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【特集】TDCソフト Research Memo(1):次世代型SI事業へと進化する独立系システムインテグレータ

TDCソフト <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

TDCソフト<4687>は、金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系システムインテグレータである。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、銀行、クレジット、保険などの金融ITソリューションが売上の5割強を占める。2020年3月期は中期経営計画「Shift to the Smart SI」の初年度として、次世代型システムインテグレーターを目指し、主要戦略である高付加価値SIサービスの追求・SIモデル変革に投資し、継続的な成長基盤を構築しつつ、業績は増収増益となった。

1. 2020年3月期の業績
2020年3月期の売上高は27,795百万円(前期比4.5%増)、営業利益2,206百万円(同2.3%増)、経常利益2,265百万円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円(同2.1%増)で着地した。売上高、営業利益については、過去最高を更新している。金融ITソリューション分野がけん引したほか、公共法人ITソリューション分野も順調である。

2. 今後の見通し
同社グループは2019年4月から2022年3月における中期経営計画「Shift to the Smart SI」において、「次世代型システムインテグレーター」を目指し、市場の潜在ニーズを捉え、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型のシステムインテグレーション(SI)事業へと進化することをビジョンに掲げている。2021年3月期についても、中期計画の方針を維持し、主要戦略である高付加価値SIサービスの追求、SIモデル変革を引き続き推進する。

3. 重点戦略分野
同社はアジャイル開発分野においては、アジャイル開発サービスの拡大に向け、グローバルシェア1位の大規模アジャイルフレームワークSAFeR※1を活用した組織へのアジャイル導入に向けたコンサルティングサービスや教育サービスを開始している。加えて、デファクトスタンダードであるScrum認定技術者※2を増員により強化されたシステム開発など、アジャイルに関するトータルソリューションの提供を推進している。また、拡大が予測されるセキュリティサービス市場において、CAGR4.3%と特に有望なコンサル・システム構築・運用管理・教育などの分野をターゲットに、セキュリティサービスをメニュー化し提供を開始している。なお、粗利益は通常のSIプロジェクトから+6%程度と、高収益ビジネスとして順調なスタートを切っている。さらに、ネットワークセキュリティ分野に強みを持つLTE-X社と資本・業務提携を行い、ネットワークセキュリティソリューションを提供開始するとともに、ローカル5Gを活用したSIサービスを開発している。

※1 SAFeR:米国Scaled Agile,Inc.が提供する、企業のアジリティを実現するためのアジャイルを含めたビジネスフレームワーク。企業が最短のリードタイムで重要かつ挑戦的な開発を継続的におこない、高品質で優れたソフトウェアおよびシステムを作り上げることをサポートする。SAFeRは大規模アジャイルフレームワークにおいて、グローバルでトップシェア(23%)を占めており、2位(4%)のSpotyfi MethodやNexusと比べると普及率が高いことがわかる。
※2 Scrum:小規模アジャイル開発手法のデファクトスタンダート。


■Key Points
・売上高の5割超を占める主力事業「金融ITソリューション分野」が牽引し、増収、増益
・中期計画の主要戦略「高付加価値SIサービスの追求」「SIモデル変革の推進」を推進
・重点戦略分野「アジャイル関連事業」「セキュリティ関連事業」が高付加価値SIサービスを牽引

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《ST》

 提供:フィスコ

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