市場ニュース

戻る
 

【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―2万3000円処での底堅さ見極め、レーバーデー明けまでは方向感つかみづらいか

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

「2万3000円処での底堅さ見極め、レーバーデー明けまでは方向感つかみづらいか」

 今週の日経225先物は、先週の上昇に対する反動が意識されるなか、2万3000円レベルでの底堅さを見極める展開になりそうだ。14日の米国市場は方向感のない相場展開だった。7月の小売売上高は前月比1.2%増と3カ月連続で上昇したが、市場コンセンサスを下回ったことで回復の鈍さが嫌気された。一方で、ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)が72.8とコンセンサスを上回ったことが材料視されるなど、経済指標が強弱まちまちのなかで方向感のつかみづらい展開となった。結局はNYダウが0.12%の上昇、S&P500が0.01%の下落、ナスダックは0.21%の下落と小幅な値動き。また、出来高も低水準であり、まさに夏休み状態だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比140円安の2万3140円となり、週初はこれにサヤ寄せする形でショートが先行しそうである。

 ただし、下値を大きく売り込む流れにはならず、2万3000円レベルを挟んで底堅さが意識されやすそうだ。決算発表が先週で一巡し、今後は米中協議など外部要因に振らされやすくなるとみられる。15日に予定されていた米中閣僚級協議については延期になったと各メディアが伝えている。トランプ大統領が中国製アプリの「TikTok(ティックトック)」「微信(ウィーチャット)」の使用禁止を発表したことや、米中両国が双方の領事館を閉鎖するなど対立が深まるなか、貿易交渉は難航するとみられていた。しかし、そもそもの協議が開催されない状態とあっては、思惑的な売買も手控えられよう。

 米国の追加経済対策については先週、トランプ大統領が中間層の経済的なダメージを減らすために、週400ドルの失業給付の上乗せ、9月1日から年末までの給与税の納税猶予、家賃未払いに伴う立ち退きの猶予などに関する大統領令に署名したことで与野党合意が近づくとみられていた。しかし、未だ合意には至らず、共和党のマコーネル上院院内総務はレーバーデー明けとなる9月8日まで上院採決を行わないと発言。下院もすでに9月14日まで採決を行わないことを発表しており、議会も夏休み状態である。週末の商いの薄さをみても海外投資家は夏季休暇に入っており、レーバーデーまでは売買が膨らみづらい。また、東京市場においても海外勢のボリュームが減ると想定されるため、全般的に動きづらくなろう。

 そのため、短期筋の仕掛け的な売買によって振らされやすい状態となるが、短期的な売買が中心となれば、追随するよりはカバーを狙うスタンスになるだろう。先週末は8月SQ値(2万3350.79円)を僅かに超えられず、心理的な抵抗として意識されやすい。一方で、この2カ月間の保ち合いレンジであった2万2000円~2万3000円のレンジを突破したことにより、2万3000円が支持線として意識されやすい。全体の6割強を占める海外勢の参加者が限られるとすれば、2万3000円~2万3300円辺りの狭いレンジでの取引になりそうである。

 先週はクレディスイスによる買い手口が目立っていたが、3月の下落場面において積み上がったショートポジションのカバーとみられ、CTA経由の売買との見方がなされている。このカバー一巡を懸念するよりも、日経平均株価がコロナショックで下落する前の2月21日の水準にあと一歩に迫ったことで、8月SQ値を捉えオプション権利行使価格の2万3375円および2万3500円に向けてバイアスが強まる展開に期待したい。一方で2万3000円を下回ったとしても、オプション権利行使価格の2万2875円レベルではロングスタンスとなるか。なお、先週後半にNT倍率は先物中心限月で14.32と上昇をみせたが、8月3日の高値14.55から8月12日には14.22まで低下していただけに自律反発の範囲内といえよう。引き続きTOPIXにやや比重をおいたポジションを意識しておきたい。

 そのほか、経済指標では4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値、米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数(17日)、米7月住宅着工件数・建設許可件数(18日)、米8月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数(20日)、米7月中古住宅販売件数(21日)などが予定されている。米国の経済指標の内容にはギャップスタートで反応してくる可能性があるため、ナイトセッションでの荒い値動きには注視しておきたい。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
6月限 日経225 22,071.46  TOPIX  1550.43
7月限 日経225 22,601.81  TOPIX  1555.00
8月限 日経225 23,350.79  TOPIX  1626.38

◆日経225先物9月限(日足)
      始値   高値   安値   清算値 前日比
8月14日  23250  23340  23160  23280  +70
8月13日  22980  23300  22940  23210  +310
8月12日  22780  22940  22650  22900  +180
8月11日  22290  22750  22250  22720  +380

◇TOPIX先物9月限(日足)
      始値   高値   安値   清算値  前日比
8月14日  1625.5  1629.0  1618.0  1625.5  +2.5
8月13日  1615.0  1631.0  1612.5  1623.0  +13.0
8月12日  1588.0  1610.0  1582.5  1610.0  +27.0
8月11日  1546.5  1587.5  1542.0  1583.0  +32.5

●シカゴ日経平均 円建て
         清算値 前日比
8月14日(9月限) 23140 -140
8月13日(9月限) 23195 -15
8月12日(9月限) 23190 +290
8月11日(9月限) 22680 -40
8月10日(9月限) 22495 +155
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
      売り     前週末比   買い   前週末比  
8月7日   1兆7780億円 +1386億円  3759億円 +153億円
7月31日  1兆6393億円 -1332億円  3605億円  -93億円
7月22日  1兆7726億円  +319億円  3699億円  +15億円
7月17日  1兆7407億円  -825億円  3684億円 +500億円
7月10日  1兆8232億円  -214億円  3183億円 -665億円
7月3日   1兆8447億円  +241億円  3849億円  +60億円
6月26日  1兆8206億円  -672億円  3788億円 +147億円
6月19日  1兆8878億円  -480億円  3640億円 +786億円
6月12日  1兆9358億円 -3999億円  2853億円 -1746億円 
6月5日   2兆3357億円  -896億円  4600億円 -384億円
5月29日  2兆4254億円 -1453億円  4984億円 +317億円
5月22日  2兆5707億円  +732億円  4666億円 +156億円
5月15日  2兆4974億円 +1437億円  4509億円 -681億円
5月8日   2兆3537億円  +687億円  5191億円 +195億円
5月1日   2兆2850億円 -1275億円  4995億円 +223億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
      売り      前日比    買い       前日比 
8月12日  7億0664万株   -2512万株  2億3811万株   +1420万株
8月11日  7億3177万株   +162万株  2億2390万株   +2684万株
8月7日   7億3014万株   -469万株  1億9706万株   +281万株
8月6日   7億3483万株   +545万株  1億9424万株   -215万株
8月5日   7億2938万株    -48万株  1億9640万株    +22万株
8月4日   7億2986万株   +460万株  1億9617万株    -7万株
8月3日   7億2526万株   +2260万株  1億9625万株   +291万株
7月31日  7億0265万株   +1627万株  1億9334万株   -1100万株
7月30日  6億8638万株   -271万株  2億0434万株   +485万株
7月29日  6億8909万株   +2888万株  1億9949万株   -225万株
7月28日  6億6020万株   -1017万株  2億0175万株   +504万株
7月27日  6億7038万株   -4952万株  1億9670万株   +597万株
7月22日  7億1990万株   +2554万株  1億9073万株    +45万株  
7月21日  6億9436万株   -2034万株  1億9027万株   +338万株
7月20日  7億1471万株   -778万株  1億8688万株   -232万株
7月17日  7億2249万株   +305万株  1億8921万株    -44万株
7月16日  7億1944万株   -1691万株  1億8965万株   +531万株
7月15日  7億3636万株   -1831万株  1億8434万株   +908万株
7月14日  7億5467万株   +1132万株  1億7525万株   +393万株
7月13日  7億4335万株   -2225万株  1億7132万株   +384万株
7月10日  7億6560万株   +717万株  1億6748万株   -1752万株
7月9日   7億5843万株   -195万株  1億8500万株   +53万株
7月8日   7億6039万株   -643万株  1億8446万株   +842万株
7月7日   7億6682万株   +1290万株  1億7603万株   -2335万株
7月6日   7億5392万株   -257万株  1億9938万株   -126万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
6月11日 1001億円
6月12日 1001億円
6月18日 1001億円
6月19日 1001億円
6月25日 1001億円
6月29日 1001億円
7月9日  1002億円
7月10日 1002億円
7月20日 1002億円
7月27日 1002億円
7月29日 1002億円
7月31日 1002億円
8月5日  1003億円

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均