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【市況】来週の株式相場戦略=2万円ラインの攻防も、騰落レシオは底値示唆

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 来週の東京株式市場は「コロナ・ショック」による株価急落が続くなか、 日経平均株価が2万円ラインの攻防となる可能性もある。 日経平均株価の想定レンジは1万9500~2万1200円。

 今週の日経平均株価は、393円(1.9%)安と4週連続の下落となった。NYダウが連日の1000ドル近辺の乱高下を繰り返すなか、安全資産の債券に資金が流入。米長期金利が過去最低水準となるなか、日米金利差縮小で1ドル=105円後半への急激な円高が進行した。米連邦準備制度理事会(FRB)が0.5%の緊急利下げを行ったが、NYダウは下落するなど投資マインドは急速に冷え込んでいる。

 株価下げ止まりのポイントは「新型コロナウイルスの感染拡大が増加のピークを迎え、低下に転じること」(市場関係者)だ。しかし、米国での感染はまだ始まったばかりで収束はみえていない。となると、全体相場は依然、下値不安を抱えた展開となる。

 日経平均株価はPBR1倍(2万900円近辺)水準を割り込み、次のフシとして「60カ月移動平均線のある2万280円どころ」(アナリスト)が意識されている。また、「株式市場の過去のショック時には高値から15~20%前後の下落となっている」(市場関係者)という。日経平均株価の15%押しは2万497円となる。20%押しは1万9292円の水準だ。このため、次の日経平均株価の下値は2万500円前後で、その下は心理的抵抗線の2万円、続いて1万9200円前後とみられている。

 ただ、現在の株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大を悲観視し、センチメントは極端に悪化している。騰落レシオは6日時点で58.13と極端な低水準にある。70%台は売られ過ぎの水準だが、50%台は「異常値」であり、08年のリーマン・ショックの際には騰落レシオ50%台は格好の買い場となったことは参考にしたい。

 個別株の投資では、全体相場の下落が続けば上昇が見込めるのはアンジェス<4563>やキョーリン製薬ホールディングス<4569>のような一部銘柄にとどまる。しかし、全体相場が反発に入れば半導体や電子部品など景気敏感株の反騰が期待できるだろう。来週は国内では9日の10~12月期GDP改定値や2月景気ウォッチャー、12日の1~3月期景気予測調査が注目される。海外では、10日に中国2月消費者物価、11日に米2月消費者物価が発表される。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2020年03月06日 19時34分

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