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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

Nuts <日足> 「株探」多機能チャートより

■Nuts <7612>  114円 (+30円、+35.7%) ストップ高

 Nuts <7612> [JQ]がストップ高。同社は29日、子会社が中国・香港で進めていた経鼻アジュバント不活性インフルエンザワクチン事業開発で、中国と共同で新型コロナウイルス感染症にも対応すると発表。これが株価を刺激したようだ。これは、ウイルスを速やかに抑え込むためには共同での対応が不可欠なことから今回、多企業にわたるプロジェクトチームを発足するもの。経鼻アジュバントはウイルス感染に対し交叉制御を持つことから、これを活用して事態に対応するとしている。

■川本産業 <3604>  2,591円 (+500円、+23.9%) ストップ高

 川本産業 <3604> [東証2]がストップ高、これで8日連続のストップ高という記録的な上昇をみせた。同社は医療用衛生材の大手で新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が進むなか、関連銘柄の一角として人気化した。また、配置医薬品の大手で除菌関連製品を手掛ける中京医薬品 <4558> [JQ]もストップ高、これで6日連続値幅制限上限に買われたこととなった。新型肺炎関連で物色人気を集めた銘柄は一部利益確定の売りに押される銘柄も出始めているが、両銘柄については今のところ買い人気に衰えがみられない。ただし3月決算企業は第3四半期の決算発表シーズンにあり、これが思惑買いに水を差す可能性がある。川本産業は2月10日とまだ先だが、中京医薬は来週2月5日に予定されている。

■HMT <6090>  871円 (+150円、+20.8%) ストップ高

 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ <6090> [東証M]がストップ高。29日午前11時ごろ、弘前大学及び東北大学と軽度認知障害バイオマーカーに関する特許共同出願契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の連携は、弘前大学及び東北大学の「革新的イノベーション創出プログラム『COI STREAM』」の研究成果を産学官民の共同で開発・普及させることが目的。HMTではうつ病を含めた精神疾患領域におけるバイオマーカーなどの研究開発を進めているが、同研究成果を開発・普及させるため、弘前大学及び東北大学の持ち分の一部譲渡を受けて特許共同出願を行うと共に、独占的実施権の許諾を受けることになったとしている。

■丸山製 <6316>  1,452円 (+244円、+20.2%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。丸山製作所 <6316> が3日ぶり急反騰、一時ストップ高の1508円まで上値を伸ばした。東証1部の値上がり率トップとなっている。市場では「新型肺炎関連で新たな物色対象を見つけようという動きが活発だ。そのなか、農家向け防除機を手掛ける同社は噴霧器でも高いシェアを持っており、消毒作業などで使われるとの思惑が物色人気につながった。もっとも、連想ゲームの域を出ておらず、デイトレ対象と割り切った形での短期回転物色の一環とみられる。持続性には乏しい」(準大手証券ストラテジスト)としている。

■メディア工房 <3815>  542円 (+80円、+17.3%) ストップ高

 メディア工房 <3815> [東証M]がストップ高。スマートフォンやパソコン向けに占いコンテンツなどを配信するほか、子会社を通じて越境ECにも展開。中国消費者向けに一般用医薬品や化粧品を販売していることで、新型肺炎の感染拡大に伴うマスクや医薬品需要など同国における肺炎対策関連の一角として人気化素地がある。VR関連分野でも新境地を開拓、独自開発のリアルタイム実写立体動画撮影システムに引き合い旺盛で、同商品はフジテレビへの技術協力という形で実績を積んでいる。

■アクシーズ <1381>  2,730円 (+381円、+16.2%)

 鶏肉大手のアクシーズ <1381> [JQ]が急反騰、昨年来高値2669円を更新した。同社は28日取引終了後に、20年6月期第2四半期累計(19年7-12月)の連結営業利益が12億500万円(前年同期比3.2%減)になったと発表。ただ、10-12月期に限れば7億800万円(前年同期比31.4%増)となったことが好感されたようだ。連結売上高は第2四半期累計で99億3400万円(同0.7%増)、10-12月期では51億3400万円(同4.4%増)となった。主力の食品事業では肥育効率や製造歩留の改善に努めたほか、外食事業は既存店舗の販売が好調を維持した。なお、20年6月期通期の連結業績予想は、売上高196億円(前期比0.1%増)、営業利益21億円(同13.6%減)とする従来計画を据え置いている。

■カヤック <3904>  721円 (+100円、+16.1%) ストップ高

 カヤック <3904> [東証M]がストップ高。28日に公式ツイッターで、同社がアメリカ向けにローンチしたハイパーカジュアルゲーム「Park Master」が、全米の無料ダウンロードランキングで1位になったと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「Park Master」は、他の車を避けながら、指で線を描いてうまく車を駐車をするゲーム。日本でも昨年12月に配信を開始している。

■ジー・スリー <3647>  247円 (+23円、+10.3%)

 ジー・スリーホールディングス <3647> [東証2]が続急騰。28日の取引終了後、従来非開示としていた20年8月期連結業績予想について、売上高49億5000万円(前期比1.9%増)、営業利益2億8000万円(前期3億4300万円の赤字)、最終損益3億4600万円(前期比31.1%増)を見込むと発表しており、営業損益の大幅改善を好感した買いが入った。岡山県の英田光太陽光発電所に太陽光パネルを供給することに関して、商品の仕入と販売が実績化したことに加えて、保有する太陽光発電所についてセカンダリーマーケットが形成されてきたことで引き合いが増加してきていることから、業績予想が算定可能になったとしている。同時に、エコ・キャピタル(東京都港区)などを割当先とする第三者割当による自己株式の処分及び新株式の発行で、約6億8500万円を調達すると発表しており、財務体質の強化につながるとの期待もあるようだ。

■ユニゾHD <3258>  5,530円 (+340円、+6.6%)

 東証1部の上昇率6位。ユニゾホールディングス <3258> が続急伸し昨年来高値を更新。米投資ファンドのブラックストーン・グループが28日、ユニゾHDに対する新たな買収提案を発表した。TOB価格を1株5600円としたことから、TOB価格を意識した動きとなった。ユニゾHDは昨年12月22日、米投資ファンドのローンスターと共同で従業員による買収(EBO)を発表し、これに賛同する旨を発表していたが、このTOB価格は5100円であったことから、今回のブラックストーンの提案したTOB価格は10%のプレミアムとなる。

■キヤノンMJ <8060>  2,667円 (+127円、+5.0%)

 キヤノンマーケティングジャパン <8060> が6日ぶりに急反発。28日の取引終了後に発表した20年12月期連結業績予想で、売上高6000億円(前期比3.4%減)、営業利益340億円(同4.8%増)、純利益228億円(同2.5%増)と連続増益を見込んでいることが好感された。ヘルスケアのグループ会社売却に伴う売り上げの減少や、前期に大きく増加したビジネスパソコンの反動減などで減収を見込むものの、ITソリューションの売り上げ増加や収益性の向上などにより増益を確保する見通しだ。なお、19年12月期決算は、売上高6211億3400万円(前の期比0.1%減)、営業利益324億3900万円(同12.1%増)、純利益222億5000万円(同6.8%増)だった。また、29日に発表した22年12月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高6400億円以上、営業利益380億円以上を目指すとしている。

■日エンター <4829>  253円 (+11円、+4.6%)

 日本エンタープライズ <4829> が大幅続伸、75日移動平均線をターニングポイントに急速に切り返す動きをみせた。同社は28日取引終了後、ドコモCSとキッティングRPAツール「Kitting-One」の年間契約を締結したことを発表、これによる業容拡大期待を材料に買いが流入した。Kitting-Oneは、企業がスマートフォンやタブレットなど端末導入時に必要なアプリケーションのインストールや社内ネットワークの設定などの初期設定を行うキッティング作業を支援するツール。企業のIT投資需要旺盛ななか今後もキッティング市場の拡大が見込まれ、日エンターは同分野に注力の構えをみせている。

■朝日ラバー <5162>  861円 (+30円、+3.6%)

 朝日ラバー <5162> [JQ]が大幅続伸、一時75円高の906円と値を飛ばした。株価は1月10日から取引時間中も含め3営業日連続ストップ高という急騰力を発揮、その後は調整局面にあったが25日移動平均線を足場に切り返しに転じてきた。切り紙構造とゴムの複合による新しい伸縮配線を開発しており、早稲田大学との共同研究にも活用されるなどウェアラブル分野への応用が見込まれることで今後の展開に期待が大きい。

■阿波銀行 <8388>  2,341円 (+77円、+3.4%)

 阿波銀行 <8388> が5日ぶり大幅反発。28日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の0.98%にあたる42万株(金額で11億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月5日から3月13日まで。なお、今回取得する自社株は、消却を実施する予定。

■帝国繊維 <3302>  2,459円 (+80円、+3.4%)

 帝国繊維 <3302> が3日続伸。「物言う株主」として知られる英国の投資ファンド、アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が同社に対して増配などを要求していると複数のメディアが報じた。19年12月期配当を計画されている1株当たり40円から76円に引き上げることに加え、自社株買いの実施も求めているという。また、同社が保有するヒューリック <3003> の株式売却も要求している。この報道を受け、29日の同社株は買いが優勢となった。

■郵船 <9101>  1,830円 (+57円、+3.2%)

 日本郵船 <9101> が7日ぶりに反発。29日付の日本経済新聞朝刊で「2019年10-12月期の連結業績は経常利益が200億円程度になったようだ」と報じられており、前年同期比3.5倍と急拡大したとの観測を好材料視した買いが入った。記事によると、海運3社で統合したコンテナ船事業の業績が回復したほか、原油タンカーの運航料が大幅に上がったことが寄与したという。なお、決算発表は1月31日を予定している。

■エムスリー <2413>  3,235円 (+85円、+2.7%)

 エムスリー <2413> が5日ぶりに反発。同社は28日取引終了後に、20年3月期第3四半期累計(19年4-12月)の連結決算を発表。営業利益は269億3300万円(前年同期比17.3%増)となり、通期計画350億円に対する進捗率は77%となった。売上収益は963億1900万円(同15.1%増)で着地。医療ポータルサイト「MR君」など各サービスが順調に拡大したほか、米国の治験事業が好調に推移したことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■東エレク <8035>  24,780円 (+510円、+2.1%)

 東京エレクトロン <8035> 、スクリン <7735> など半導体製造装置関連株が買いを集めた。ここ半導体メモリー市況の改善期待が高まるなか、米国株市場では半導体関連株に上値を伸ばす銘柄が多くなっている。中国で発生した新型肺炎の感染拡大による懸念はくすぶるものの、前日はインテル、アプライドマテリアルズなどの半導体主力株が買われ、全体相場の戻りを主導、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.4%高と大きく切り返した。この物色の流れが東京市場にも波及した。

■JFEシステ <4832>  4,155円 (+85円、+2.1%)

 JFEシステムズ <4832> [東証2]が続伸。28日の取引終了後、20年3月期第3四半期累計(19年4-12月)の連結決算を発表。売上高が343億1100万円(前年同期比11.4%増)、営業利益が33億300万円(同30.4%増)、純利益が21億3800万円(同26.4%増)と順調に拡大しており、これを好感した買いが入った。製鉄所システムリフレッシュなど親会社JFEスチール向けのシステム開発が増加したことに加えて、ソリューション事業の拡大などが業績を牽引した。また、19年4月に連結子会社となったアイエイエフコンサルティングも寄与した。なお、20年3月期通期業績見通しは、売上高480億円(前期比12.7%増)、営業利益40億(同15.2%増)、純利益26億円(同12.0%増)と従来予想を据え置いている。

■安川電 <6506>  3,955円 (+80円、+2.1%)

 安川電機 <6506> が3日ぶり反発。1月中旬以降は中国で発生した新型肺炎の感染拡大もあって急速な調整を余儀なくされてきたが、目先ようやく売り物が枯れ、リバウンドに転じた。中国向け売上比率が高く、「収益環境の逆風は回避できないものの目先は売られ過ぎ」(国内中堅証券)という見方も出ている。信用売り残が厚く直近の信用倍率は1倍と売り買い拮抗しており、株価には空売りの買い戻しによる浮揚力も働いた。

■日鉄物産 <9810>  5,070円 (+75円、+1.5%)

 日鉄物産 <9810> が5日ぶりに反発。全体相場の地合い改善が追い風となったもよう。また、同社と日鉄ステンレス(東京都千代田区)、住友商事 <8053> は29日、ステンレス鋼材販売のNSステンレス(東京都中央区)及び日鉄ステンレス販売(東京都中央区)の統合に向けた検討を開始したと発表しており、これを評価した動きもあったようだ。3社は10月1日の新会社発足に向け、5月末までに最終契約を締結する計画。新会社はステンレス専業流通会社として、メーカーと一体となった需要開拓や用途開発などのソリューション提案活動などを深化するとしている。

■ニホンフラ <7820>  2,740円 (+38円、+1.4%)

 ニホンフラッシュ <7820> が続伸。28日大引け後に発表した20年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比43.9%増の31.8億円に拡大して着地したことが買い材料視された。中国政府が住宅の内装工事を義務付ける政策を進めるなか、内装ドアなどの受注が大きく伸びた。また、新工場の本格稼働など供給体制の強化も寄与し、28.3%の大幅増収を達成した。

■JSR <4185>  2,043円 (+28円、+1.4%)

 JSR <4185> が続伸。岩井コスモ証券は28日、同社株の目標株価を2160円から2250円に引き上げた。投資判断の「B+」は継続した。27日に発表された第3四半期(19年4-12月)連結業績は、売上高が3590億7600万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は296億2400万円(同21.9%減)と減益決算だったが、ほぼ会社予想に沿った展開と指摘。半導体材料も堅調で20年3月期の予想営業利益400億円(前期比7%減)は達成できるとみている。また、5月には中期経営計画が発表される見込みであり、その内容への期待から株価も堅調に推移すると見込んでいる。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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