米株
【注目】話題株ピックアップ【夕刊】（1）：クラボウ、ＪＡＬ、ソフトバンクＧ
クラボウ ＜日足＞ 「株探」多機能チャートよりクラボウ<3106>はストップ高。午前１０時２０分ごろ、研究用に新型コロナウイルス抗体を１５分で判定可能な検査試薬キットの国内販売を１６日に開始すると発表しており、これが好感されたようだ。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、現在国内では一般的に行われている遺伝子を増幅させるＰＣＲ法による検査では、結果が出るまでに時間を要していることから、簡便で迅速な検査方法に対するニーズが高まっている。これを受け同社は、中国で診療ガイドラインに採用されている、同国の提携先企業が開発した「新型コロナウイルス抗体検査試薬キット」を日本国内に輸入し販売する。このキットは、ウイルスの検出が難しいといわれる感染初期の判定が可能なことが特徴。少量の血液を用いた簡便な操作で、短時間での検査が可能なうえ、特殊な装置や専門知識も必要がないため、従来のＰＣＲ法の遺伝子検査と比べ時間、コスト、作業スペースなど大幅な効率化が図れるという。
■ＶＩＸ短先物 <1552> 13,980円 +1,570 円 (+12.7％) 本日終値
国際のＥＴＦ ＶＩＸ短期先物指数<1552>は続伸。同ＥＴＦは「恐怖指数」と称される米ＶＩＸ指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。１１日の米ＶＩＸ指数は前日に比べ６．６０（１３．９５％）ポイント高の５３．９０に上昇した。１１日のＮＹダウは１４６４ドル安と大幅反落。世界保健機関（ＷＨＯ）は新型コロナについて「パンデミック（世界的な大流行）に相当する」と表明した。また、米政府は給与税の免除などを含む経済対策を発表したが、トランプ大領領は記者会見に出席しなかったことから、同対策の成立を危ぶむ声が強まった。こうしたなか、ＶＩＸ短先物は上昇基調を強めている。
■日経Ｄインバ <1357> 1,367円 +112 円 (+8.9％) 本日終値
ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>が急伸。日経平均株価に対し逆方向に連動するＥＴＦで、変動率はマイナス２倍に基本設定されている。足もと、世界同時株安のなか日経平均も１万９０００円台を割り込むなど下落歩調を強めており、つれて日経Ｄインバの値動きに注目が集まっている。
■日経レバ <1570> 13,490円 -1,330 円 (-9.0％) 本日終値
ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が続急落、フシ目の１万４０００円大台を下回った。日経平均に連動するＥＴＦで変動率は日経平均の２倍に基本設定されている。きょうは、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して全体相場が前日に続く波乱展開で日経平均は一時８００円を超える下げに見舞われた。日経レバは既に売買代金で１９００億円近くに達し全市場を通じて断トツ。個人投資家をはじめとした短期資金の流入を誘っている。
■青山商事 <8219> 972円 -93 円 (-8.7％) 本日終値
青山商事<8219>が急落。１１日取引終了後に２０年３月期業績予想の下方修正を発表。売上高は２３５５億円から２１９０億円（前期比１２．５％減）に見直したほか、営業損益は９０億円の黒字から４億円の赤字（前期は１４６億２９００万円の黒字）、最終損益は２０億円の赤字から２０３億円の赤字（同５７億２３００万円の黒字）に修正した。ビジネスウェア事業は、新型コロナウイルスの影響で売り上げの減少が予想され業績が悪化する。店舗にかかる減損処理５０億円を実施するほか、連結子会社の減損損失４０億円も計上。これに伴い、今３月期は最終赤字に転落する。
■日本航空 <9201> 2,202.5円 -166.5 円 (-7.0％) 本日終値
日本航空<9201>やＡＮＡホールディングス<9202>が急落。トランプ米大統領は１１日、新型コロナウイルス対策に関する国民向けテレビ演説を実施し、英国を除く欧州全域から米国への全ての渡航を３０日間停止することを発表した。これを受け、国際的な空運需要が減速し需給が悪化することが警戒されており、ＪＡＬやＡＮＡＨＤには売りが膨らんでいる。
■ソフトバンクグループ <9984> 3,964円 -265 円 (-6.3％) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が一時３００円を超える下げで４０００円大台を割り込んだ。きょうの東京株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念が広がり、日経平均が続急落となったが、先物を絡めたインデックス売りで同社株には下落圧力が加わっている。また、原油価格の急落を背景に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に出資するサウジアラビアの資金にも影響を与えるのではないかとの思惑もネガティブに働いている。
■三井不動産 <8801> 1,964円 -128.5 円 (-6.1％) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>が急落。全般波乱相場のなかでも不動産セクターへの売りが目立ち、業種別下落率上位にある。「新型コロナウイルスによる経済活動への影響で世界的にデフォルト・リスクが意識されており、メガバンクなど大手金融機関への収益ダメージを懸念する動きがでている。こうなると、有利子負債の大きい不動産株は売りの対象となる」（国内証券アナリスト）という指摘がある。世界的な協調緩和で不動産セクターには追い風が意識され、買い向かう動きも出ていたが、足もとの情勢変化で改めて売りがかさむ状況にある。
■村田製作所 <6981> 5,200円 -154 円 (-2.9％) 本日終値
村田製作所<6981>、アルプスアルパイン<6770>、ＴＤＫ<6762>など電子部品株が軒並み安。前日の米国株市場ではＮＹダウが１４００ドルを上回る急落をみせるなか、米アップルは目標株価引き下げの動きなどが影響して株価を下落させ全体指数の下げを助長した。新型コロナウイルスの感染拡大でｉＰｈｏｎｅの世界需要が減退するとの見方が強まっており、有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーにも売りが波及している。
株探ニュース
