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【市況】10日の中国本土市場概況:上海総合0.1%高で4日続伸、ハイテク急伸

上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより

10日の中国本土市場は小幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比2.84ポイント(0.10%)高の2917.32ポイントと4日続伸した。上海A株指数も上昇し、2.98ポイント(0.10%)高の3056.85ポイントで取引を終えている。

中国景気の先行きを楽観。政府系シンクタンクの中国社会科学院は9日に経済白書を発表し、中国の国内総生産(GDP)成長率が2020年に6.0%前後を維持するとの見通しを示している。足元では、20年の中国経済が「6%割れ」するとのレポートが複数出ていただけに、過度な減速懸念が後退した格好だ。直近で公表された中国経済統計で、弱い内容が散見されただけに、「当局は景気対策に力を入れる」との思惑も広がっている。政策期待も強まる展開。来年の経済政策目標を決める「中央経済工作会議」が10日スタートしたと伝えられた。

もっとも、買い進む動きは限定的。米国の対中関税「第4弾」の発動が15日に迫るなか、米中通商協議の進展を見極めたいとする慎重スタンスが広がっている。指数はマイナス圏で推移する場面もみられた。

業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)がストップ高、通信機器メーカーの大唐電信(600198/SH)が7.3%高、スマホ用アプリ開発(電子書籍リーダー)の掌閲科技(603533/SH)が6.8%高、IC設計の上海書爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が5.9%高で引けた。医薬品株、素材株、消費関連株なども買われている。

このほか、本日は「中国版ゆうちょ銀行」の中国郵政儲蓄銀行(601658/SH、1658/HK)が上海市場に新規株式公開(IPO)し、公募価格(5.50人民元)を2.0%上回る5.61人民元で取引を終えた。香港市場との重複上場となり、本土市場ではここ10年来で最大規模のIPOとなっている。

半面、不動産株は安い。華夏幸福(600340/SH)が1.2%下落した。時価総額上位の金融やエネルギー株、インフラ関連株、空運株なども売られている。

外貨建てB株は値下がり。上海B株指数が0.08ポイント(0.03%)安の244.63ポイント、深センB株指数が1.47ポイント(0.16%)安の899.52ポイントで終了した。

【亜州IR】

《FA》

 提供:フィスコ

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