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【市況】米国株式市場見通し:新型コロナによる企業収益への影響見極め


景気後退入りへの警戒感が強まる中、今週も引き続き新型コロナウィルスの感染による経済や企業業績への影響を見極め、株価の下値を探る展開が想定される。米長期債はすでに過去最低水準にあり、米国経済が景気後退入りする確率も高まっている。中国の感染ペースは一段落した一方で、米国を含め、世界各地での感染拡大は始まったばかりであり、長期投資家であっても当面買い控えすることが予想される。エコノミストは新型ウィルスが1-3月期の国内総生産(GDP)成長に打撃を与えるのは必至で、米金利先物市場では連銀が年末までに政策金利をゼロ寸前まで引き下げることを織り込みつつある。2週間後に控えている連邦公開市場委員会(FOMC)でもさらに0.5%ポイントの利下げに踏み切るとの見方が強まっている。

何にしても金融政策での対応は限界があり、感染拡大が急速に鎮静化することも考えにくい為、引き続き新型コロナウイルス 関連の報道や発表を受けて荒い値動きとなることを覚悟しておく必要があるだろう。

経済指標では、2月消費者物価指数(11日)、2月生産者物価指数(PPI)(12
日)、2月輸入物価指数(13日)、3月ミシガン大学消費者信頼感指数(13日)、などが予定されている。金融政策ではECBが12日に定例理事会と、ラガルド総裁の会見が予定されており、既に大規模な金融緩和を行っているECBが何らかの追加緩和政策を講じるかが注目だ。

企業決算では、衣料品サブスクリプションサービスのスティッチ・フィックス(9日)、ソフトウェアのアドビ(12日)やオラクル(12日)、半導体大手のブロードコム(12日)、ディスカウントストアのダラー・ジェネラル(12日)、美容品販売・サロンのウルトラ・ビューティー(12日)、衣料小売りチェーンのギャップ(12日)などが予定されている。各社決算でも新型コロナウイルスによる業績への影響に関する発言が注目されそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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