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【特集】「蓄電池」が13位にランク、再生エネのキーデバイスとして関心高まる<注目テーマ>

正興電 <日足> 「株探」多機能チャートより
★人気テーマ・ベスト10
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6 オンライン診療 
7 2020年のIPO 
8 半導体 
9 電子認証 
10 人工知能

 みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「蓄電池」が13位となっている。

 経済産業省は13日、総合資源エネルギー調査会の分科会を開き、エネルギー基本計画の見直しに向けた議論を開始した。菅内閣はエネルギー政策を進めていくうえで脱炭素社会の実現、エネルギーの安定供給に取り組むことが方針とされており、分科会では再生可能エネルギー の拡大などが焦点となる見通し。2018年に決まった現行の計画では、30年度の電源構成を火力56%(18年度は77%)、原子力20~22%(同6%)、再生エネ22~24%(同17%)となっている。

 ただ、太陽光発電風力発電といった再生エネは発電量が天候に左右されやすく、そうした不安定さを解決するためには需給をコントロールできる蓄電池の普及が必要不可欠。14日付の日本経済新聞が「梶山弘志経済産業相は13日、日本経済新聞のインタビューで、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを『他の電源に比べ上位の主力電源にしていく』と表明した。普及の基盤となる高性能な蓄電池や洋上風力の整備などに予算を厚く配分する」と伝えていることもあり、株式市場で蓄電池関連銘柄への関心が高まっている。

 正興電機製作所<6653>は5月、昨年12月から販売している全負荷型家庭向け蓄電システム「ENEPAC-HyBriD」が環境省の補助金対象製品に登録されたと発表。10月には東京都自家消費プランの対象機器に、自社の蓄電システムが機器登録されたことを明らかにした。

 古河電気工業<5801>と古河電池<6937>は6月、再生エネを無駄なく活用するキーデバイスとして、長年実用化が困難とされていた次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を共同開発したと発表。21年度中のサンプル出荷、22年度の製品出荷開始を予定している。

 日本工営<1954>は8月、独ストルネティックと量産型フライホイール蓄電システム「Flystab」を共同開発したと発表しており、再生エネの出力変動対策向けなどに展開する計画だ。

 このほか、メガワット級の電力貯蔵ができる「NAS電池」を展開する日本ガイシ<5333>、電力系統用蓄電池に適した特性を持つレドックスフロー電池の住友電気工業<5802>、家庭用蓄電システムを手掛けるエヌエフホールディングス<6864>、リチウムイオン蓄電システムを扱う京セラ<6971>、公共・産業用蓄電システムを販売するニチコン<6996>などにも注目したい。

出所:MINKABU PRESS

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