【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):伊藤園、富士フイルム、東邦金
伊藤園 <日足> 「株探」多機能チャートより
伊藤園<2593>は続落。今月16日に5790円の高値をつけ、4月1日の年初来高値5840円に迫ったことから、利益確定売りが出ている様子だ。SMBC日興証券は17日、同社株の目標株価を5000円から5200円に引き上げたが、投資評価は「2」を継続した。今年6月に実施した大型PETボトル飲料の価格改定で収益性は着実に改善しているが、米国事業は苦戦と指摘。特に、15年に買収した米国のコーヒー豆会社DLTC社には回復の兆しが見えてこない点を懸念している。事業ポートフォリオを精査し、世界のティーカンパニー戦略に資源を集中すべき、とみている。
■富士フイルム <4901> 5,277円 -41 円 (-0.8%) 本日終値
富士フイルムホールディングス<4901>は朝高後、値を消す展開。18日付の日本経済新聞は、同社は「日立製作所<6501>の画像診断機器事業を買収する方針を固めた」と報じた。買収額は1700億円台に達する見通し。日立の磁気共鳴画像装置(MRI)などの医療器機に同社の画像処理技術や人工知能(AI)などを組み合わせるという。この報道に対して、大手証券のアナリストは「買収金額としては妥当な水準との印象」とし、富士フイルムと日立の両社にとってポジティブな内容と評価した。ただ、富士フイルムの株価は足もとで堅調に推移していたことから買い一巡後は利益確定売りに押された。
■東邦金属 <5781> 1,315円 +300 円 (+29.6%) ストップ高 本日終値
東邦金属<5781>が連日ストップ高。熊本大学が17日、同大先進マグネシウム国際研究センターの河村能人教授と井上晋一特任助教らが、「KUMADAI耐熱マグネシウム合金」の不燃化に成功したと発表。不燃化によって、製造時と利用時の安全性が高まったことから、航空機や自動車などさまざまな輸送機器への応用に弾みが付くと考えられるとしている。同大では今後、現在進めている多くの企業との共同研究を加速させて、社会実装化を図っていきたいとしていることから、「KUMADAI耐熱マグネシウム」の極細ワイヤーの開発を共同で行った同社が引き続き物色人気を集めているようだ。
■ストリームM <4772> 223円 +50 円 (+28.9%) ストップ高 本日終値
ストリームメディアコーポレーション<4772>が急反騰。17日の取引終了後、自社テレビ局「DATV」で、中国最大のレビューサイトで19年上半期ナンバーワンを獲得した中国ドラマ「あったかいロマンス」を放送すると発表しており、これが好感された。「あったかいロマンス」はある日突然、同居することになった恋には疎い天才理系男子とかわいい普通女子との初々しくもリアルな恋を描いた胸キュン必至のラブストーリー。原作は、中国の人気作家チャオ・チェンチェン(趙乾乾)の恋愛3部作の同名小説で、同じ3部作シリーズのうちの一つ「ツンデレ王子のシンデレラ」は中国で話題を呼び、日本でも配信され人気となった。
■ダイトーケミックス <4366> 498円 +78 円 (+18.6%) 一時ストップ高 本日終値
ダイトーケミックス<4366>が一時ストップ高に買われたほか、東洋合成工業<4970>も大幅高となっている。次世代通信規格(5G)サービスの拡大が予想されるなか、半導体の性能を飛躍的に高める極端紫外線(EUV)を活用した次世代露光技術への関心がたかまっており、関連株への物色が広がっている。そのなか、ダイトーケミは時価PBRが0.4倍台と割安感もあり物色の矛先が向かったようだ。また、EUV用感光材の開発を推進している東洋合成も新値を更新するなど買われている。
■ぱど <4833> 550円 +80 円 (+17.0%) ストップ高 本日終値
ぱど<4833>が異彩の物色人気。きょうで3日連続のストップ高となり、前週から売買代金も急増している。目先材料は見当たらないものの株式需給思惑を背景に個人投資家を中心とする短期資金が流入している。同社の筆頭株主RIZAPグループは発行株数の68%弱を保有していたが、今月5日の変更報告書で保有株を全株売却したことが分かり、それに代わって、実業家の畑野幸治氏が10日付大量保有報告書で72.56%の筆頭株主に浮上したことが判明した。畑野氏はきょうマザーズへの新規上場で注目されているBuySell Technologies<7685>の創業者。
■カーチスHD <7602> 268円 +27 円 (+11.2%) 一時ストップ高 本日終値
カーチスホールディングス<7602>が後場急動意し、年初来高値を更新。午後1時ごろ、今年3月に合弁会社設立で基本合意した山東新華錦国際株式の100%子会社である青島新華錦汽車貿易と、来年1月の予定で合弁会社を設立すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。新合弁会社は、中国に自動車及び関連部品の輸出事業を行う拠点を構築し、中央アジア、EU方面への物流・輸出などの事業を具体的に進めるのが狙い。また、カーチスHDが培ってきた日本での自動車流通や査定技術のノウハウにより、中国国内での中古車市場における事業展開を目指すとしている。なお、新会社はカーチスHDの持ち分法適用関連会社となる。
■CDS <2169> 1,663円 +162 円 (+10.8%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
CDS <2169> が急騰。17日大引け後、19年12月期の連結経常利益を従来予想の13.4億円→14.8億円に10.0%上方修正。増益率が4.4%増→14.9%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。技術システム事業が想定以上に好調で、売上高が計画を10.5%も上回ることが利益を押し上げる。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の48円→50円(前期は44円)に増額修正したことも評価材料となった。
■多摩川ホールディングス <6838> 2,606円 +173 円 (+7.1%) 本日終値
多摩川ホールディングス<6838>が急反発。17日に行われた決算説明会で電子・通信用機器事業の進捗率について、上期に5GLowバンド製品に関して各通信事業者に対する認証登録が完了し、一部の高周波コンポーネントの採用が決まったことや、北米、ASEAN地域から大口の引き合いが複数あると説明しており、これが好材料視されているようだ。また、公共インフラについても列車及び官公庁向けの業務用無線関連で大型の引き合い及び受注を獲得し今期から出荷を開始するほか、国の研究機関や民間の次世代通信規格開発関連、官公庁からの大口引き合い案件についても一部を受注したとしている。
株探ニュース