【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):NTTドコモ、ジーエヌアイ、Jフロント
NTTドコモ <日足> 「株探」多機能チャートより
NTTドコモ<9437>が続急騰。前日はストップ高で大引けに買い物を残したが、きょうも上値を見込んだ買いが集中した。NTT<9432>がTOBを実施し同社の完全子会社化を目指すことを正式発表し、TOB価格は1株3900円に決定(買い付け期間はきょうから11月16日まで)したことを受け、これにサヤ寄せする形で水準を切り上げた。NTTとの一体化で5Gなど成長分野への投資を加速させるとともに、携帯電話料金値下げに取り組む構え。
■ジーエヌアイグループ <2160> 3,740円 +510 円 (+15.8%) 一時ストップ高 本日終値
ジーエヌアイグループ<2160>は一時ストップ高。遺伝子解析に強みを持つバイオベンチャーで中国を開発拠点としている。29日取引終了後、肝線維症治療候補薬「F351」第2相臨床試験の最終報告会が上海で26日に開催され、F351が肝線維症患者にとって安全かつ効果的であると結論づけたことを発表。これを手掛かり材料に物色人気が集中した。
■Jフロント <3086> 758円 +67 円 (+9.7%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
J.フロント リテイリング<3086>が急反発。29日の取引終了後、21年2月期の連結税引き前損益が256億円の赤字(前期は371億円6100万の黒字)になりそうだと発表。従来予想の359億円の赤字から赤字幅が縮小する見通しとなり、これが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、訪日外国人消費の減退、国内消費の低迷など厳しい事業環境が継続したものの、6月中旬以降、百貨店・パルコ事業で一部を除き全店で通常通りの営業を再開した結果、来店客数や売り上げ、店舗賃貸収入が段階的に回復していることを反映した。また、投資抑制や経費削減に加え、人件費や広告宣伝費などの縮小も上振れに貢献する見込みだ。
■グリー <3632> 510円 +43 円 (+9.2%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
グリー<3632>が急反発。29日の取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の8.9%にあたる2000万株または120億円を上限に自社株買いを実施すると発表しており、これを好感する買いが入った。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。なお、買い付け期間は10月1日から21年9月22日までとしている。
■モーニングスター <4765> 506円 +41 円 (+8.8%) 本日終値
モーニングスター<4765>が急伸。29日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受け、10月19日にジャスダック市場から本則市場の東証1部または同2部へ市場変更することになったと発表したことが好感された。東証1部への変更が有力視されている。また、同時に公募増資と自己株処分、株式売り出しも発表した。570万株の公募に加え108万1000株の公募による自己株処分、550万株の売り出し、上限184万1000株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。公募・自己株処分・売り出しの発行・処分・売出価格は10月7日から12日のいずれかの日に決定する。東証の所属部も、発行・処分・売出価格の決定以降に決まる予定だ。
■サムティ <3244> 1,579円 +63 円 (+4.2%) 本日終値
サムティ<3244>は後場一段高に買われた。前場の取引終了後、20年11月期の連結経常利益予想を従来の122億円~146億円から131億円~146億円へレンジ予想の下限を引き上げると発表しており、これを好感する買いが向かった。足もとの賃貸マンションやオフィスビルの売買契約状況を踏まえて業績予想を見直した。第4四半期(9~11月)は賃貸マンション及びオフィスビルを41物件、約445億円(うち、17物件、約300億円については、売買契約締結済み)を売却する見込みという。なお、同時に発表した20年11月期第3四半期累計(19年12月~20年8月)の同利益は前年同期比60.8%減の51億5900万円だった。
■歯愛メディカル <3540> 8,680円 +330 円 (+4.0%) 本日終値
歯愛メディカル<3540>が続伸し、年初来高値を更新した。29日の取引終了後、韓国に歯科関連通信販売事業を展開する合弁会社を設立すると発表しており、これを好感する買いが入った。歯科技工用石膏などの歯科材料の輸入で同社と取引実績があるDK MUNGYO、韓国で大規模歯科医院を経営しているKo Chol Su氏と共同出資で「Ci Korea」を設立する。同社の出資比率は70%。合弁会社を通じ、韓国で同社オリジナルの低価格・高品質の歯科関連商品を中心に販売拡大を図るという。
■シャープ <6753> 1,298円 +21 円 (+1.6%) 本日終値
シャープ<6753>は全般軟調地合いのなか3日続伸と頑強な値運びをみせている。株価は前週24日に急落したが、今週は立ち直り足もとでは25日移動平均線とのマイナスカイ離をほぼ解消する形となっている。同社は29日、シミュレーションによって同社が販売する空気清浄機機能を搭載したエアコン「エアレスト」がウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できることを確認したと発表した。新型コロナウイルス感染が引き続き警戒されるなか、空気清浄機の需要は拡大傾向にあるだけに、株高を後押しする材料となっている。
■沖電気工業 <6703> 1,130円 +14 円 (+1.3%) 本日終値
OKI<6703>は反発。30日付の日本経済新聞朝刊で「OKIは物流部門を独DHLグループに売却する」と報じられており、これを材料視する買いが入ったようだ。記事によると、10月1日付で倉庫など国内50カ所の関連施設や車両を譲渡し、従業員約140人をDHLに移籍させるという。DHLのノウハウで製品の配送などを効率化し、物流コストを削減することが期待されている。
■ラウンドワン <4680> 846円 +4 円 (+0.5%) 本日終値
ラウンドワン<4680>が反発。29日の取引終了後、新たな事業としてオンラインクレーンゲーム事業を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。オンラインクレーンゲームは、実在するクレーンゲームマシンを利用者がスマートフォンやパソコンを使って操作し、クレーンゲームを楽しむことができるもの。獲得した景品は自宅への郵送もしくは全国のラウンドワン店舗で受け取りできる仕組みとするという。21年4月をメドに事業を開始する予定としている。
株探ニュース