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【特集】飯野海運 Research Memo(7):2021年3月期は経常・最終増益予想


■今後の見通し

1. 2021年3月期連結業績予想
飯野海運<9119>の2021年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比1.3%減の88,000百万円、営業利益が同4.4%減の3,800百万円、経常利益が同4.2%増の3,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同18.8%増の4,500百万円としている。

新型コロナウイルス感染症による影響(2020年4月-9月の間継続することを前提)として、営業利益段階で約20億円(海運業で約16億円、不動産業で約4億円)のマイナス要因を見込み営業減益予想だが、営業外損益の改善や特別利益(海外子会社の清算結了による為替換算調整勘定実現)の計上で経常・最終増益予想としている。

前提となる平均為替レートは105.00円/米ドル(前期実績は109.13円/米ドル)で、1円変動による経常利益への影響額は106百万円としている。また平均燃料油価格(補油地:シンガポール)は305米ドル/MT(同412米ドル/MT)、適合油は400米ドル/MT(同598米ドル/MT)としている。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が2020年4月-9月の間継続することを前提としているため、上期の連結業績予想は売上高が42,000百万円、営業利益が1,100百万円、経常利益が1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が1,200百万円としており、下期偏重の計画となっている。

2. セグメント別見通し
セグメント別見通しは以下の通りである。

(1) 海運業は荷動き鈍化・市況低迷の懸念
海運業(外航海運業と内航・近海海運業の合計)の営業利益は前期比59.0%減の500百万円の計画としている。安定収益の積み上げと効率配船を推進するが、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済減速で荷動き鈍化・市況低迷が懸念され、約16億円のマイナス要因(ドライバルクキャリア及びケミカルタンカーの市況低迷・収益悪化で約11億円、入国規制などに伴う船舶ドック入り長期化に伴う労働コスト増加で約5億円)を見込んでいる。

なお、オイルタンカー、大型ガスキャリア及び内航・近海船は中長期契約を基本としているため、新型コロナウイルス感染症による大きな影響はない見込みだ。また、2020年1月適用開始のIMO船舶燃料硫黄分規制(SOx規制)強化に関しては、地球環境を守るために必要なコストとして規制適合燃料油使用によるコストアップを理解してもらい、荷主への転嫁が進んだ。

(2) 不動産業は飯野ビルディングが満室稼働
不動産業の営業利益は前期比19.8%増の3,300百万円の計画としている。新型コロナウイルス感染症によるイベント中止で、イイノホールやフォトスタジオの稼働減少によるマイナス影響約4億円を見込むが、主力の飯野ビルディングの新規テナント入居が2020年5月に完了して満室稼働となり、全体をけん引する。従来に比べて有利契約となったことや、2020年3月に取得した英国ロンドンのオフィスビルも寄与する見込みだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《ST》

 提供:フィスコ

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