【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):アステラス、三菱UFJ、出前館
アステラス <日足> 「株探」多機能チャートより
アステラス製薬<4503>が3日ぶりに反発。SMBC日興証券は25日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに目標株価を1900円から2100円に引き上げた。同社のPadcev(適応症・尿路上皮がん)やXospata(同・急性骨髄性白血病)の価値は、まだ完全に株価に織り込まれていないとみている。ピーク売上高はPadcevが約4700億円(29年3月期)、Xospataが約1000億円(30年3月期)と予想。これらの開発品の開発の進捗、売り上げ拡大がカタリストになると見込んでいる。また、これら開発品は現状で競合リスクが見当たらないことから、株価のダウンサイドリスクも少ないと分析している。
■三菱UFJ <8306> 432.3円 +5.6 円 (+1.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが買い優勢の展開となった。前日の米国株市場では米金融当局が2008年のサブプライム危機時に導入した金融規制の一部緩和を発表したことを受け、ゴールドマン・サックスが4.6%高に買われたほか、JPモルガンやシティグループなど大手金融株が大きく水準を切り上げ全体相場を牽引した。この流れが東京市場にも波及した。メガバンクは配当利回りが高くインカムゲインに着目する動きがあるほか、ここ株価調整局面が続いており値ごろ感からの買いも入りやすくなっていた。
■出前館 <2484> 1,567円 -153 円 (-8.9%) 本日終値
出前館<2484>は反落。25日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年9月~20年5月)連結決算が、売上高68億2200万円(前年同期比40.8%増)、営業損益16億800万円の赤字(前年同期2300万円の黒字)、最終損益18億7700万円の赤字(同600万円の赤字)と大幅営業赤字になったことが嫌気された。外出自粛の影響を大きく受けた飲食店からの問い合わせが急増した結果、自社で出前を行なっていないチェーン及び中小飲食店からの新規加盟が大幅に増加し、加盟店舗数が前年同期比25%増の約2万4000店へ、オーダー数が同25%増の約2605万件へそれぞれ増え、出前館サービス利用料が大幅に伸長した。また、直営拠点による配達件数の増加で配達代行手数料も急拡大した。ただ、事業拡大のためのコストの増加や広告宣伝費の増加などがあり、営業損益は大幅赤字となった。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響の算定が困難であるとして20年8月期の連結業績予想は未定としている。
■壱番屋 <7630> 4,850円 -160 円 (-3.2%) 本日終値
壱番屋<7630>は軟調に推移。同社は25日取引終了後に、21年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比19.0%減の103億2700万円、営業利益が同78.5%減の3億3000万円にとどまったことが影響したようだ。新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛や、各自治体からの要請に基づく店舗営業時間の短縮などの影響で、全店ベース及び既存店ベースともに売上高が前年同期に比べ減少したことが減収減益につながった。通期業績予想については、売上高が前期比12.6%減の450億円、営業利益が同57.2%減の22億3000万円とする従来計画を据え置いている。なお、同日には北米エリアでの事業を積極的に展開するため、米国に2社目となる子会社を設立したと発表しているが、今のところ材料視されるまでには至っていない。
■フルッタフルッタ <2586> 321円 +80 円 (+33.2%) ストップ高 本日終値
フルッタフルッタ<2586>はストップ高の321円に買われた。東京証券取引所が25日の取引終了後、同社株の上場廃止にかかる猶予期間入り銘柄の指定を解除すると発表しており、これが好感された。同社は19年3月期に債務超過の状況になったことから上場廃止にかかる猶予期間入り銘柄に指定されていたが、20年3月期に債務超過を解消したことから解除された。
■ビープラッツ <4381> 2,052円 +400 円 (+24.2%) ストップ高 本日終値
ビープラッツ<4381>がストップ高。同社はサブスクリプションを基盤とするプラットフォームシステムを提供している。25日取引終了後、NTTデータ<9613>が展開する電気事業者向けクラウドサービス「ECONO-CREA」にサブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats」が採用されたことを発表。また、サブスクリプション分野で協業を推進していくことも合わせて発表しており、これを材料視する買いが集中した。
■セキチュー <9976> 2,150円 +400 円 (+22.9%) ストップ高 本日終値
ホームセンター運営のセキチュー<9976>がストップ高。25日取引終了後に発表した21年2月期第1四半期(3~5月)の経常利益(非連結)が前年同期比2.1倍の5億2900万円に急拡大しており、これを好材料視する買いが入った。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、衛生用品や巣ごもり消費関連商品に特需が発生したことが収益を大きく押し上げた。第1四半期実績だけで、既に通期計画の2億8000万円を大きく上回っており、業績上振れは濃厚とみられる。
■丸文 <7537> 554円 +80 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
丸文<7537>がストップ高。同社は25日、革新的無線給電技術のIPベンダーである米オシア社と戦略的パートナーシップ契約を締結したことを明らかにした。オシア社特許を持つ空間伝送型ワイヤレス給電技術「Cota」のライセンス提供サービスを開始したとしており、これが材料視されたようだ。「Cota」は、ケーブル接続や充電パッドが不要で、無線技術を用いて同時に複数デバイスへ安全に電力供給することができる特許技術。同社はオシア社のパートナーとして日本企業にライセンス提供サービスと技術サポートを提供し、空間伝送型ワイヤレス給電の普及を通してスマートファクトリーやウェアラブルなどIoT技術の更なる発展に貢献するとしている。
■ジャステック <9717> 1,334円 +147 円 (+12.4%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
ジャステック<9717>が急反発し年初来高値を更新。25日の取引終了後に発表した第2四半期累計(19年12月~20年5月)単独決算が、売上高90億3400万円(前年同期比9.0%増)、営業利益13億1000万円(同21.8%増)、純利益9億4000万円(同25.1%増)と大幅増益となったことが好感された。素材・建設業、金融・保険業及び電力・運輸業にかかる開発案件が増加した。また原価率の改善や経費削減の取り組みなども奏功した。なお、20年11月期通期業績予想は、売上高184億500万円(前期比7.4%増)、営業利益23億200万円(同7.6%増)、純利益15億8200万円(同8.1%増)の従来見通しを据え置いている。
■アルファポリス <9467> 2,508円 +208 円 (+9.0%) 本日終値
アルファポリス<9467>が大幅続伸。きょう午後、人工知能(AI)を活用した新時代のヒットコンテンツの創出を目指して、東宝<9602>と「AI子守唄プロジェクト」を開始したと発表しており、これが好感された。同プロジェクトは、東宝との共同IP「ゆめレスキュー」の世界観をベースにAIを用いて「子守唄」を制作し、子供たちの寝かしつけに最大限の効果を発揮する「AI子守唄」を誕生させるというもの。また、同プロジェクトと並行して、アルファポリスは絵本「ゆめレスキュー」を刊行するとあわせて発表している。
株探ニュース