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【特集】テクノスJPN Research Memo(1):2021年3月期は協創プラットフォーム構築によるDX推進にも注力

テクノスJ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

1. 会社概要
テクノスジャパン<3666>は、企業向けDX(デジタルトランスフォーメーション※)のコンサルティング、基幹システム(ERP)・顧客管理システム(CRM)・自社サービス(CBP)を組み合わせたシステムグランドデザイン支援、ビジネスコンサルティング、要件定義、設計、開発・保守に至る一連のシステムサービスを提供し、グローバルビジネスの拡大にも注力する独立系のICTシステムサービス企業である。質の高いコンサルティング力や技術力、独自テンプレートの活用などに強みがあり、SAPを軸としたERP導入支援では、製造業を中心に220社を超える実績を誇る。デジタル化の流れが加速するなかで、ERP・CRM(企業最適)と業界最適型の協創プラットフォームCBP(企業間連携)を組み合わせ、そこで蓄積されたデータ活用による価値提供(顧客のビジネス変革)を通したDX事業に取り組んでいる。

※企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。


2. 2020年3月期の連結業績
2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.1%増の7,677百万円、営業利益が同63.9%減の282百万円と増収ながら一過性の特殊要因により減益となった。売上高は、企業のERP・CRMへのシステム投資が堅調に推移したことや、2018年6月にグループ化したLirik,Inc.の通年寄与(6ヶ月分の上乗せ)により2ケタの増収を確保し、2期連続で過去最高を更新した。一方、大幅な減益となったのは、特定プロジェクトにおける損失発生(一過性要因)が理由である。活動面では、M&AによるCRMの強化のほか、協創プラットフォーム構築に向けたコミュニティづくりなどで成果を残すことができた。

3. 2021年3月期の連結業績予想
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比2.9%増の7,900百万円、営業利益を同183.2%増の800百万円と増収及び大幅な損益の回復を見込んでいる。引き続き、DX実現に向けた事業モデルの変革を含め、ERP・CRMへの投資意欲が高まる傾向にある反面、新型コロナウイルス感染拡大の影響による慎重な投資姿勢や投資抑制の動きもみられることから、売上高は緩やかな増収にとどまる見通しである。一方、利益面では前期からの回復により、大幅な損益改善を見込んでいる。

4. 成長戦略
同社の成長戦略の方向性は、「企業・人・データをつなぎ社会の発展に貢献する」ことをミッションとして、「LEAD THE CONNECTED SOCIETY TO THE FUTURE~つながる社会の未来をリードする企業へ~」(ビジョン)を目指すものである。すなわち、創業以来のノウハウを活かしたERP(企業単位での最適化)の導入や切替だけでなく、様々な最新技術を有するパートナー企業や導入企業との協創によって企業間をデータでつなぐ業界最適型(サプライチェーン全体の最適化)のプラットフォームビジネス構想を強く打ち出している。また、成長に向けた今後の投資領域として、「プラットフォームビジネス」のほか、「グローバルビジネス」、「人財・組織」の3つのポイントを挙げている。

弊社でも、新型コロナウイルス感染拡大の影響については現時点で不透明であるものの、DX実現に向けたERPやプラットフォームビジネスへの展開により、持続的な成長を実現していくことは十分に可能であるとみている。新型コロナウイルス感染拡大の影響が一旦業績にマイナスに働く可能性が懸念されるなかでも、DX実現に向けた構造的な変革は企業のみならず社会全体で取り組むべき課題にもなってきており、同社にとっては社会課題の解決を自社成長に結び付ける大きな機会として捉えることができる。まずは、プラットフォームビジネスの本格稼働に向けた進捗のほか、パートナー企業等との協業を含めた新たな価値の創出にも注目していきたい。

■Key Points
・2020年3月期は増収ながら一過性の特殊要因により大幅な減益
・DX実現に向けた協創プラットフォーム構築などでは一定の成果を残す
・2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されるものの、前期からの大幅な損益の回復を見込む
・DXの本格展開を見据え、ERP(企業最適)と独自の協創プラットフォーム(サプライチェーン全体の最適化)の組み合わせにより、社会課題の解決を自社成長に結び付ける戦略

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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