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【特集】大幸薬品 Research Memo(1):3Qは感染管理事業が大幅増収。販管費増を吸収して大幅増益。3Q過去最高

大幸薬品 <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。

2020年3月期第3四半期は、売上高が10,092百万円(前年同期比40.4%増)、営業利益が3,203百万円(同68.8%増)、経常利益が3,067百万円(同69.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が2,126百万円(同65.3%増)と売上高、各利益ともに前年同期を大幅に上回った。

売上高に関しては、医薬品事業が堅調、感染管理事業は大幅に伸びた。国内医薬品事業の売上高は3,063百万円(前年同期比1.9%増)。特に主力のセイロガン糖衣Aが成長をけん引した。また、ピシャット下痢止めOD錠のリニューアルも増収に寄与した。海外医薬品事業の売上高は946百万円(同1.5%減)。香港向けが前年同期を上回るが、中国向けは前年同期以下の推移。今後通期では中国向けも出荷される予定のため、全体としておおむね計画どおりの進捗である。感染管理事業の売上高は、6,076百万円(同89.4%増)と大幅増。インフルエンザの流行が早くから発生した影響に加え、2018年にクレベリン製品のデザインリニューアル、店頭強化、新TVCMなど一貫したマーケティング施策でブランドが浸透し、その勢いが2020年3月期も継続している。一般用製品の好調に連動して業務用製品もオフィス用通販向けを中心に順調である。海外向けの感染管理製品も台湾市場向けを中心に増加した。

売上総利益は増収の影響により大幅に増加し、売上総利益率は前年同期比1.8ポイント上昇した。販管費に関してはマーケティング強化に伴い販売費等が増加したが、増収効果等により販管費率は前年同期比3.5ポイント低下した。感染管理事業では、広告宣伝費(TVCM放映等)及び販売促進費、欠品回避のための在庫費用(保管料)を増加させた。結果として、営業利益は前年同期比68.8%増と大幅な増益となった。セグメント利益では医薬品事業が前年同期比2.5%減と微減、感染管理事業は同146.9%増と大幅増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SF》

 提供:フィスコ

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