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【通貨】ユーロ週間見通し:下げ渋りか、日銀緩和期待で円買い抑制も

ユーロ/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■反落、米長期金利上昇でユーロ売り強まる

先週のユーロ・ドルは反落。欧州諸国で新型コロナウイルスの感染拡大が報告されたことや、米10年債利回りが一時1%台に上昇したことがユーロ売りにつながった。欧州中央銀行(ECB)は3月12日の理事会で、資産購入策の拡大や流動性を供給していく方針を決定したが、ユーロ圏諸国の財政拡大への期待は高まっていないことから、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが優勢となった。取引レンジ:1.1055ドル-1.1495ドル。

■もみ合いか、安全逃避的なユーロ売りは抑制される可能性

今週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)は緩和的な金融政策を長期間維持する方針でユーロ買いは入りづらい。米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げに踏み切る公算だが、欧米株安は一服していることから、安全逃避的なユーロ売り・米ドル買いは抑制される可能性があろう。

予想レンジ:1.1000ドル-1.1200ドル

■底堅い動き、経済対策への期待でユーロ買い強まる

先週のユーロ・円は底堅い動きとなった。イタリアなど欧州諸国で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることから、ユーロ・円は一時116円台に下落。しかしながら、ウイルス感染拡大による経済への悪影響を抑えるために世界各国は経済対策を打ち出すとの期待で欧米諸国の株式は反発したことから、ユーロ買い・円売りが優勢となり、ユーロは一時120円台前半まで買われた。取引レンジ:116円13銭-120円32銭。

■下げ渋りか、日銀緩和期待で円買い抑制も

今週のユーロ・円は下げ渋りか。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への懸念は消えていないが、欧州諸国は経済対策を打ち出す用意があること、日本銀行は長期金利の上昇を抑制し、信用収縮の発生を防ぐ用意があることから、投機的な円買いは抑制される可能性は残されている。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・18日:1月貿易収支(12月:+231億ユーロ)
・20日:1月経常収支(12月:+326億ユーロ)

予想レンジ:118円00銭-121円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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