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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):科研薬、任天堂、ワールド

任天堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
■科研製薬 <4521>  5,740円  -420 円 (-6.8%)  本日終値  東証1部 下落率9位
 科研製薬<4521>が急反落。この日、米アーバー社から日本における開発および事業化の権利を取得し、アタマジラミ症を対象とした臨床試験を現在実施中の「イベルメクチン0.5%外用剤」について、「新型コロナウイルス感染症の治療を関連付けるような報道が一部にあったが、現時点でそのための研究開発は行っていない」とのコメントを発表しており、失望売りがでたようだ。

■任天堂 <7974>  44,300円  -1,800 円 (-3.9%)  本日終値
 任天堂<7974>が大幅反落。7日の取引終了後に発表した21年3月期の連結業績予想で、売上高1兆2000億円(前期比8.3%減)、営業利益3000億円(同14.9%減)、純利益2000億円(同22.7%減)と減収減益を見込んでおり、これまで巣ごもり関連として業績への期待も高かっただけに、失望売りを誘ったようだ。今期は「ニンテンドースイッチ」本体は1900万台(前期比9.6%減)、関連ソフト1億4000万本(同17.0%減)の販売を予定。また、想定為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=115円としている。年間配当は前期比250円減の840円を予定している。なお、20年3月期決算は、売上高1兆3085億円(前の期比9.0%増)、営業利益3523億7000万円(同41.1%増)、純利益2586億4100万円(同33.3%増)だった。「スイッチ」本体の販売台数が2103万台(前の期比24.0%増)となったほか、「ポケットモンスターソード・シールド」(販売本数1737万本)、「あつまれ どうぶつの森」(同1177万本)、「マリオカート8 デラックス」(同808万本)などの貢献で「スイッチ」関連ソフトの販売本数が1億6872万本(前の期比42.3%増)と増加したことが寄与した。

■ワールド <3612>  1,239円  -38 円 (-3.0%)  本日終値
 ワールド<3612>はしっかり。7日の取引終了後、新型コロナウイルスの対策支援として、医療用ガウン(アイソレーションガウン)とマスクの生産を開始すると発表したことが好感された。今回生産を開始する医療用ガウンは、政府の要請に応じたもので、子会社ワールドプロダクションパートナーズ主導で国内6カ所の自社工場を中心に生産を行う。一方のマスクは、社内で企画開発した国内の工場生産の「洗える抗ウイルスマスク」とスウェーデンのポリジン社が開発した抗菌防臭加工技術「ポリジン」を活用した布マスク、及びBFE(細菌ろ過効率)95%以上、PFE(微粒子ろ過効率)90%以上のサージカルマスクの3種のマスクの供給準備を整えているという。5月中旬をメドに「ワールドプレミアムクラブ」会員を対象にマスク販売の案内を開始し、その後、十分な生産準備が整い次第、オンラインストアを通じて一般客に向けた予約販売や一般企業・官公庁向け販売を行うとしている。なお、同時に発表した20年3月期連結決算は、売上高2362億6500万円(前の期比5.4%減)、営業利益123億1400万円(同16.9%減)、最終利益80億3800万円(同12.6%減)だった。なお、21年3月期業績予想は売上高1990億円(前期比15.8%減)、営業損益71億9000万円の赤字、最終損益60億4500万円の赤字を見込んでいる。

■識学 <7049>  1,017円  +150 円 (+17.3%) ストップ高   本日終値
 識学<7049>はストップ高。企業の幹部層向けなどに独自理論である「識学」に基づいた経営コンサルティングを提供、人材紹介ビジネスも手掛ける。アフターコロナで経営のカオスが予想されるなか、同社の活躍余地が高まるとの見方がある。業務支援やセールステック事業を展開するアイドマ・ホールディングスと事業提携したことで展開力が増しているほか、株式需給面では投資運用会社大手のアセットマネジメントOneが同社株を買い増す動きをみせており、株高思惑につながった。

■AmidAH <7671>  1,070円  +150 円 (+16.3%) ストップ高   本日終値
 AmidAホールディングス<7671>がストップ高。7日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年7月~20年3月)連結決算が、売上高21億9700万円(前年同期比6.9%増)、営業利益2億1800万円(同33.2%増)、純利益2億100万円(同98.0%増)と大幅増益となり、営業利益・純利益が通期計画を上回ったことが好感された。「印鑑うんちく事典」など情報系サイトへの訪問客数の増加やキーワード検索順位の安定化で、グループサイト全体の流入数が増加傾向で推移した。これに加えて、「ハンコヤドットコムサイト」など販売系サイトの自然検索順位が上位で安定し、受注件数が前年同期比4.0%増となったことが牽引した。なお、20年6月期通期業績予想は、売上高28億3200万円(前期比4.2%増)、営業利益1億6300万円(同29.7%減)、純利益1億5200万円(同2.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■PSS <7707>  1,097円  +150 円 (+15.8%) ストップ高   本日終値
 プレシジョン・システム・サイエンス<7707>が前日ストップ高したのに続き、この日もストップ高の1097円に買われた。新型コロナウイルスの感染拡大に対して、政府がPCR検査体制の拡充を進めるなか、改めて同社の全自動リアルタイムPCR測定システム「geneLEAD」への関心が高まっている。同製品は、フランスに本拠を構えるエリテック社ブランドとしてOEM供給し、主に欧州で展開しているが、日本では未販売となっている。同社では日本でも医療機器として販売できるよう手続きを進めており、承認申請があった場合、短期間で承認されるとみられている。

■アイ・ピー・エス <4390>  1,159円  +153 円 (+15.2%)  本日終値
 アイピーエス<4390>が急騰。7日取引終了後、オーストラリア最大手通信事業者Telstra社の海外部門子会社が保有する海底ケーブルの一部の使用権(香港-フィリピン間、フィリピン-シンガポール間)を取得することで合意したと発表しており、これを好感する買いが向かった。同社は関係各国の通信事業者と提携して、今年7月中に、香港―フィリピン―シンガポールの海底ケーブルを使って、フィリピンのケーブルテレビ事業者などに対して国際回線のリースや国際通信サービスを廉価で提供する予定という。これにより、これまでPLDT社とGlobe Telecomのみが保有していた海底ケーブルの権利を取得して、フィリピンと海外を結ぶ国際通信回線の運用に参入する計画としている。

■岩崎電気 <6924>  1,489円  +152 円 (+11.4%)  本日終値
 岩崎電気<6924>が急伸。一時、前日比183円(13.7%)高の1520円に買われた。7日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が580億円から590億円(前の期比9.2%増)へ、営業利益が26億円から36億円(同2.5倍)へ、純利益が16億円から26億円(同2.3倍)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。照明事業で国内における照明機器が好調に推移し、特にLED道路灯、LEDトンネル器具など屋外用照明器具が計画を上回ったことが要因。また光・環境事業の情報機器関連で、無停電電源装置が予測以上の納入となったことも寄与した。

■蛇の目ミシン工業 <6445>  419円  +41 円 (+10.9%)  本日終値
 蛇の目ミシン工業<6445>が大幅続伸。一時、前日比47円(12.4%)高の425円に買われ、年初来高値を更新した。7日の取引終了後、、集計中の20年3月期連結業績について、営業利益が7億円から11億円(前の期比4.3%減)へ、純利益が2億円から4億5000万円(同48.9%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は350億円(同8.3%減)とほぼ計画通りとなったものの、家庭用機器事業で海外向け新製品が高い評価を得るなど、高付加価値製品の売れ行きが想定を上回ったことが寄与した。また、新型コロナウイルスの影響により予期した以上の影響を被ったものの、一方で世界的に外出自粛の動きが出るなか家での過ごし方に注目が集まり、またマスク不足という背景からミシンを使った手作りマスクに関心が寄せられるなど、ミシンが取り上げられる機会が増えたこともプラスに働いた。

■金下建設 <1897>  4,505円  +355 円 (+8.6%)  本日終値
 金下建設<1897>が急伸。前引け後に、20年12月期の連結業績予想について、営業利益を1億4000万円から3億2000万円(前期比2.2倍)へ、純利益を1億6000万円から2億6000万円(同38.2%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は110億円(同6.0%減)を据え置いたものの、足もとで追加変更工事の増加により売上高が堅調に推移していることに加えて、工事採算の改善に伴う完成工事総利益の増加が利益を押し上げるという。なお、同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高37億3600万円(前年同期比25.8%増)、営業利益4億3100万円(同4.4倍)、純利益2億5200万円(同7.9倍)だった。

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