況を表すバルチック海運指数がここ連日上昇する展開で1900台に乗せており、買い意欲が一気に強まった。一部証券会社が強気リポートをリリースしていることも株高を助長した」(中堅証券ストラテジスト)としている。海運業界は業績も大底を脱しており、低PBR株の宝庫であることもバリュー株シフトの流れに乗っている。
■アトラエ <6194> 3,085円 +191 円 (+6.6%) 本日終値
アトラエ<6194>が急伸。10日の取引終了後、3月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性の向上とより投資しやすい環境を整えることで、投資家層の拡大を図ることが目的という。
■BEENOS <3328> 2,798円 +156 円 (+5.9%) 本日終値
BEENOS<3328>が大幅高で3日続伸。正午ごろ、越境ECをサポートする代理購入サービス「Buyee(バイイー)」を運営する子会社tensoが、カカクコム<2371>が展開する、暮らしを素敵にするモノを集めたショッピングモール「キナリノモール」の海外向け販売をサポートすると発表しており、これが好感された。今回のサポートにより、「キナリノモール」では、海外の利用客の購入利便性を向上させるため、タグの設置だけで自社ECサイト上に海外専用カートを簡易に開設することができるtensoの「Buyee Connect」を導入。更にBuyeeが海外発送手続きや多言語での問い合せサポートなどを行うことで、海外の利用客は日本のECサイト上で商品を選定できるようになるほか、日本のECサイト事業者の商品登録の手間を軽減し、より簡易に海外対応を実現するとしている。
■TKC <9746> 6,620円 +360 円 (+5.8%) 本日終値
TKC<9746>が急伸。10日の取引終了後、3月31日時点の株主に対して1対2株の株式分割を実施すると発表したことを好感する買いが流入した。効力発生日は4月1日。投資単位当たり金額の引き下げによる株式の流動性向上と投資家層の拡大などを目的としている。
■東邦チタニウム <5727> 993円 +52 円 (+5.5%) 本日終値
東邦チタニウム<5727>の上値追いが鮮明。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスに合わせて上げ足に弾みがついてきた。チタン精錬の大手で航空機向けの不調から足もとの収益環境は向かい風が強い。しかし、業績は21年3月期が底とみられており、22年3月期以降の業績回復を先取りする買いが入り始めている。高速通信規格5Gの商用サービスが本格離陸するなか、関連投資需要を捉え高純度金属チタンや超微粉ニッケルが好調に推移している。また、世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景に、次世代電池素材への展開にも期待が大きい。「脱炭素」にも前向きに取り組んでおり、直近では9日付で東京ガス<9531>など14社とカーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンスを設立したことを発表している。
■伊藤忠テクノ <4739> 3,410円 +175 円 (+5.4%) 本日終値
伊藤忠テクノソリューションズ<4739>が大幅反発。大和証券が10日付で投資判断を「2」から「1(買い)」とし、目標株価を4300円から5100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、22年3月期は前期比21.7%営業増益と高成長モード復帰が予想されるが、牽引車はキャリア向け5G設備と、同社得意のIT/通信技術の融合分野である鉄道・製造業向けローカル5G基盤、自治体向けクラウド基盤(テレワーク対応やデジガバ対応)などであると指摘。更に最近は、ローコード・アジャイル開発スタイルを導入しソフト開発力を強化し、IT/通信融合時代の総合IT企業へ進化中であるが、同社のIT/通信融合ソリューションは我が国最高水準にあり、この優位性から10年スパンの高成長を開始すると予想している。
■物語コーポレーション <3097> 6,930円 +310 円 (+4.7%) 本日終値
物語コーポレーション<3097>が3日続伸。大和証券が10日付で、投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を7800円でカバレッジを開始したことが好感されたようだ。同証券では、同社の強みとして「独自の開発ノウハウで複数の主力ブランドを確立する業態開発力」と「既存フォーマットの再設計により既存店の成長が続く業態改善力」の2点を挙げているほか、コロナ禍においても、郊外ロードサイド大型店でファミリー需要を捉え、比較的堅調な既存店推移を示している点に注目。主力業態を中心とした積極的な出店拡大による売上増が業績を牽引することに加えて、継続的な既存店投資、マーケティング投資により既存店の競争力が向上し、高水準の利益成長が継続すると見込んでおり、21年6月期営業利益40億9000万円(会社予想40億2100万円)を予想している。
株探ニュース