【市況】今週の【早わかり株式市況】2週ぶり大幅反落、ロックダウン警戒で外国人による先物主導の売り
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりの大幅反落、週間の下げ幅は1560円強に
2.前週に急反発した反動で利益確定売りが先行、一時1万7600円台に下落
3.新型コロナの感染拡大懸念でロックダウンへの警戒感が強い
4.外国人による先物主導の展開が続く、戻り局面では売りが膨らんだ
5.週末3日には原油高もあり日経平均は上昇もわずか1円高で、値上がりはこの日のみ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比1569円(8.09%)安の1万7820円と2週ぶりに大幅反落となった。
前週が2830円強の大幅高となり、1万9000円台に乗せた反動もあり、今週は利益確定売りが先行し軟調展開。値上がりしたのは、原油高も追い風となり1円高となった週末の4月3日のみだった。日経平均は2日に一時1万7700円台まで下落した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)への警戒感は強く、外国人投資家による先物主導で相場が振り回される展開が続いた。
3月30日(月)は日経平均が304円安でスタート。前週末のNYダウ が米国内での新型コロナの感染拡大が嫌気され900ドルを超す下落となり、東京市場も売りが膨らんだ。一時800円を超す下落となったが、日銀のETF買いへの期待もあり、引けにかけ下げ幅は縮小した。31日(火)は167円安。NYダウは大きく切り返したが、東京市場では新型コロナによるロックダウン懸念もあり、日経平均は値を下げ1万9000円台を割り込んだ。4月1日(水)は新年度入りとなったが、売りが膨らみ851円と大幅安。一時1万8000円台を割った。3月の日銀短観は大企業製造業DIが7年ぶりにマイナスに転落したことも警戒された。2日(木)は246円安で8営業日ぶりに1万8000円を割り込んだ。前日のNYダウが再び900ドルを超す大幅安となったことが嫌気された。日経平均の下げ幅は一時350円を超える場面があった。3日(金)はわずか1円高。前日のNYダウは原油高を好感し大幅反発。これを受けて日経平均も朝方は上昇したが、買い一巡後は値を消し日経平均は一時1万7600円台半ばまで売られた。ただ、大引けにかけ先物主導で急速に値を戻し辛うじてプラス圏で取引を終えた。
■来週のポイント
来週も弱含みの相場が続きそうだ。もし緊急事態宣言の発令やコロナ感染者がさらに急増した場合は2番底を探る展開になるとみられる。
重要イベントとしては、国内では7日発表の2月景気動向指数や8日朝に発表される2月機械受注統計が注目される。海外では10日に発表される中国3月の消費者物価指数と生産者物価指数や、米国3月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(3月30日~4月3日)
【↓】 3月30日(月)―― 反落、新型コロナの世界的な感染拡大を警戒
日経平均 19084.97( -304.46) 売買高19億2444万株 売買代金 3兆1480億円
【↓】 3月31日(火)―― 続落、朝高も新型コロナの感染拡大懸念で値を崩す
日経平均 18917.01( -167.96) 売買高18億6245万株 売買代金 3兆0802億円
【↓】 4月 1日(水)―― 3日続落、米株安や新型コロナ感染拡大の長期化を懸念
日経平均 18065.41( -851.60) 売買高16億6142万株 売買代金 2兆7205億円
【↓】 4月 2日(木)―― 4日続落、NYダウ急落を受け1万8000円割れ
日経平均 17818.72( -246.69) 売買高16億4426万株 売買代金 2兆5703億円
【↑】 4月 3日(金)―― 5日ぶり小反発、引けにかけ先物主導で買い戻し
日経平均 17820.19( +1.47) 売買高14億9911万株 売買代金 2兆3669億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、32業種が下落
(2)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運業が値下がり率トップ
(3)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株が大幅反落
(4)トヨタ <7203> 自動車、コマツ <6301> など機械、ソニー <6758> など電機といった輸出株も大きく売られた
(5)AGC <5201> などガラス・土石、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった素材株も安い
(6)大和ハウス <1925> など建設、菱地所 <8802> など不動産、楽天 <4755> などサービスといった内需株も軟調
(7)唯一、原油高で国際石開帝石 <1605> など鉱業が上昇
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(4) テレワーク ── ロックダウン前夜、対コロナ“重大局面”打破託す
2(2) コロナウイルス
3(19) 遠隔医療 ─── 政府がオンライン診療を初診にも広げることを検討
4(4) 巣ごもり
5(5) マスク
※カッコは前週の順位
株探ニュース