【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):日本創発G、ウチダエスコ、システムディ
日本創発G <日足> 「株探」多機能チャートより
9日、日本創発グループ <7814> [JQ]が12月31日現在の株主を対象に1→4の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の4分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて、商業印刷やWeb制作を手掛ける研精堂印刷の株式一部取得による持分法適用関連会社化も明らかにした。
■ウチダエスコ <4699> 5,620円 +490 円 (+9.6%) 本日終値
ウチダエスコ<4699>は全般悪地合いのなか急反騰。東証がきょうの売買分から委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)とする臨時措置を発表。また、日証金も同日以降の貸借取引にかかる貸借担保金率を現行30%から50%(同20%)とすることを発表しており、直近の大商いの急騰を受けて規制の動きが強まっている。売買自由度が失われるものの、前日まで続落となったことで、一時16.4%高の5970円まで上値を飛ばすなど押し目買いと見られる買い意欲が旺盛だ。人気化のきっかけは、11月29日に発表された20年7月期第1四半期(7月21日~10月20日)の連結決算。教育ICT向けサービスの好調などから、売上高は59億2300万円(前年同期比68.9%増)、営業利益は9億700万円(同4.9倍)となった。また、経済対策のひとつとして23年度までに全小中学生にパソコンを配置するとの報道も買いに拍車をかけた面もあり、足もとは依然として投資資金の攻勢が続いている。
■システム ディ <3804> 908円 +73 円 (+8.7%) 一時ストップ高 本日終値
システム ディ <3804> [JQ]が一時ストップ高。9日大引け後、19年10月期の連結経常利益を従来予想の4億4000万円→5億3800万円に22.3%上方修正。増益率が13.1%増→38.3%増に拡大し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。パッケージソフトの高品質化やストックビジネスの推進が奏功し、収益を押し上げた。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の7円→10円(前の期は7円)に大幅増額修正したことも評価材料となった。
■高見サイ <6424> 1,453円 +113 円 (+8.4%) 本日終値
高見沢サイバネティックス<6424>は急伸。山手線新駅での無人AI決済店舗で急騰したサインポスト<3996>に追随する動きが横に広がっている。大阪メトロはきょうから、登録済顔写真で駅の改札を通過できる「顔認証」の実証実験をスタートさせる。これを受け、自動券売機や出改札機器で高い実績があり、ICカードやICリストバンドによる入退場管理システムのノウハウを持つ同社に、同実証実験の関連有力株として投資資金が集中した。
■アイスタディ <2345> 972円 +71 円 (+7.9%) 本日終値
アイスタディ<2345>が3連騰、25日移動平均線をサポートラインに上値指向を鮮明としている。システムエンジニア向け学習ソフトなどeラーニングを主力としており、政府が経済対策として打ち出している教育ICT関連の一角として頭角を現している。9日取引終了後、ブロックチェーン企業のStake Technologies(東京都港区)と業務提携することを発表、これが株高を後押しする形となった。企業ニーズに合わせてブロックチェーンの導入・開発を協業体制で支援する構えにあり、今後の業容拡大に向けた期待が膨らんだ。
■安江工務店 <1439> 1,394円 +97 円 (+7.5%) 本日終値
安江工務店<1439>が高い。9月以降、売り物薄のなか一貫して上値追い態勢をみせていたが、目先上げ足を一気に加速してきた。同社は愛知県を地盤に地域密着型で住宅リフォームを展開する。9日取引終了後、上場会社で初となる人工知能「RRAI(ダブルアールアイ)」を活用したリノベーション事業を提案すると発表、これが投資マネーの琴線に触れた。PERは前日終値時点で11倍台、配当利回りは3.4%と指標面でも割安感があった。
■サイバー・バズ <7069> 5,150円 +285 円 (+5.9%) 本日終値
サイバー・バズ<7069>が3日続伸。同社は9日、インスタグラマーを起用した動画投稿サービス「movely(ムーブリー)」の提供を開始したと発表。これが新たな買い手掛かりとなったようだ。このサービスは、独自のインフルエンサーネットワーク「NINARY(ニナリー)」で、動画の企画やクリエイティブ制作など動画投稿を得意とするインスタグラマーが広告主の商品やサービスを体験し、インスタグラムに投稿するもの。これにより、更なるインフルエンサーマーケティングの効果向上に尽力するとしている。
■さくらインターネット <3778> 730円 +32 円 (+4.6%) 本日終値
さくらインターネット<3778>は大幅続伸、10月28日につけた728円を約1カ月半ぶりに上抜き年初来高値更新となった。売買高も後場寄り時点で43万株強に膨らみ物色人気化の様相を呈している。政府が打ち出した経済対策をきっかけに教育ICT関連が賑わうなか、同社はNTTデータ<9613>などと、教育機関向けクラウドサービス「edumap(エデュマップ)」を展開しており、関連株として頭角を現している。同社は「さくらの学校支援プロジェクト」として、北海道石狩市の小学校で授業形態や指導方法などを検討するための「プログラミング教育出前授業」を2017年から実施していることにも注目が集まっている。業績も好調、19年4~9月期営業利益は前年同期比44%増の4億700万円と大幅な伸びを達成、20年3月期通期は前期比27%増の7億2000万円を見込んでいる。
■ネオス <3627> 906円 +31 円 (+3.5%) 本日終値
ネオス<3627>が上昇トレンド鮮明、3連騰で11月18日以来となる900円台を回復。政府が打ち出した事業規模26兆円の経済対策では小中校へのパソコン・タブレット端末普及など教育ICT関連にも恩恵が及ぶ。同社はネットサービスを支援するソリューションビジネスやデバイス事業を展開、特にAI・IoT分野への注力を標榜しているが、そのなか、教育ICTにも傾注の構えをみせている。「クレヨンしんちゃん」の知育アプリなどで先駆するほか、内田洋行<8057>の教育コンテンツ配信サービス「Edumall」で小学生向け教育コンテンツなどを提供している。
■ヘリオスTH <6927> 501円 +17 円 (+3.5%) 本日終値
ヘリオス テクノ ホールディング<6927>が8日ぶりに反発。9日の取引終了後、子会社の日本技術センター(日技)及びテクノリンクをNTホールディング(東京都千代田区)に売却すると発表しており、これが好材料視された。NTホールディングは、日技の竹中隆社長をはじめとする日技の経営陣及び資本パートナーである雄渾キャピタル・パートナーズが運営する雄渾1号投資事業有限責任組合が出資する投資会社で、竹中社長及び雄渾からMEBO(経営陣と従業員による自社株買収)の申し出があったことから売却を判断したという。同時に、ヘリオスTHは、半導体の開発・設計の企画と投資のための新会社を設立すると発表しており、これも好材料視されている。
●ストップ高銘柄
みらいワークス <6563> 4,005円 +700 円 (+21.2%) ストップ高 本日終値
大谷工業 <5939> 7,050円 +1,000 円 (+16.5%) ストップ高 本日終値
アイケイ <2722> 1,088円 +150 円 (+16.0%) ストップ高 本日終値
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース