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【市況】来週の株式相場戦略=新型肺炎巡り一進一退、カネ余りで下値は限定的

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 来週の株式相場は依然、新型肺炎の影響を巡り一進一退が続く展開が予想される。日経平均株価 の予想レンジは2万3400~2万3900円。

 今週の日経平均株価は前週に比べ140円(0.6%)下落した。市場の関心を集めたのは、やはり新型肺炎 の行方だった。特に13日は、当面の相場の行方を決めるポイントとなった。新型肺炎への警戒感の後退から12日のNYダウ は最高値を更新。これを受け、13日の東京市場では日経平均株価も2万4000円回復への期待が高まったが、中国・湖北省の感染者数拡大の報道を受け、相場は失速。同日には国内での初めての死者が確認された。

 「春節後の2週間程度での国内感染者の広がりが限られていれば、市場には安心感が出てくる」(アナリスト)との見方が流れていた。しかし、今週末にかけ初の死者が確認され、中国とのつながりが不明な患者も出てきた。このため、「新型肺炎によるリスク回避姿勢はまだ続く」(同)との声は強まっている。とは言え、NYダウやドイツDAX指数は最高値圏にある。この日のアジア市場でも、中国・上海総合指数や香港市場は上昇している。
 
 「世界的な金融緩和は続いており、中国も景気対策を打ってくるはず。相場の基調は決して弱くはない」(市場関係者)という見方は少なくない。NYダウが高値圏を維持しているのは、「米国は中国との距離が離れていることに加え、新型肺炎の影響の小さいIT関連株に資金が集まっていることが、相場が高値圏にある要因」(同)と指摘されている。

 東京市場は中国に近いうえに、中国経済の影響を受けやすい製造業の比率が高いことが相場の上値を抑えている。しかし、何らかのきっかけがあれば相場は再度、2万4000円を試す展開となることは十分あり得る。

 国内企業の決算発表も一巡し、来週は目立ったイベントは多くない。そのなか、17日に日本の10~12月期国内総生産(GDP)が発表される。市場には前期比年率で3%台のマイナス成長も予想されている。また、19日には1月訪日外客数が発表される。1月下旬の春節の時期の数字も反映されることから注目度は高く、インバウンド関連銘柄への影響が出る可能性もある。海外では、19日に米1月生産者物価が発表されるほか、同日に1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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