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【市況】日米金融政策の効果は冷静に見極めたいところ【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

16日の日経平均は続落。429.01円安の17002.04円(出来高概算23億4000万株)で取引を終えた。各国中央銀行による金融政策の報道を受けて、値動きの荒い相場展開となった。朝方は米連邦準備制度理事会(FRB)が再び臨時の会合を開き、政策金利を一気に1%引き下げ、事実上のゼロ金利政策に踏み切ることを決定。グローベックスの米株先物の弱さが嫌気される中、日本銀行は正午から金融政策決定会合を前倒しで開くと発表すると、日経平均は寄り付き後10分程度で500円を超える値幅での乱高下。

その後は日銀の金融政策決定会合待ちとなる中、ETF買い入れの年間目標額を現行の6兆円から「当面12兆円」に拡大する追加の金融緩和を決めたと伝わると、日経平均は一時17785.76円まで上昇。しかし、再び下げに転じると、大引けにかけて下げ幅を広げ、17000円を割り込む局面もみられた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数、値下がり数は拮抗。セクターでは、ゴム製品の下落率が4%を超えた他、電気機器、輸送用機器、保険、ガラス土石、建設、サービス、金属製品が軟調。半面、空運、証券、水産農林、陸運、銀行がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、オリンパス<7733>、ソフトバンクG<9984>、アステラス薬<4503>、テルモ<4543>が冴えない。一方でKDDI<9433>、中外薬<4519>が堅調だった。

朝方の乱高下後はこう着が続いていたが、日銀の金融政策決定会合において、ETF買い入れの年間目標額を現行の6兆円から「当面12兆円」に拡大する追加の金融緩和を決めたとの報道で買われた部分が、大引けにかけて剥げ落ちた格好であろう。ニュースフロー等を受けたAIアルゴリズム売買に伴う短期的な先物主導の商いに振らされている状況であろう。グローベックスの米株先物の弱い値動きなどもオーバーナイトの動きを避ける一因となったとみられる。

FRBの1%緊急利下げのほか、日銀のETF買い入れ倍増の市場反応は厳しい状況に映るが、AIアルゴリズムの速い初期反応であり、金融市場を落ち着かせる効果については、しばらく見極めが必要であろう。新型コロナウイルスの感染拡大による影響から神経質な報道が相次いでいる状況下では、ショート戦略の流れが続きやすい面はある。

《CN》

 提供:フィスコ

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