市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

3DM <日足> 「株探」多機能チャートより

■3DM <7777>  426円 (+80円、+23.1%) ストップ高

 スリー・ディー・マトリックス <7777> [JQG]がストップ高。17日の取引終了後、自己組織化ペプチド技術を用いた吸収性局所止血材「TDM-621」の国内製造販売承認を取得したと発表しており、これが好感された。TDM-621は、人体の構成成分である3種のアミノ酸から成るペプチドを原料とした透明な液体で、血液に触れると瞬時にハイドロゲルを形成する特性(自己組織化)により、出血面を物理的に塞いで止血を行うもの。動物由来の物質を完全に排除したことで、既存製品と比べてC型肝炎ウイルスなどに感染するリスクがないのが特徴という。同時に、中国プロメテウス・バイオ社と協力して日本国内向けに開発を進めている 新型コロナウイルス感染症抗体検査キットについて、試験研究用として大阪大学眞田文博寄附講座准教授に提供し、使用が開始されたと発表しており、これも好材料視された。今回の試験研究は、新型コロナウイルス感染症非感染検体を用い、抗体検査キットの特異度を評価することが目的。同社はアンジェス <4563> [東証M]が主導するワクチン開発グループの一員として抗体検査キットを関係施設に提供するだけではなく、新型コロナウイルス感染症向けワクチンの投与前抗体検査用のコンパニオン診断薬としての承認を獲得することを目指すとしている。

■クラスター <4240>  466円 (+80円、+20.7%) ストップ高

 クラスターテクノロジー <4240> [JQG]がストップ高。20日付の日本経済新聞朝刊で、「人の臓器の機能を模した『ミニ臓器』を新型コロナウイルス感染症の研究に生かす試みが相次いでいる」と報じられた。記事によると、ミニ臓器は正式には「オルガノイド」と呼ばれ、臓器を構成する複数種類の細胞を立体培養して作るという。ここから、インクジェットのバイオ分野での開発が期待されている同社に思惑的な買いが入ったようだ。

■エヌジェイ <9421>  1,081円 (+150円、+16.1%) ストップ高

 エヌジェイホールディングス <9421> [JQ]がストップ高。同社子会社ゲームスタジオでは、ニンテンドースイッチ向けに「棋士・藤井聡太の将棋トレーニング」を今年3月にリリースしているが、将棋の藤井聡太棋聖が16日に史上最年少でのタイトルを獲得したことで、複数のメディアが同ゲームを取り上げており、人気化を期待した買いが入ったようだ。

■テラスカイ <3915>  4,070円 (+415円、+11.4%)

 東証1部の上昇率4位。テラスカイ <3915> が3連騰。株価は16年5月につけた高値3748円(分割後修正値)を上抜いて4000円台に突入、約4年2ヵ月ぶりの上場来高値更新を果たした。同社は15日の取引終了後に21年2月期第1四半期(3-5月)の連結決算を発表。売上高29億2600万円(前年同期比37.8%増)、経常利益3億1900万円(同66.1%増)といずれも拡大しており、これが引き続き材料視された。クラウド市場が急速に拡大するなか、主力のソリューション事業でセールスフォースを中心としたクラウドサービスの導入開発案件、アマゾンウェブサービス(AWS)へのクラウドマイグレーション案件が大幅に増加したほか、製品事業ではクラウドデータ連携基盤や画面作成ツール、グループウェアの契約が伸びた。今期は経常利益段階で5億700万円(前期比33.4%減)と大幅減益を見込むが、第1四半期に絶好のスタートを切ったことで、業績上振れ期待が膨らんでいる。

■岩井コスモ <8707>  1,271円 (+117円、+10.1%)

 東証1部の上昇率6位。岩井コスモホールディングス <8707> が続急騰。前週末17日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算速報値が、売上高58億7000万円(前年同期比25.0%増)、営業利益18億5900万円(同99.6%増)と大幅増益となったことが好感された。日米の株式市場が活況を呈するなか、委託手数料、トレーディング利益とも増加したという。特に、ナスダック総合指数が史上最高値を更新するなど良好なマーケット環境を背景に米国株式の売買が膨らんだことが寄与した。

■パソナG <2168>  1,303円 (+99円、+8.2%)

 東証1部の上昇率10位。パソナグループ <2168> が急反発。前週末17日の取引終了後に21年5月期連結業績予想を発表し、売上高3100億円(前期比4.6%減)、営業利益100億円(同5.5%減)、最終利益25億円(同4.2倍)と大幅な最終増益を見込んでおり、これが好感された。企業の効率的な事業活動を支援するBPOサービス(委託・請負)や再就職支援サービスの領域で企業需要の拡大が見込まれるものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期や第2波の発生懸念など不透明感が強く、それによる国内企業の事業活動や人材採用に影響が生じることから、営業利益は減益を見込む。ただ、前期に計上した固定資産の減損損失の一時的な要因がなくなるため、最終利益は大幅増益となる見通しだ。なお、20年5月期決算は、売上高3249億8400万円(前の期比0.6%減)、営業利益105億7700万円(同11.8%増)、純利益5億9400万円(同69.9%減)だった。

■マイネット <3928>  1,282円 (+81円、+6.7%)

 マイネット <3928> が続伸。前週末17日の取引終了後、ライブ配信時代におけるコミュニケーションの検証としてマルチプレイゲーム「Repaint(リペイント)」の提供を開始したと発表したことが好感された。同ゲームは、ライブ配信時代に備えて情報収集と分析をはかり、コミュニケーションを活性化するための検証として提供するもの。ゲームを「舞台装置」と位置づけ、ライブ配信に活用されることを前提として、観るだけでなく参加することでコミュニケーションを活性化させることを目的としているという。

■JIGSAW <3914>  5,110円 (+315円、+6.6%)

 JIG-SAW <3914> [東証M]が急反発。同社は20日、米国法人のJIG-SAW USが自社のIoT管理プラットフォーム・IoTエンジン「neqto:」とグーグルクラウドプラットフォーム(GCP)との統合を通じ、北米や欧州などグローバル市場での利用促進を目的にしたGoogleとパートナーシップ契約を締結したと発表。グーグルクラウドとのパートナーシップの目的は、エッジデバイスをGCPにシームレスにつなげること。JIG-SAW USは、GCPとのパートナーシップをベースに「neqto:」のエンタープライズ用エッジIoTデバイスを業界最多レベルの100億台でGCPにつなげることを目指すとしている。また、今後は「neqto:」のエンタープライズプラットフォームに直接Google Cloud IoT Core上で構築できる機能など、新たな統合機能を追加する予定だという。

■KOA <6999>  1,035円 (+61円、+6.3%)

 KOA <6999> が急反発。17日の取引終了後、従来は未定としていた21年3月期第1四半期(4-6月)連結業績予想について、売上高109億5000万円(前年同期比14.5%減)、営業利益3億8200万円(同53.5%減)、純利益1億4600万円(同69.5%減)で着地したようだと発表した。新型コロナウイルスの影響による顧客の操業停止やサプライチェーンの混乱などがあり、赤字転落も懸念されていただけに、想定以上に堅調な決算と評価されたようだ。

■ゲンダイ <2411>  270円 (+15円、+5.9%)

 ゲンダイエージェンシー <2411> [JQ]が急反発。17日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高10億4600万円(前年同期比63.9%減)、営業損益3億4600万円の赤字(前年同期1億3700万円の黒字)、最終損益3億5500万円の赤字(同4800万円の黒字)と大幅な赤字に転落したが、株価は冴えない展開が続いていただけに、アク抜け感から買いが入ったようだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月から全国のパチンコホールで集客を目的とした広告宣伝が自粛され、それ以降の広告需要が大きく減少したことが響いた。6月に入ると都道府県単位で広告宣伝が段階的に再開されたが、赤字は回避できなかった。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高68億5000万円(前期比38.4%減)、営業損益6億5000万円の赤字(前期4億6000万円の黒字)、最終損益6億5000万円の赤字(同3100万円の黒字)の従来見通しを据え置いている。

■PSS <7707>  1,393円 (+67円、+5.1%)

 プレシジョン・システム・サイエンス <7707> [東証M]が急反発。17日の取引終了後、提携するエリテック社製の全自動PCR検査装置「エリート インジーニアス」とPCR試薬「エリート MGB SARS-CoV-2 キット」を8月3日から販売開始すると発表しており、これを好材料視する買いが入った。併せて、自社ブランドの全自動PCR検査装置「ジーンリード エイト」とセルテスト社製「COVID-19」検査用PCR試薬「VIASURE SARS-CoV-2 PCR」についても同日発売を開始することを明らかにした。検査用PCR試薬の「エリート MGB SARS-CoV-2 キット」と「VIASURE SARS-CoV-2 PCR」は保険適用の対象製品になっているという。なお、今後の事業見通しについては、同製品販売を見込んだ事業計画を策定中としている。

■窪田製薬HD <4596>  302円 (+14円、+4.9%)

 窪田製薬ホールディングス <4596> [東証M]が3日ぶりに大幅反発。前週末17日の取引終了後、100%子会社クボタビジョン・インクが開発する遠隔医療眼科網膜モニタリング機器「PBOS」の量産型試作機(初期型)が完成したと発表しており、これが好感された。網膜の中でも視力を司る黄斑部の腫れなどの変性は通常、医療施設で精密な断層像を得られる据置型光干渉断層計を使って検査をする必要があった。今回同社が開発した「PBOS」は、必要最小限の機能に絞ることで超小型化・軽量化し、またネットワーク機能を持たせることで、患者自身が自宅で網膜の状態を検査する遠隔医療の実現を目指したもの。今後は更なる機能改善のため、ソフトウェアの改良を行うとしている。

■富士ソフト <9749>  4,715円 (+215円、+4.8%)

 富士ソフト <9749> が大幅続伸し年初来高値を更新した。18日付の日本経済新聞朝刊で、「2020年1-6月期の連結営業利益は前年同期比1割増の75億円強になったもようだ」と報じられており、会社側予想の67億円を上回るとの観測が好材料視された。記事によると、企業向けのシステム開発が伸びたほか、新型コロナウイルスの影響で、eコマーステレワーク関連の案件が好調だったという。なお、決算発表は8月13日を予定している。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均