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【市況】【↓】日経平均 大引け| 大幅反落、中東の地政学リスクで一時600円超安 (1月8日)

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

日経平均株価
始値  23217.49
高値  23303.21(13:11)
安値  22951.18(09:41)
大引け 23204.76(前日比 -370.96 、 -1.57% )

売買高  14億5311万株 (東証1部概算)
売買代金  2兆5644億円 (東証1部概算)

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■本日のポイント

 1.日経平均は大幅反落、一時600円超の下げとなるもその後は下げ渋る
 2.米軍が駐留するイラク基地をイランが攻撃したことが伝わり、リスクオフに
 3.為替市場では円高が進行、アジア株安なども横目に先物主導で急落する展開
 4.その後はイラン外相の報復停止を示唆するコメントを受け、買い戻しを誘発
 5.全体の90%を超える銘柄が下落、売買代金は2兆5000億円台に膨らむ

■東京市場概況

 前日の米国市場では、NYダウは119ドル安と反落した。米イラン報復合戦による中東の地政学リスクの高まりが懸念され売りが優勢となった。

 東京市場では、中東リスクが嫌気され日経平均株価が大幅安。下げ幅は一時600円を超えたが、前場後半以降は下げ渋る展開となった。

 8日の東京市場は、米国とイランの対立激化を背景とした中東の地政学リスクに振り回される展開を強いられた。朝方取引開始前に、米軍が駐留するイラク基地に対しイランが攻撃を仕掛けたと伝わり、外国為替市場で1ドル=107円台後半へと急速に進む円高を横目に日経平均は先物主導で急落、一時600円を超える下げに見舞われた。中国・上海株や香港株などをはじめアジア株市場も総じて軟調で、前引け段階では値下がり銘柄数が2000を超え、東証1部全体の95%の銘柄が下落する波乱展開となった。その後は、イラン外相の報復停止を示唆するコメント受け、先物主導で買い戻され下げ幅を縮小した。ただ、それでも大引け時点で9割強の銘柄が値を下げる全面安商状。業種別では鉱業を除く32業種が下落した。東証1部の売買代金は下値で買い向かう動きが反映されて、2兆5000億円台に膨らんだ。

 個別では、任天堂<7974>が売りに押され、ファーストリテイリング<9983>も安い。トヨタ自動車<7203>が軟調、東京エレクトロン<8035>、村田製作所<6981>も値を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクも下値を探った。パイプドHD<3919>が値下がり率トップに売られ、ボルテージ<3639>も急落。RPAホールディングス<6572>、gumi<3903>なども大きく水準を切り下げた。
 一方、ソニー<6758>が小幅ながらプラス圏で引けるなど底堅さを発揮、NEC<6701>も買い優勢だった。石川製作所<6208>、豊和工業<6203>がいずれも一時ストップ高に買われるなど防衛関連株が物色人気となった。象印マホービン<7965>も値を上げた。ウシオ電機<6925>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、横河電機<6841>なども堅調だった。

 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄は横河電 <6841> 、アサヒ <2502> 、日ハム <2282> 、NEC <6701> 、富士通 <6702> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約3円。
 日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はファストリ <9983> 、ファナック <6954> 、ファミマ <8028> 、SBG <9984> 、テルモ <4543> 。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約98円。

 東証33業種のうち上昇は鉱業のみ。下落率の小さかった上位5業種は(1)証券商品先物、(2)空運業、(3)石油石炭製品、(4)鉄鋼、(5)医薬品。一方、下落率の大きかった5業種は(1)海運業、(2)精密機器、(3)ガラス土石製品、(4)不動産業、(5)化学。

■個別材料株

△神田通機 <1992> [JQ]
 光通信大株主で思惑波及。
△暁飯島工業 <1997> [JQ]
 9-11月期(1Q)経常は3.7倍増益で着地。
△アゼアス <3161> [東証2]
 沖縄で豚コレラが約33年ぶり発生し防護服に思惑。
△バイク王 <3377> [東証2]
 前期経常を50%上方修正。
△クレスコ <4674>
 1対2の株式分割を発表。
△コニシ <4956>
 岩井コスモ証券が投資判断を引き上げ。
△石川製 <6208> 、細火工 <4274> [JQ]、重松製 <7980> [JQ]
 イランの米軍攻撃で地政学リスクへの警戒感高まる。
△横河電 <6841>
 サウジアラビア基礎産業公社と制御システムの供給などで提携。
△ウシオ電 <6925>
 東海東京調査センターが目標株価2450円に設定。
△和田興産 <8931> [JQ]
 3-11月期(3Q累計)経常が34%増益で着地。

▼京進 <4735> [東証2]
 20年5月期業績及び配当予想を下方修正。
▼ビジョナリー <9263> [JQ]
 東証が信用規制。

 東証1部の値上がり率上位10傑は(1)石川製 <6208> 、(2)豊和工 <6203> 、(3)クレスコ <4674> 、(4)DLE <3686> 、(5)ヤマシタHD <9265> 、(6)東京計器 <7721> 、(7)ITメディア <2148> 、(8)日本ドライ <1909> 、(9)象印 <7965> 、(10)ツカモト <8025> 。
 値下がり率上位10傑は(1)パイプドHD <3919> 、(2)ボルテージ <3639> 、(3)薬王堂HD <7679> 、(4)川崎汽 <9107> 、(5)サンエー <2659> 、(6)RPA <6572> 、(7)サムティ <3244> 、(8)ベネフィJ <3934> 、(9)ハブ <3030> 、(10)gumi <3903> 。

【大引け】

 日経平均は前日比370.96円(1.57%)安の2万3204.76円。TOPIXは前日比23.65(1.37%)安の1701.40。出来高は概算で14億5311万株。東証1部の値上がり銘柄数は150、値下がり銘柄数は1981となった。日経ジャスダック平均は3842.05円(30.67円安)。

[2020年1月8日]

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