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【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―米年金リバランスや雇用統計など警戒、短期的なショート戦略に向かいやすい

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

「米年金リバランスや雇用統計など警戒、短期的なショート戦略に向かいやすい」

 今週の日経225先物は、足元での保ち合いレンジ内(2万2000~2万2700円レベル)での推移が続く可能性が高そうだ。ただ、米国における新型コロナウイルス感染者数の増加や、米年金による四半期リバランスによる需給要因、さらには米雇用統計といった重要指標の発表を控えていることを鑑みると、レンジ下限レベルから200日移動平均線が位置する2万1800円辺りが意識される相場展開になりそうである。

 26日の米国市場では、 NYダウ ナスダック、S&P500などの主要株価指数が大幅に下落した。NYダウは2.84%の下落となり、一時2万5000ドルを割り込む場面もみられた。NYダウは6月半ばに付けた直近安値水準まで下げてきており、この水準を割り込んでくるとチャート形状が悪化する。また、S&P500が200日移動平均線を僅かに割り込んできたほか、高値更新をみせていたナスダックも支持線として機能している25日移動平均線まで調整している。いずれも足元での転換ポイントまで調整してきているため、日本市場も米国市場の動向に大きく振らされる可能性が高い。そのため、日中においてもグローベックスのNYダウ先物の推移に神経質にならざるを得ないだろう。

 26日の米国市場については、下落要因が2つある。1つは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていること、2つめは前日に金融セクターが買われた巻き戻しである。

 米国では1日当たりの新型コロナウイルス感染件数が約2カ月ぶりに過去最多を更新している。感染拡大は再び勢いづいており、経済の段階的再開が一部の州でストップしている。新型コロナ感染の再拡大が景気回復を鈍らせるとの懸念が強まっており、これが最大の重荷となる。一方で、ニューヨーク市では7月6日より第3段階の事業再開に移行する予定である。事業活動再開といったニュースヘッドラインなどにはポジティブに反応しやすいこともあり、ショートポジションも積み上げづらいところだ。

 また、金融セクターが買われた巻き戻しについては、前日に米監督当局が金融危機後に導入したボルカー・ルールの一部緩和を認めたことを受けて金融株を中心に買われていた。しかし、取引終了後には米連邦準備制度理事会(FRB)が、米主要銀行に対し少なくとも7-9月(第3四半期)まで増配や自社株買い再開の禁止を指示しており、26日の米国市場ではこれが嫌気される中で、巻き戻しの流れとなった。ただ、米金融株については、FRBの発表を受けて既に時間外で売られていたこともあり、織り込み済みの面はある。

 そのため、週明けはシカゴ先物清算値(2万2245円)にサヤ寄せする形から売りが先行することになろうが、売り直される流れにはならないだろう。

 需給面では、月末には米国年金による四半期リバランスが行われる。S&P500の上昇率をみても、株のパフォーマンスが強かったことから相当数の株売りが出てくると予想されている。リバランスに伴う売りが主要指数を押し下げる形となり、チャート形状を悪化させる可能性も意識され、週前半は手掛けづらくさせるだろう。そのため、日経225先物においては、レンジ内での推移ではあるが、戻り売りといった短期的なショート戦略に向かいやすい。リバランスも一服した7月から再び相場観を見直す流れとなりそうだ。

 米国では7月1日に6月ADP雇用統計、2日には6月雇用統計の発表がある。雇用統計は本来、週末発表となるが、独立記念日となる7月4日が土曜日のため、3日の金曜日が振替祝日となる。そのため、雇用統計の発表が2日に繰り上がっており、日本においては週末3日の売買に影響を与える。さらに海外勢は祝日の影響から参加者が限られるため、薄商いの中を短期筋による売り仕掛け的な売買に振らされやすくなる。オーバーウイークでポジションを持ちにくいことを考えると、日中において荒い値動きが意識されやすいところであろう。


――プレイバック・マーケット――

●SQ値
6月限 日経225 22,071.46  TOPIX  1550.43

◆日経225先物9月限(日中)
       始値   高値   安値   清算値 前日比
6月26日日中  22450  22530  22340  22420  +200
6月25日日中  22210  22360  22090  22220  -240
6月24日日中  22530  22610  22420  22460  -100
6月23日日中  22620  22690  22180  22560  +240
6月22日日中  22280  22510  22240  22320  -190
6月19日日中  22440  22510  22290  22510  +310
6月18日日中  22320  22370  22050  22200  -330
6月17日日中  22380  22530  22180  22530  +170
6月16日日中  22040  22570  22000  22360  +1010
6月15日日中  22000  22190  21330  21350  -790

◇TOPIX先物9月限(日中)
       始値   高値   安値   清算値 前日比
6月26日日中  1571.5  1579.5  1566.5  1572.5 +15.0
6月25日日中  1561.5  1568.5  1552.0  1557.5 -17.5
6月24日日中  1583.0  1584.0  1572.0  1575.0 -11.5
6月23日日中  1587.5  1596.0  1565.5  1586.5 +14.0
6月22日日中  1571.0  1584.0  1568.0  1572.5 -13.5
6月19日日中  1586.5  1588.0  1571.0  1586.0 +14.0
6月18日日中  1577.0  1583.0  1562.5  1572.0 -19.0
6月17日日中  1584.5  1591.0  1573.0  1591.0 +9.0
6月16日日中  1564.5  1594.5  1557.5  1582.0 +61.0
6月15日日中  1550.0  1570.5  1517.0  1521.0 -38.0

●シカゴ日経平均 円建て
         清算値 前日比
6月26日(9月限) 22245 -175
6月25日(9月限) 22450 +230
6月24日(9月限) 22225 -235
6月23日(9月限) 22505 -55
6月22日(9月限) 22550 +230
6月19日(9月限) 22290 -220
6月18日(9月限) 22350 +150
6月17日(9月限) 22460 -70
6月16日(9月限) 22345 -15
6月15日(9月限) 21915 +565
6月12日(9月限) 22150 +10  
6月11日(9月限) 21640 -670
6月10日(6月限) 22860 -160
6月9日 (6月限) 22890 -220
6月8日 (6月限) 23215 +25
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
      売り     前週末比   買い   前週末比  
6月19日  1兆8878億円  -480億円  3640億円 +786億円
6月12日  1兆9358億円 -3999億円  2853億円 -1746億円 
6月5日   2兆3357億円  -896億円  4600億円 -384億円
5月29日  2兆4254億円 -1453億円  4984億円 +317億円
5月22日  2兆5707億円  +732億円  4666億円 +156億円
5月15日  2兆4974億円 +1437億円  4509億円 -681億円
5月8日   2兆3537億円  +687億円  5191億円 +195億円
5月1日   2兆2850億円 -1275億円  4995億円 +223億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
     売り      前日比     買い     前日比 
6月24日  7億2554万株   -883万株  1億9280万株    +6万株
6月23日  7億3437万株   -881万株  1億9274万株   +541万株
6月22日  7億4319万株   -119万株  1億8733万株    +48万株
6月19日  7億4438万株   +528万株  1億8685万株   +284万株
6月18日  7億3909万株   -1176万株  1億8400万株   -162万株
6月17日  7億5085万株   -757万株  1億8563万株   +1720万株
6月16日  7億5843万株   -1370万株  1億6842万株   +1906万株
6月15日  7億7213万株   +1326万株  1億4936万株   +364万株
6月12日  7億5887万株 -1億3763万株  1億4571万株 -1億2451万株
6月11日  8億9651万株   -2169万株  2億7023万株   -734万株
6月10日  9億1820万株   +2553万株  2億7757万株   +4251万株
6月9日   8億9267万株   +2663万株  2億3505万株   +847万株
6月8日   8億6603万株   -2193万株  2億2658万株   -306万株
6月5日   8億8796万株   -653万株  2億2964万株    +94万株
6月4日   8億9449万株   -1106万株  2億2869万株   +751万株
6月3日   9億0556万株   -2802万株  2億2117万株   -3218万株
6月2日   9億3358万株   -2657万株  2億5336万株   +700万株
6月1日   9億6015万株   -337万株  2億4636万株   -334万株
5月29日  9億6353万株   -3599万株  2億4970万株   +1246万株
5月28日  9億9953万株   -4862万株  2億3724万株   +1061万株
5月27日  10億4816万株   -3457万株  2億2663万株   -569万株
5月26日  10億8273万株   -4434万株  2億3232万株   -975万株
5月25日  11億2708万株   +1778万株  2億4207万株    +98万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
6月11日 1001億円
6月12日 1001億円
6月18日 1001億円
6月19日 1001億円
6月25日 1001億円

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