【材料】イルグルム 上期決算は順調、通期の大幅増収増益計画は不変、コロナの影響は軽微
アルファ・ウイン・キャピタル株式会社は、株式会社イルグルム(東証マザーズ上場、コード:<3690>、岩田進社長)の2020年9月期第2四半期決算発表を踏まえ、調査レポートを発行した。要旨は以下の通り。
事業内容
・株式会社イルグルム(以下、同社)は、インターネットマーケティング関連のソフトウエアの企画、開発、販売を行うマーケティングテクノロジーカンパニーである。岩田社長が大学時代に起業し、2001年に同社を設立。
・主力製品は、独自開発のインターネット広告効果測定システムで、ニッチ分野のリーディングカンパニーである。クラウド形式で中堅・大手企業向けに提供している。また、同社の主力ビジネスは、ストック型のサブスクリプションモデルで、定額の継続課金を基本とし、顧客数の増加に伴い売上高と収益を安定的かつ、持続的に拡大できる構造である。
・これまでビジネスモデルの転換と事業ポートフォリオの選択と集中を行ってきたが、先行投資が一巡し収益力が高まるステージに入りつつある。
・2014年9月に、東証マザーズに上場。なお、同社は2019年8月1日に、株式会社ロックオンから株式会社イルグルム(英語表記:YRGLM Inc.)へ商号を変更した。
競争力
・当分野の先端技術に精通した社長の経営手腕、実績と充実した機能を持つ製品、並びに継続的に蓄積してきたビックデータの保有と活用が同社の強みである。シナジー効果が見込める関連事業を相次いで買収。広告効果測定システムツール(アドエビス)では、5年連続業界NO1。直近ではオプトからADPLAN事業を買収しシェアは65.9%と圧倒的。今後は価格支配力が高まると推測される。
経営戦略
・中長期的には、インターネットマーケティングを自動化・効率化する「マーケティングロボット戦略」を掲げ、広告計測から分析・活用へと、また海外展開へと事業領域を総合的に拡大する方針。M&Aや周辺事業への展開、他社との連携も積極的に進め成長を加速する意向。
今上期決算実績、及び今期と中期の業績予想
・今上期の連結決算(2020/9期第2四半期累計)は、売上高が前年同期比14.2%増加の1,235百万円、営業利益が同239.2%増加の71百万円と大幅な増収増益となった。なお、前年上期は特損が発生し純利益は△46百万円の赤字となったが、今上期は45百万円と黒字化した。
・また、今年2月7日に公表した、「売上高27億円、営業利益2億円、当期純利益1.3億円、期末配当は未定」とする同社の通期見通しに変更はない。上期の通期会社計画に対する進捗率は、売上高が45.7%(前上期は49.0%)、営業利益では35.7%(同25.0%)。上期の業績予想は非公表であったが、ほぼ会社想定通りに着地した。
・マーケティングプラットフォーム事業のコアであるアドエビスが、ADPLAN事業を取り込んだこともあり、順調にアカウント数を伸ばしたことと、料金改定により平均単価が上昇したことが成長を牽引している。
・また、広告効果の効率性が一層求められECなどの非対面ビジネスからの需要が堅調であること、ストック型のビジネスモデルが中心で継続性・安定性が高いこと、同社の業務がテレワーク等との親和性が高いこと等から、新コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は軽微にとどまっている。
・下期も主力製品であるアドエビスの売上高が伸長することに加えて、一層のコスト改善が見込まれ、通期では会社計画並みの二桁の増収と大幅な増益、最終利益の黒字転換を当部では見込んでいる。
・同社が経営資源を集中投下しているインターネットマーケティング関連分野は、中長期的にも成長ポテンシャルが大きく、同社は年率二桁の売上高成長が見込まれる。中長期的には事業拡大に向けた先行投資も継続すると思われコストコントロール次第とはなるが、利益率は改善する方向にあり、増収率を上回る年率20~30%の利益成長が可能であると当部では考えている。
株価水準と特徴
・アドテク関連の内需成長株。事業の再編過程で減益・赤字となり下落トレンドであった株価は、近年の業績回復を受けボトムアウトし、1,000円から2,000円のボックスレンジで推移している。2020年1~4月の足元の業績は堅調であること、新型コロナ禍の厳しい経済環境下でも同社が通期業績予想を据え置いたこと、また収益のV字回復の確度が高まりつつあることから、下値不安は和らいでいる。新型コロナによる株価の暴落後の反騰局面では、東証マザーズおよびTOPIXをアウトパフォームしている。類似会社と今期ベースでのバリュエーションを比較すると割安感はない。今後は、四半期の損益動向やM&A・提携の発表、中期的な利益水準の見通し、復配のタイミングが株価に影響を与えると思われる。
株主還元
・前期及び前々期は、最終赤字のため無配となった。今期の配当は、未定と同社は公表している。復配の可能性は低く、来々期以降に持ち越されると思われる。現在、再成長ステージにあるため資金の社外流出よりも成長投資を優先し、業績回復によって株主価値を高めたいと同社は考えている。
レポートはこちら
(出典)株式会社ウイルズ
株探ニュース
事業内容
・株式会社イルグルム(以下、同社)は、インターネットマーケティング関連のソフトウエアの企画、開発、販売を行うマーケティングテクノロジーカンパニーである。岩田社長が大学時代に起業し、2001年に同社を設立。
・主力製品は、独自開発のインターネット広告効果測定システムで、ニッチ分野のリーディングカンパニーである。クラウド形式で中堅・大手企業向けに提供している。また、同社の主力ビジネスは、ストック型のサブスクリプションモデルで、定額の継続課金を基本とし、顧客数の増加に伴い売上高と収益を安定的かつ、持続的に拡大できる構造である。
・これまでビジネスモデルの転換と事業ポートフォリオの選択と集中を行ってきたが、先行投資が一巡し収益力が高まるステージに入りつつある。
・2014年9月に、東証マザーズに上場。なお、同社は2019年8月1日に、株式会社ロックオンから株式会社イルグルム(英語表記:YRGLM Inc.)へ商号を変更した。
競争力
・当分野の先端技術に精通した社長の経営手腕、実績と充実した機能を持つ製品、並びに継続的に蓄積してきたビックデータの保有と活用が同社の強みである。シナジー効果が見込める関連事業を相次いで買収。広告効果測定システムツール(アドエビス)では、5年連続業界NO1。直近ではオプトからADPLAN事業を買収しシェアは65.9%と圧倒的。今後は価格支配力が高まると推測される。
経営戦略
・中長期的には、インターネットマーケティングを自動化・効率化する「マーケティングロボット戦略」を掲げ、広告計測から分析・活用へと、また海外展開へと事業領域を総合的に拡大する方針。M&Aや周辺事業への展開、他社との連携も積極的に進め成長を加速する意向。
今上期決算実績、及び今期と中期の業績予想
・今上期の連結決算(2020/9期第2四半期累計)は、売上高が前年同期比14.2%増加の1,235百万円、営業利益が同239.2%増加の71百万円と大幅な増収増益となった。なお、前年上期は特損が発生し純利益は△46百万円の赤字となったが、今上期は45百万円と黒字化した。
・また、今年2月7日に公表した、「売上高27億円、営業利益2億円、当期純利益1.3億円、期末配当は未定」とする同社の通期見通しに変更はない。上期の通期会社計画に対する進捗率は、売上高が45.7%(前上期は49.0%)、営業利益では35.7%(同25.0%)。上期の業績予想は非公表であったが、ほぼ会社想定通りに着地した。
・マーケティングプラットフォーム事業のコアであるアドエビスが、ADPLAN事業を取り込んだこともあり、順調にアカウント数を伸ばしたことと、料金改定により平均単価が上昇したことが成長を牽引している。
・また、広告効果の効率性が一層求められECなどの非対面ビジネスからの需要が堅調であること、ストック型のビジネスモデルが中心で継続性・安定性が高いこと、同社の業務がテレワーク等との親和性が高いこと等から、新コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は軽微にとどまっている。
・下期も主力製品であるアドエビスの売上高が伸長することに加えて、一層のコスト改善が見込まれ、通期では会社計画並みの二桁の増収と大幅な増益、最終利益の黒字転換を当部では見込んでいる。
・同社が経営資源を集中投下しているインターネットマーケティング関連分野は、中長期的にも成長ポテンシャルが大きく、同社は年率二桁の売上高成長が見込まれる。中長期的には事業拡大に向けた先行投資も継続すると思われコストコントロール次第とはなるが、利益率は改善する方向にあり、増収率を上回る年率20~30%の利益成長が可能であると当部では考えている。
株価水準と特徴
・アドテク関連の内需成長株。事業の再編過程で減益・赤字となり下落トレンドであった株価は、近年の業績回復を受けボトムアウトし、1,000円から2,000円のボックスレンジで推移している。2020年1~4月の足元の業績は堅調であること、新型コロナ禍の厳しい経済環境下でも同社が通期業績予想を据え置いたこと、また収益のV字回復の確度が高まりつつあることから、下値不安は和らいでいる。新型コロナによる株価の暴落後の反騰局面では、東証マザーズおよびTOPIXをアウトパフォームしている。類似会社と今期ベースでのバリュエーションを比較すると割安感はない。今後は、四半期の損益動向やM&A・提携の発表、中期的な利益水準の見通し、復配のタイミングが株価に影響を与えると思われる。
株主還元
・前期及び前々期は、最終赤字のため無配となった。今期の配当は、未定と同社は公表している。復配の可能性は低く、来々期以降に持ち越されると思われる。現在、再成長ステージにあるため資金の社外流出よりも成長投資を優先し、業績回復によって株主価値を高めたいと同社は考えている。
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(出典)株式会社ウイルズ
株探ニュース