【特集】“新高値”相次ぐ、2-4月期【好決算】リスト〔第1弾〕22社選出 <成長株特集>
GAテクノ <日足> 「株探」多機能チャートより
株探集計によると、本決算月にかかわらず、2-4月期の決算発表を終えた166社のうち、経常損益が前年同期比で増益もしくは黒字転換した企業は56社にとどまった。下表では、この56社の中から、時価総額200億円以上の銘柄(下方修正した企業を除く)を22社ピックアップし、増益率の高い順に記した。
増益率トップとなったのはファーマフーズ <2929> [東証2]。2-4月期(第3四半期)の経常利益は過去最高益を92.2%も上回る13.5億円に急拡大して着地。機能性素材事業で主力の「ファーマギャバ」が国内最大手飲料メーカーの主軸ブランド商品に採用されたほか、「ボーンペップ」は中国の食品・乳業メーカー向けの需要が旺盛だった。また、OEM事業では自社の機能性食品素材を配合したヘルスケア企業向け栄養バーや通信販売企業向け飲料への製品供給が増加した。
2位のJMホールディングス <3539> は新型コロナウイルス感染拡大による内食需要の増加を背景に、スーパーマーケット事業の既存店売上高が好調に推移し、2-4月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比99.5%増の19.9億円に伸び、2四半期連続で最高益を更新した。第3四半期累計の同利益は48.5億円と通期計画(49.5億円)にほぼ到達しており、業績上振れが期待される。
3位のGA technologies <3491> [東証M]は中古不動産のマッチングサイト「Renosy」の新規会員数が大幅に増加するなか、不動産売買・仲介の成約数を伸ばし、2-4月期(第2四半期)は売上高147億円(前年同期比56.6%増)、経常利益3.9億円(同86.3%増)と業績高変化をみせた。また、不動産売却の媒介契約電子化や東電グループとの協業を発表したことなども評価され、株価は決算発表前の水準から7割以上も上昇している。
4位に入ったネオジャパン <3921> の2-4月期(第1四半期)は連結決算への移行で単独決算だった前年同期との単純比較はできないが、経常利益ベースで7割近い増益を達成した。業務効率化を目的とした企業のIT投資ニーズが高まるなか、主力のグループウエア「desknet's NEO」クラウド版のユーザー数が増加したほか、昨年10月に子会社化したシステム開発会社Pro-SPIREの業績上積みも収益を押し上げた。株価は青空圏を快走する展開が続く。
リストアップされた銘柄は上位4社をはじめ、決算発表後に年初来高値を更新する企業が目立つ。10位の神戸物産 <3038> は2-4月期(第2四半期)に2四半期連続の最高益更新を遂げた。主力とする「業務スーパー」の出店拡大効果やプライベートブランド商品がメディアに取り上げられたことに加え、内食需要が高まったこともプラスに働いた。
13位のHamee <3134> は巣ごもり消費やEC利用の拡大を背景に、モバイル機器関連アクセサリーのインターネット販売が好調だった。また、EC事業者向け業務支援システム「ネクストエンジン」の従量課金収入も伸び、2-4月期(第4四半期)経常利益は4四半期連続の2ケタ増益を達成した。
14位のラクーンホールディングス <3031> は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、企業間の卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」でマスクや除菌グッズの流通額が急増し、2-4月期(第4四半期)の経常利益は前年同期比14.7%増の1.7億円に伸びた。21年4月期は12期連続の最高益更新を目指す。
選出リストは内需関連が大半を占めたが、製造業では三井ハイテック <6966> が唯一リスト入りを果たした。2-4月期(第1四半期)は半導体パッケージの内部配線として使われるリードフレームを手掛ける電子部品事業の業績が急回復し、経常利益は1.8億円の黒字に浮上した。新型コロナウイルス禍を背景とする操業停止から早期回復した生産拠点を活用し供給不足に対応したことに加え、生産性向上や原価低減を進めたことが利益改善につながった。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対象 予想
コード 銘柄名 増益率 2-4月期 連続期数 四半期 PER
<2929> ファーマF 648 1353 1 3Q 71.8
<3539> JMHD 99.5 1991 2 3Q 24.0
<3491> GAテクノ 86.3 393 1 2Q 88.2
<3921> ネオジャパン 68.0 294 4 1Q 101
<8057> 内田洋 53.6 4477 1 3Q 19.9
<3854> アイル 41.2 387 9 3Q 40.6
<1928> 積水ハウス 36.2 47599 1 1Q 10.2
<8079> 正栄食 28.9 1641 3 2Q 24.7
<3480> JSB 25.2 4278 5 2Q 10.5
<3038> 神戸物産 23.4 6714 9 2Q 50.0
<3565> アセンテック 22.8 178 10 1Q 63.2
<4369> トリケミカル 20.8 1099 2 1Q 30.5
<3134> Hamee 20.4 360 4 4Q 21.2
<3031> ラクーンHD 14.7 179 8 4Q 38.5
<7034> プロレド 9.3 353 3 2Q 69.8
<9262> シルバライフ 3.3 279 1 3Q 35.4
<3733> ソフトウェア 0.6 1301 2 2Q 20.8
<1766> 東建コーポ 0.4 4542 2 4Q -
<8925> アルデプロ 黒転 1126 4 3Q 7.5
<3903> gumi 黒転 907 4 4Q -
<2590> DyDo 黒転 559 1 1Q -
<6966> 三井ハイテク 黒転 180 2 1Q -
※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期と比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。
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