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【市況】19日の米国市場ダイジェスト:NYダウ390ドル安、ウイルスワクチンへの期待が後退

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウ390ドル安、ウイルスワクチンへの期待が後退

米国株式相場は反落。ダウ平均は390.51ドル安の24206.86ドル、ナスダックは49.72ポイント安の9185.11ポイントで取引を終了した。前日の大幅上昇を受けた利益確定売りで、下落して寄り付いたものの、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委員会での証言で追加措置の可能性を示唆したほかムニューシン米財務長官が中間層対象の減税の可能性に言及したことが好感され、前日終値を挟んでもみ合う展開となった。しかし、引けにかけてはモデルナ(MRNA)が開発中のウイルスワクチンへの懐疑的な報道が嫌気され急落した。セクター別では、銀行、エネルギーが大きく下げた一方で、メディア・娯楽の下げは最小にとどまった。

小売り大手のウォールマート(WMT)は、決算が好感され上昇して寄り付いたが、その後利食いに押された。ホームセンターのホームデポ(HD)は、第1四半期決算でウイルス対策のコストが嵩み、利益が予想を下回ったことが嫌気され下落した。バイオ製薬のモデルナ(MRNA)は、12億5000万ドル(約1340億円)規模の公募増資を発表したほか、一部メディアが同社開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの有効性を判断するにはデータが不十分と報じ急落した。一方で、ソーシャルネットワークのフェイスブック(FB)は、中小企業向けのショッピングサイトを立ち上げたと発表し上昇した。

クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、ナスダックやニューヨーク証券取引所に上場している中国企業を厳しく取り締まる必要があると指摘した。ナスダックは19日、中国のコーヒーチェーンのラッキンコーヒーに対して上場廃止を通知した。

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■NY為替:ドル・円は上げ渋り、パウエルFRB議長が追加措置の可能性を示唆

19日のニューヨーク外為市場でドル・円は107円63銭から108円09銭まで上昇後、107円70銭まで弱含み、107円70銭で引けた。日本銀行の臨時会合開催で追加緩和観測が広がり、円売りが一時強まった。その後、パウエルFRB議長が上院銀行委員会での証言で低金利維持や追加措置の可能性を示唆したため米債利回り低下に伴いドル売りが強まった。

ユーロ・ドルは1.0953ドルから1.0919ドルまで下落して1.0923ドルで引けた。景気悪化への懸念や英国政府のグルーバル関税計画が域内経済に不利になると警戒したユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は118円20銭まで上昇後、117円63銭まで下落した。ポンド・ドルは1.2224ドルから1.2296ドルまで上昇。英国政府が発表した完全離脱後の関税引き下げ計画を好感したポンド買いが優勢となった。ドル・スイスは0.9699フランまで下落後、0.9728フランまで上昇した。


■NY原油:続伸で31.96ドル、米国株安を意識して上げ幅は縮小

NY原油先物7月限は続伸(NYMEX原油7月限終値:31.96 ↑0.31)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.31ドルの1バレル=31.96ドルで取引を終えた。取引レンジは31.13ドル-32.91ドル。19日のアジア市場で32.91ドルまで一段高となったが、その後は上げ渋り。ニューヨーク市場で一時32.50ドルまで戻したが、米国株安を意識した利食い売りが増えたことで上げ幅は縮小した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 22.21ドル -0.72ドル(-3.14%)
モルガン・スタンレー(MS) 39.33ドル -0.95ドル(-2.36%)
ゴールドマン・サックス(GS)177.83ドル -4.05ドル(-2.23%)
インテル(INTC) 60.29ドル +0.37ドル(+0.62%)
アップル(AAPL) 313.14ドル -1.82ドル(-0.58%)
アルファベット(GOOG) 1373.49ドル -10.46ドル(-0.76%)
フェイスブック(FB) 216.88ドル +3.69ドル(+1.73%)
キャタピラー(CAT) 112.08ドル -2.94ドル(-2.56%)
アルコア(AA) 7.74ドル -0.06ドル(-0.77%)
ウォルマート(WMT) 124.95ドル -2.71ドル(-2.12%)

《SF》

 提供:フィスコ

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