【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「目先はデイトレで小まめに対応」
株式評論家 富田隆弥
◆サクラがきれいに咲き誇っているが、東京、ニューヨークともに新型コロナウイルスの感染者拡大が止まらず、いまは各自が自粛要請を真摯に受け止めて行動すべきときだろう。
◆日本では4月に緊急事態宣言の発令やロックダウン(都市封鎖)が行われるといった噂(チェーンメール)が広まり、都内のスーパーには慌てて日常品を買い求める人が押し寄せた。マスクはもちろんのこと、トイレットペーパーは再び品切れ状態になっている。仮に緊急事態が宣言されても必要品の買い物はできるはずだが、それが分かっていても多くの人が「もしも…」と不安に駆られて同じ行動をとってしまう。その気持ちは分からないでもないが、こうした心理の広がりや狼狽ぶりはどこかで見たような気もする。
◆トイレットペーパーも食料品も在庫は豊富というから品切れは直に解消されよう。ただ、新型コロナの終息には時間がかかることを覚悟すべきだ。外出の自粛といってもやはり疲れはたまるものなので、自宅ではラジオ体操など体のケアに気を配りたい。
◆頭の体操ならばデイトレがうってつけ。ボラティリティ(変動率)が高止まりしており、上がるにも下がるにも大きく振れやすく値幅取りにはおもしろい局面といえる。デイトレには手数料の安いネット証券がお勧め。個別株もよいが、日経平均先物ミニなら少ない資金で手軽に売買できるのでこの際「先物」を試されてはどうだろうか。
◆さて、日経平均株価だが、3月25日に1万9564円まで勢いよく戻したものの、その後は軟調で4月2日時点で1万7818円と4日続落。3月期末を意識したドレッシング(お化粧買い)も終わり、再び新型コロナの拡大に懸念を強める雰囲気だ。確かに先行きに楽観は禁物だが、株価の上方を推移する25日移動平均線(1万9000円処)に迫って一服という流れはチャートのセオリーでもある。3月19日の彼岸底(1万6358円)まで1ヵ月で31%も急落したことでセリング・クライマックス感も漂わせており、ここでは「乱高下、もみ合い」をもう少し続けてもおかしくない。切り返すなら2万円回復の可能性もある。
◆慎重姿勢を維持しながらも、目先と中期のシナリオを分けて想定しながら、デイトレで小まめに対応していきたい。
(4月2日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース