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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

セラク <日足> 「株探」多機能チャートより

■セラク <6199>  1,304円 (+239円、+22.4%)

 東証1部の上昇率2位。セラク <6199> が急反騰。14日の取引終了後に発表した20年8月期第3四半期累計(19年9月-20年5月)の連結決算で、売上高100億9600万円(前年同期比22.1%増)、経常利益7億4700万円(同69.4%増)といずれも拡大しており、これが好感された。システムインテグレーション事業は主力の運用案件が新型コロナウイルスの顕著なマイナス影響を受けることなく堅調に推移したほか、公共案件の獲得やテレワーク導入支援サービスの販売強化が寄与し、2ケタ増収増益を達成した。また、農業IT分野で農林水産省のスマート農業実証プロジェクトの採択など大型案件を受注したことも大幅増益の要因となった。経常利益は通期計画(7億8000万円)にほぼ到達しており、業績上振れが期待される。

■イズミ <8273>  4,055円 (+700円、+20.9%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。イズミ <8273> がストップ高。14日の取引終了後、未定としていた21年2月期の連結業績予想を発表しており、売上高7019億円(前期比5.7%減)、営業利益332億円(同4.1%増)と営業増益を見込み、年間配当を前期並みの80円を維持するとしたたことが好感された。第1四半期に本格化した国内における新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かうにつれ、第2四半期以降、店舗運営などの事業活動が正常化していくと予想しているという。なお、同時に発表した第1四半期(3-5月)決算は、売上高1490億5500万円(前年同期比19.0%減)、営業利益63億500万円(同4.4%減)だった。

■ラクス <3923>  2,343円 (+400円、+20.6%) ストップ高

 ラクス <3923> [東証M]が急反騰。14日の取引終了後、従来未定としていた21年3月期の連結業績予想について、売上高146億7000万円(前期比26.4%増)、営業利益32億9000万円(同2.8倍)、純利益23億4000万円(同2.9倍)と大幅増益を見込むとしたことが好感された。緊急事態宣言解除後、停滞していたクラウド事業の商談が動き出し、新規受注が回復傾向にあることや、遅れていたIT人材事業のアサイン活動が6月から再開し、徐々にアサインが進む見通しとなったことなどから、大幅増益を見込むとしている。同時に、6月度の月次売上高を発表しており、全社売上高は前年同月比34.3%増と2ケタ増収が続いた。なお、成長の牽引役である「楽楽精算」は同43.7%増となった。

■ロコンド <3558>  1,759円 (+300円、+20.6%) ストップ高

 ロコンド <3558> [東証M]がストップ高。14日の取引終了後、従来未定としていた21年2月期の連結業績予想を発表しており、売上高100億円(前期比16.6%増)、営業利益15億円(前期8300万円の赤字)、最終利益12億円(同2億5600万円の赤字)と3期ぶりの営業最高益更新を見込むとしたことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響や外出自粛による靴の需要減で取扱高は大幅ダウンしたものの5、6月の商品取扱高の推移に回復基調が見られたことや、7月20日に株式取得を予定しているFashionwalker(ファッションウォーカー)の統合効果、及びD2Cビジネスへの取り組みなどを織り込んだとしている。なお、同時に発表した第1四半期(3-5月)決算は、売上高19億5500万円(前年同期比10.7%減)、営業利益1億4500万円(前年同期1億7000万円の赤字)、最終利益8800万円(同1億8500万円の赤字)だった。

■シンメンテ <6086>  906円 (+150円、+19.8%) ストップ高

 シンメンテホールディングス <6086> [東証M]がストップ高。14日の取引終了後、従来未定としていた21年2月期連結業績予想を発表しており、売上高155億2200万円(前期比1.0%減)、営業利益8億1200万円(同3.7%減)、純利益5億800万円(同14.1%減)と減収減益を見込むものの、小幅な減益にとどまるほか、株価が5月以降下落基調にあっただけに、アク抜け感から買いが入ったようだ。緊急事態宣言解除後に受注件数が持ち直していることが要因としているという。また、ファーストフード、持ち帰り主体の中食業界の企業などで、同社グループへの依頼数が増えている企業もあり、これらも寄与するという。なお、第1四半期(3-5月)決算は、売上高31億9100万円(前年同期比5.4%減)、営業利益6900万円(同53.6%減)、純利益3600万円(同66.4%減)だった。

■PR TIMES <3922>  3,080円 (+500円、+19.4%) ストップ高

 東証1部の上昇率4位。PR TIMES <3922> がストップ高。14日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)単独決算は、売上高8億1900万円、営業利益2億7700万円、最終利益3億8100万円だった。今期から単独決算に移行したため前年同期との比較はないものの、前年同期の連結決算との比較では21.4%増収、38.3%営業増益と大幅増益となっており、これが好感された。利用企業社数が前年同期比31.9%増の3万9940社に拡大したほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、プレスリリースが前年同期比15.1%増の4万2926件に伸長したことが業績を牽引。また、テレビCMを停止したことも寄与した。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高33億5700万円(前期比16.4%増)、営業利益7億5700万円(同49.2%増)、最終利益7億700万円(同2.6倍)の従来見通しを据え置いている。同時に、8月4日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視されているようだ。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としているという。

■アンビション <3300>  678円 (+100円、+17.3%) ストップ高

 AMBITION <3300> [東証M]がストップ高。14日の取引終了後、緊急事態宣言の発令を受けて5月15日に下方修正した20年6月期の経常利益を前回予想の3億9600万円(前期比72.4%減)から7億9900万円(同44.2%減)へ上方修正しており、これが好材料視された。緊急事態宣言の解除後に金融機関の業務体制が復旧し、インベスト事業で停止していた契約済み案件の決済が想定を上回るペースで完了したことで、21年6月期への期ずれ懸念が浮上していた売上高と営業利益の一部を計上することができることになった。また、業績不振を見込んでいた賃貸仲介事業の成約本数も前回予想を上回ったという。併せて、期末一括配当を従来予想の3円10銭から7円58銭(前の期は25円)に増額修正したことも好感されている。

■HyAS&C <6192>  306円 (+43円、+16.4%)

 ハイアス・アンド・カンパニー <6192> [東証M]が3日続急騰。東京証券取引所が14日の取引終了後、同社株を7月21日付でマザーズ市場から東証1部へ市場変更すると発表しており、これが好感された。

■メディカルN <3645>  534円 (+75円、+16.3%) 一時ストップ高

 メディカルネット <3645> [東証M]が一時ストップ高。同社は矯正歯科など保険外の自由診療歯科向け検索サイトを運営している。14日取引終了後に発表した21年5月期業績予想は営業利益が1億1000万円~2億円(前期実績は1億600万円)を予想しており、業績回復への期待が膨らんだ。また同日、岡山大学とITを活用した特許出願中の口臭センサーの開発を進めていることも発表しており、これも材料視される形となった。

■カネコ種苗 <1376>  1,466円 (+146円、+11.1%)

 東証1部の上昇率5位。カネコ種苗 <1376> が急反騰。14日の取引終了後に発表した21年5月期連結業績予想で、売上高595億円(前期比2.3%増)、営業利益15億5000万円(同4.2%増)、純利益11億5000万円(同2.5%増)と増収増益を見込んでいることが好感された。コロナ禍の影響による国内農家作付けの減少や輸出の滞りなどの懸念材料があるものの、種苗事業でキャベツ種子の輸出回復やカボチャ種子の国内販売の増加を見込む。また、施設材事業で、前期からの台風復旧需要が継続することや、前期低迷した遮光・灌水資材及び保温資材の需要回復による販売増、農材事業のシェアアップなどが寄与するとしている。なお、20年5月期業績は、売上高581億7900万円(前の期比0.7%減)、営業利益14億8700万円(同16.7%減)、純利益11億2200万円(同12.6%減)だった。

■Sansan <4443>  5,850円 (+570円、+10.8%)

 Sansan <4443> [東証M]が急反騰。14日の取引終了後に発表した21年5月期連結業績予想で、売上高157億6700万~163億200万円(前期比18.0~22.0%増)、営業利益7億5700万円~10億1000万円(同横ばい~33.4%増)と最大で33%営業増益を見込んでいることが好感された。主力の法人向けサービスで契約件数の拡大と契約当たり売上高の増加を見込む。成長率の再加速に向けた投資の強化を行うものの、前年並み以上の営業利益を確保する見通し。また、経常利益や最終利益も黒字を見込んでいるが、精緻化が困難であるとして非開示としている。なお、20年5月期決算は、売上高133億6200万円(前の期比30.9%増)、営業利益7億5700万円(前の期8億4900万円の赤字)、最終利益3億3900万円(同9億4500万円の赤字)だった。

■アルテック <9972>  281円 (+25円、+9.8%)

 東証1部の上昇率9位。アルテック <9972> が3連騰。特殊産業機械商社でパッケージ印刷に関連する装置を主力に扱っているほか、中国でペットボトル容器の製造事業も行っている。3Dプリンターなど次世代商品の取り扱いでも高実績を持つ。20年11月期営業利益は前期比15%増の7億円を会社側では見込んでいる。3円配当を実施しているにもかかわらず、PBR0.4倍前後と解散価値の半値以下に放置されており、前期実績一株純資産並みに買われた場合は600円台までの戻り余地があり水準訂正妙味が意識されたようだ。

■リネットJ <3556>  424円 (+33円、+8.4%)

 リネットジャパングループ <3556> [東証M]が急反発。15日の寄り前、運営するネット中古書店「ネットオフ」で、本やCD・DVD、ゲームソフトの中古メディアを取り扱う書籍メディア事業の6月度売り上げで、1日あたりの過去最高売り上げを更新したと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルスの影響により在宅時間が延び、自宅の片づけをする人が増え、宅配買取サービスの利用が増加した一方、自宅での余暇時間が増えることでネット通販を利用する人が増え、余暇時間を楽しむためにコミックなどの中古メディアを安く・多く手に入れられる同社のサービスが支持されたとみている。なお、これを受けて同社では、7月22日から「ご利用感謝大還元キャンペーン」を開催するとしている。

■東特線 <5807>  2,316円 (+173円、+8.1%)

 東京特殊電線 <5807> が急反発。15日午前10時30分ごろ、125℃の環境で使用可能な高耐熱フレキシブルフラットケーブル「LEAFCONN(リーフコン)」を開発したと発表しており、これが好感された。同製品は、高耐熱の材料と独自の構造により、125℃の環境下になる自動車の内部配線用や高速伝送が要求される画像信号伝送用として利用が可能であることが特徴。自動車は自動運転や電気自動車の普及により伝送する信号数が増大しており、それに伴いワイヤーハーネスの数量が増えることによる重量増加や配線スペースの課題が生じていることから、薄型で折り曲げ可能な同製品は軽量化や省スペース化にも貢献するとしている。

■マクビープラ <7095>  5,020円 (+345円、+7.4%)

 Macbee Planet <7095> [東証M]が4日続急伸。14日の取引終了後、東証が15日売買分から信用取引の臨時措置(委託保証金率を50%以上とする)を解除すると発表。日証金も増担保金徴収措置の解除を発表しており、資金流入の活発化を期待する買いなどが優勢となった。

■エディア <3935>  560円 (+38円、+7.3%)

 エディア <3935> [東証M]が3日ぶり急反発。15日前引け後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高5億8700万円(前年同期比7.1%減)、営業損益200万円の赤字(前年同期5600万円の赤字)、最終損益2000万円の赤字(同6500万円の赤字)となり、赤字幅が縮小していることが好感された。ゲームサービスで収益性のある既存タイトルが堅調に推移したことに加えて、BtoB受託案件の増加、子会社のライトノベルやドラマCD、グッズ販売などが好調に推移したことが寄与した。なお、21年2月期業績予想は引き続き未定としている。

■ロゼッタ <6182>  3,885円 (+215円、+5.9%)

 ロゼッタ <6182> [東証M] が3日ぶり急反発。14日大引け後に決算を発表。「3-5月期(1Q)経常は6%増益で着地」が好感された。21年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は前年同期比6.5%増の1.8億円に伸びた。

■JFE <5411>  821円 (+39円、+5.0%)

 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> が大幅反発したほか、日本製鉄 <5401> なども買われた。14日の米国株市場では景気敏感株中心に買いが入りNYダウが大幅高で3日続伸となったが、東京市場でも半導体対関連などと比較して出遅れていた鉄鋼セクターなど景気敏感株にリターンリバーサル狙いの買いが流入した。直近発表された6月の中国貿易統計などが市場コンセンサスを上回り、中国景気の回復期待が高まっている。中国政府によるインフラ拡大政策への期待なども鉄鋼株には追い風材料として働いた。

■いちご <2337>  264円 (+11円、+4.4%)

 いちご <2337> が大幅反発。不動産再生事業と太陽光発電を手掛けるが足もとの業績は苦戦しているものの、株価的には織り込みが進んでいた。14日取引終了後、21年2月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の62億円~129億円から74億円~129億円(上限で前期比53.5%減)に上方修正したほか、未定だった年間配当を7円としたことでこれを評価する買いを呼び込む格好となった。株価はマドを開けて買われ、25日移動平均線とのマイナスカイ離を一気に解消している。

■ファナック <6954>  21,070円 (+845円、+4.2%)

 ファナック <6954> など設備投資関連が総じて高い。ここ中国・上海株市場の上昇が注目を集めていたが、最近発表された同国の経済指標も好調な内容が相次いでおり景気回復への期待が高まっている。14日の米国株市場ではキャタピラーが5%近い上昇を示すなど中国向け売上高比率の高い銘柄の上昇が目立っており、東京市場でも同じ切り口でFA関連株に物色の矛先が向いた。ただ、一方では「香港国家安全維持法」を成立させた中国と米国の関係悪化が懸念されており、買い一巡後は伸び悩む可能性もある。

※15日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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