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【特集】大幸薬品 Research Memo(3):新型コロナウィルスによる需要増への対応。台湾における子会社設立

大幸薬品 <日足> 「株探」多機能チャートより

■トピックス

1. 新型コロナウィルスによる需要増への対応
2020年初頭からの新型コロナウィルスの発生・流行の影響により、感染症対策ニーズが大きく増加し、関連商品は品薄が続いている。大幸薬品<4574>においても、クレベリン製品群、クレベ&アンド製品群が大幅に出荷を伸ばし、店頭では欠品も発生している。(2020年2月下旬時点)。同社では、2019年3月期のインフルエンザの大流行時の一部製品が品薄になったことからも、2020年3月期から生産方式を見直し、早期から生産を開始し、ピークに向けた在庫を確保する方針に転換をしていた。2020年3月期第3四半期までの需要増には対応できたため、この施策は奏功したが、新型コロナウィルスの発生により需要がさらに上回り、在庫ではカバーできない状況となった。クレベリン製品を生産する主力の京都工場ではフル稼働に近い状況が続くものの、需要を満たすには限界がある。同社では、この対策として、自社工場の生産体制の見直しや、委託生産(外注の活用)による生産能力拡大を検討しているようだ。

海外に目を転じると、クレベリン製品の可能性はさらに大きい。同社は、中国での新型コロナウィルス感染拡大を受けて、2020年2月7日に、中国の5病院(武漢市、北京市、広州市)に対して、クレベリン製品計1万個を寄付した。同社には、上海にグループ会社の大幸環保科技(上海)有限公司があり、中国側の要望からこの寄付は実現した。弊社としては、社会的な意義のある行為であるとともに、中長期的な中国市場におけるクレベリンブランドの浸透にも役立つ取り組みであると評価する。

2. 台湾における子会社設立、Web販売及びインフルエンサーマーケティングに本格的に本腰
同社は、2020年2月の取締役会において、台湾に子会社を設立することを決議した。設立の目的としては、
1) 感染管理事業のWeb販売が急成長している
2) 更なる販売強化と、当該チャネルの知見を蓄積する
3) 台湾を拠点に将来的には近隣諸国への展開を想定する
の3点が挙げられる。特に、台湾市場においては、Web販売とともに、インフルエンサーマーケティングが進展しており、このノウハウの蓄積がポイントとなる。2020年4月には設立を完了する予定である。弊社では、将来的には、台湾周辺のASEAN諸国への横展開も視野に入ると推測している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SF》

 提供:フィスコ

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