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【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 18社選出 <成長株特集>

ログリー <日足> 「株探」多機能チャートより
 本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は時価総額800億円以上の銘柄を対象とした【第1弾】、時価総額250億円以上の銘柄を対象とした【第2弾】に続くシリーズ第3弾として、時価総額250億円未満の銘柄の中から、20年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

 下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の4-6月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している18社を選び出し、4-6月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

 上振れ率トップとなったのは、ロードスターキャピタル <3482> [東証M]。20年4-6月期(第2四半期)は不動産投資事業で利益率の高い大型物件を売却し、経常利益は過去最高益を97.0%も上回る21億円に拡大して着地。上期(1-6月)経常利益(27.9億円)の通期計画37.4億円に対する進捗率は74.6%に達しており、業績上振れが期待される。指標面では予想PER5.7倍と割安感が強く、株価の水準訂正余地は大きいとみられる。

 2位のマイネット <3928> はスマートフォン向けゲームの運営を主力としている。4-6月期(第2四半期)は前期から取り組んできたタイトルごとのKPI(重要業績評価指標)管理手法・コスト管理手法の見直しやマネジメント体制の刷新が奏功し、既存タイトルを中心に収益性が大きく改善した。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費も追い風となり、経常損益は前年同期の2.2億円の赤字から4.3億円の黒字へ急浮上を遂げた。業績好調に伴い、20年12月期の業績見通しを大幅上方修正している。

 選出リストには、第1弾第2弾に続き、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす生活様式の変化を追い風に業績を伸ばした企業が目立つ。3位に入ったログリー <6579> [東証M]の4-6月期(第1四半期)はコロナ禍の巣ごもり需要を取り込み、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」でインプレッション数(広告の表示回数)が急増した。想定以上に好調な業績を踏まえ、21年3月期の経常利益予想を大幅増額修正している。さらに、11日には9月末を基準日として1→2の株式分割を実施すると発表。これを受けて株価は一段高に買われ、上場来高値となる6510円まで上値を伸ばしている。

 4位のイーブックイニシアティブジャパン <3658> は巣ごもり需要の継続がプラスに働いたほか、ゴールデンウィーク期間中に実施した販促キャンペーンも奏功し、電子書籍販売サイト「ebookjapan」の利用が大きく伸びた。4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比2.2倍の4.1億円に膨らみ、2四半期連続で過去最高益を更新している。

 続く5位に入ったのはネットオークションの価格比較サイトを主軸とするオークファン <3674> [東証M]。4-6月期(第3四半期)は巣ごもり消費を背景に法人向け卸売モールサイト「NETSEA」の流通額が急増し商品流通プラットフォーム事業の収益が拡大したほか、インキュベーション事業で投資有価証券売却益が発生したことも利益を大きく押し上げた。株価は約1年7ヵ月ぶりの高値圏を快走している。

 8位のGMOペパボ <3633> [東証2]はオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」で夏のセールが例年以上に好調だったほか、ハンドメイドマーケット「minne」では食品や家具などを中心に流通額が増加し、4-6月期(第2四半期)経常利益は5四半期ぶりに過去最高益を更新した。

 10位のマーケットエンタープライズ <3135> [東証M]はモバイル通信事業でテレワーク特需が発生し、インターネット接続サービスの新規顧客獲得が進んだ。4-6月期(第4四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。また、16位の二輪車部品・用品メーカー、デイトナ <7228> [JQ]は“3密”を回避できる趣味や通勤手段としてバイクニーズが高まったことが追い風になった。

 続いて10年以上ぶりに四半期ベースの過去最高を更新した“大復活”銘柄をみていく。6位に入ったビジネスエンジニアリング <4828> の4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比65.1%増の7.8億円と実に65四半期ぶりとなる最高益更新を果たした。企業の旺盛なIT投資ニーズを背景に、他社開発ERPパッケージをベースとしたシステム構築や自社開発ERPパッケージ「mcframe」のライセンス販売が好調だった。

 17位にリストアップされたアバールデータ <6918> [JQ]の4-6月期(第1四半期)は大手半導体メーカーの新規設備投資が調整局面から回復し、受託製品分野で半導体製造装置の制御部が大幅に増加したほか、利益率の高い自社製品分野では画像処理モジュールなどの販売が増勢だった。経常利益は前年同期比46.1%増の5億円に伸び、55四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。

           ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名     上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER
<3482> ロードスター   97.0  2106   1069   14.3   3741   3272  5.7
<3928> マイネット    70.7   437   256   90.9   1050   550 13.8
<6579> ログリー     68.3   101    60    6.3   170   160  100
<3658> イーブック    52.4   410   269   10.7   880   795 30.4
<3674> オークファン   44.4   530   367   21.1   814   672 35.2
<4828> ビーエンジ    43.6   781   544    1.5   1600   1577 19.9
<3496> アズーム     40.9   62    44   26.0   189   150 65.5
<3633> GMOペパボ   38.0   425   308    0.2   837   835 42.4
<9385> ショーエイ    31.5   267   203   31.8   833   632 14.9
<3135> マーケットE   28.5   221   172   23.2   818   664 32.1

<9273> コーア商HD    6.0   835   788    1.4   2400   2367 11.2
<3837> アドソル日進    5.3   357   339    0.6   1244   1236 28.3
<7191> イントラスト    3.3   281   272    7.5   1103   1026 26.0
<2374> セントケア     2.8   594   578    7.3   1925   1794 15.5
<9057> 遠州トラック    2.5   705   688    4.9   2450   2335 13.5
<7228> デイトナ      2.4   294   287    1.3   714   705  7.3
<6918> アバール      2.2   501   490    1.2   1635   1615 16.9
<6542> FCHD      1.8   806   792    2.6   880   858  7.7

※2019年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

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