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【市況】指数こう着で個別物色も手掛けづらさ強める/後場の投資戦略

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

日経平均 : 19039.91 (+89.73)
TOPIX  : 1411.44 (+8.23)

[後場の投資戦略]

 日経平均はプラス圏で前場を折り返したが、上値の重さも感じさせる動きで、朝方には下げ幅を200円超に広げる場面があった。ファーストリテとエムスリーの2銘柄で約85円の押し上げ要因となっており、これらがなければ前日比ほぼ変わらずといったところ。売買代金上位ではやや値下がり銘柄が多い印象で、業種別では内需・ディフェンシブセクターが堅調、一方で原油相場急落などから商品関連セクターが軟調だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりと前日よりやや減っている。

 日経平均の日足チャートを見ると、前日高値(19162.52円)を前に伸び悩む一方、18650円近辺に位置する25日移動平均線が下値を支える格好で、ややこう着感を強めている。海外で新型コロナ拡大への懸念が和らいでいることから、断続的に株価指数先物の買い戻しが入っているとみられるが、3月下旬の戻り局面で壁となった19000円超の水準で積極的に買い上がろうとする向きも少ないことが窺える。やはり国内外での新型コロナの経済・企業業績への影響や、緊急事態宣言が発令された日本の感染者数推移を見極めたいとのムードが強い。前日に当欄で述べた、「19000円超」の壁突破にはなお時間を要するとの見方に変更はない。

 セクターや個別株でも、一段の上値追いへの警戒ムードが広がったり、戻りが鈍くなったりし、前日までの上昇の「リターン・リバーサル」的な流れとなっているようだ。株価指数がこう着感を強めれば、当面は日替わりでの資金循環となりそうだ。中小型株でもこれまで賑わっていた「テレワーク」「遠隔医療」といったテーマ株に利益確定の売りが出ている。一方でジャスダックの低位株が賑わっているところを見ると、個人投資家の物色にも手詰まり感が出てきていると考えられる。手掛けづらい相場と言えるだろう。(小林大純)
《AK》

 提供:フィスコ

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