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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):出光興産、トヨタ、LIXILグ

出光興産 <日足> 「株探」多機能チャートより
■出光興産 <5019>  2,429円  -32 円 (-1.3%)  本日終値
 出光興産<5019>が続落。大和証券は9日、同社株のレーティングを「1」から「3」へ2段階引き下げた。目標株価は2260円とした。19年11月公表の中期経営計画では下限配当1株160円を宣言しており、これを踏まえた高配当利回りの継続が期待されていた。しかし、5月の決算発表で21年3月期の会社配当計画を「未定」とし、決算電話会議で下限配当水準を含めた中期経営計画の見直しが言及された。同証券では、最低配当水準の見直しコメントは想定外とし、年間配当160円の維持や回復は難しいとの前提からレーティングを見直している。

■トヨタ自動車 <7203>  7,094円  -27 円 (-0.4%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>など自動車株が軟調。FOMCの結果発表を前に外国為替市場でドル円相場が荒い値動きとなっており、ここにきてドル安・円高が進行している。足もとは1ドル=107円70銭台での推移となったことで、輸出採算が悪化することへの懸念が自動車セクターへの売りを誘発した。ただ、トヨタは21年3月期に営業利益5000億円(前期実績は2兆4428億円)を計画しているが、想定為替レートは1ドル=105円で実勢より2円以上円高で設定されている。

■LIXILグループ <5938>  1,638円  -5 円 (-0.3%)  本日終値
 LIXILグループ<5938>は横ばい圏。SMBC日興証券は9日、同社株の投資評価「2」を継続した。目標株価は1500円(従来1550円)とした。ホームセンター事業を手掛ける上場子会社のLIXILビバ<3564>をアークランドサカモト<9842>に譲渡することが発表されたが、これに伴い、水回りおよび建材製品を2本柱とする事業構造はほぼ整い、改革は一歩前進したことを評価している。同証券では、コロナ収束後の主力2事業の成長に向けた取り組みに期待している。

■ASJ <2351>  1,725円  +300 円 (+21.1%) ストップ高   本日終値
 9日に発表した「『HotBiz』テレワーク機能を強化」が買い材料。
 クラウドグループウェア「HotBiz」でZoomとの連携やタスク管理などテレワーク機能を強化。

■トランスジェニック <2342>  479円  +80 円 (+20.1%) ストップ高   本日終値
 トランスジェニック<2342>はストップ高。9日の取引終了後、熊本大学及び群馬大学と共同で出願していた「炎症可視化マウス作製とその応用」が、米国特許庁から特許査定を受けたと発表しており、これが好感された。同特許は、自己免疫疾患、がん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病、老化などのさまざまな疾患に関連することが明らかになっている炎症マーカーとして注目されるIL-1βの産生を可視化し、生体レベルでの炎症反応を捉えることを可能にする炎症可視化マウス。同社では、モデルマウス製品ラインアップとして、病態可視化マウスの導入・開発に取り組んでおり、引き続き汎用性の高いモデルマウスの拡充を図るとしている。なお、同件による21年3月期業績への影響はないとしている。

■ライクキッズ <6065>  922円  +150 円 (+19.4%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率2位
 ライクキッズ<6065>はストップ高。9日の取引終了後、ライク<2462>が連結子会社であるライクキッズの完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の1005円にサヤ寄せする格好で買われた。ライクは現在、ライクキッズ株の50.10%を所有しているが、完全子会社化することで人員採用及び人材育成のノウハウの活用やコンテンツ開発力の活用、財務的な支援や信用力の補完などを進めるのが狙い。買付予定数は523万136株(下限124万205株、上限設定なし)で、買付期間は6月10日から7月21日まで。なおTOB成立後、ライクキッズは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、ライクキッズ株を6月9日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■DNAチップ研究所 <2397>  1,022円  +150 円 (+17.2%) ストップ高   本日終値
 DNAチップ研究所<2397>に人気が集中しストップ高に買われた。同社はマイクロアレイ受託解析サービスと次世代シークエンサーを活用した受託解析サービスを手掛け、診断事業では肺がんの遺伝子変異検査に力を入れている。肺がん細胞診検体を対象とした、遺伝子パネル解析技術の有用性の検証について、聖マリアンナ医科大学と共同研究契約を締結しており、5月20日に聖マリアンナ医科大学倫理審査委員会の承認を取得したことを受けて本格的な臨床研究を開始している。同社は既に、血液中に存在する微量の肺がん遺伝子の変異を検出する高感度検査法EGFRリキッドを開発し、昨年7月10日に厚生労働省への承認申請を行っている。

■ホットリンク <3680>  552円  +80 円 (+17.0%) ストップ高   本日終値
 ホットリンク<3680>がストップ高。同社はディープラーニングなどを活用したビッグデータ解析ツールを駆使してSNSマーケティング支援ビジネスを展開している。アフターコロナで活躍余地の高い人工知能(AI)関連株の一角としてマーケットの注目度が高い。同社の米国子会社が世界最大級の知識共有プラットフォームQuoraと独占的データパートナーシップを締結するなど提携政略も積極推進しており、業容拡大効果に期待する買いも呼び込んでいる。

■VALUENEX <4422>  1,835円  +210 円 (+12.9%) 一時ストップ高   本日終値
 VALUENEX<4422>は急反騰し、一時ストップ高。きょう取引時間中、同社のビッグデータ俯瞰(ふかん)解析ツールDocRadarで解析した俯瞰図と解説をセットにした俯瞰解析結果の提供を開始したと発表しており、これが買いを集めたようだ。第1弾として、遠隔・予測医療 (医療系人工知能含む) の俯瞰解析結果を提供する。これにより、同社コンサルタントが作成した俯瞰図をウェブブラウザ上で表示し、時系列や企業別などの視点で細かく見ることで、遠隔医療のトレンド把握や文献の関係性が高精度で把握でき、企業のビジネスに生かせるという。また、ビッグデータ解析に興味はあるが、目的に合った情報を集めて解析することが難しい、あるいはその時間を確保できないといった課題を解決することができるとしている。

■マルマエ <6264>  1,012円  +71 円 (+7.6%)  本日終値
 マルマエ<6264>が後場大口の買い注文が入り、カイ気配スタートとなり一気に4ケタ大台に乗せてきた。半導体製造装置向け精密部品の加工を手掛け、次世代通信規格5Gの普及などを背景とした半導体メモリー市況の回復が収益に追い風となっている。同社は10日、前場取引終了後に20年8月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の6億5000万円から8億5800万円(前期比73%増)に大幅増額しており、これを材料視する買いが集中する格好となった。

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