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【市況】米国株式市場見通し:経済活動再開や追加経済対策に期待


金利の上昇を受けてハイテク関連株が弱含むかわりに、景気循環株は引き続き堅調に推移しそうだ。新型コロナウイルス感染件数が減少傾向にあるほか、ワクチンの接種加速で、経済活動の再開に期待が集まる。加えて、下院議会が26日に、バイデン大統領が提示した1.9兆ドル規模の経済対策案の採決を計画している。最終的には3月中旬までの成立を目指す。パンデミック下で、連邦政府が失業者支援のために特別に設けた自営業者など対象のパンデミック失業支援(PUA)や長期失業者向けのパンデミック緊急失業補償(PEUC)は、昨年末に成立した9000億ドル規模の経済対策の一環で延長されていたが今後1カ月以内に失効する。このため、速やかな追加財政策の成立が求められている。パンデミックの収束が遅れ、労働市場の回復が低迷する中、大規模な経済対策が成立すると、景気循環株の上昇を支援するだろう。

同時に、FRBは17日公表したFOMC議事要旨(1月26-27日開催分)で資産価格の上昇に言及。また、イエレン財務長官もバリュエーションが非常に高いと投資家に注意喚起しており、高値警戒感も併存し相場の上昇は鈍いペースにとどまりそうだ。

経済指標では、1月シカゴ連銀全米活動指数、1月景気先行指数(22日)、12月FHFA住宅価格指数、12月S&P20都市住宅価格指数、1月消費者信頼感指数、2月リッチモンド連銀製造業指数(23日)、1月新築住宅販売件数(24日)、1月耐久財受注、10-12月期国内総生産改定値、新規失業保険申請件数、1月中古住宅販売仮契約(25日)、2月シカゴPMI、1月個人所得・支出、1月PCEコアデフレーター、2月ミシガン大消費者信頼感指数(26日)などが予定されている。インフレが上昇する兆候が見られる中、FRBのクラリダ副議長がインフレ指標として注視していくと指摘していたPCEコアデフレーターの1月分に注目したい。副議長は資産購入策の縮小開始の目安として、この指数が2.5%近辺まで上昇することを目指すとしている。12月時点は1.5%。FRB関係者が指摘しているとおり目標達成には程遠い水準だ。

また、FRBのパウエル議長は23、24日の両日上下議会で金融政策や経済に関し半期に一度の証言を予定している。投資家間でインフレへの脅威が強まる中、議長は依然、今後数カ月の物価上昇が一時的で、平均2%の目標達成や緩和策の出口戦略の協議開始には「程遠い」との見解を繰り返すかどうかに注目だ。議長は最近のイベントで、特に労働市場に関し、恐慌時の最悪期をさらに下回る状況だと悲観的な見解を示している。議長がハト派姿勢を再確認すると相場の支援材料となるだろう。また、イエレン財務長官はG20財務相・中央銀行総裁のビデオ会議に出席を予定している。

企業決算ではメディアのディスカバリー、エネルギー資源のオキシデンタル・ペトロリアムやマラソンオイル(22日)、ホームセンター運営するホームデポやロウズ、住宅建設会社のトールブラザーズ、百貨店のメーシーズ、(23日)、半導体のエヌビディビア、衣料品小売りのTJマックス、ビデオ医療サービスのテレドック、オンラインディスカウントストアのオーバーストック・ドット・コム(24日)企業向けソフトウェア会社のセールスフォース、旅行情報・予約サイト運営のエアビー・アンド・ビー、バイオのモデルナ、フードデリバリーのドアダッシュ、コンピューターメーカーのHPやデル、電化製品量販店ベスト・バイ、オンライン小売のエッツィ、オンラインの家庭用品販売のウェイフェア、宅配ピザのドミノピザやパパジョーンズ、ハンバーガーチェーンのシェイクシャック、代替肉メーカーのビヨンドミート、電動トラックメーカーのニコラ(25日)、クルーズ船運営するロイヤル・カリビアン(22日)、ノルウェジアンクルーズ(25日)、オンラインギャンブルのドラフトキング(26日)などが予定されている。

パンデミック下での需要の増加が続き娯楽や教育番組を提供するディスカバリー、テレドック、半導体やコンピューターメーカーの決算は好調な結果が期待できそうだ。オーバーストックやウェイフェアなどのオンライン小売りにも強い結果を期待したい。一方で、運営再開が延期されているクルーズ船運営会社は赤字継続が警戒される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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